さいごの法律

赤木 さわと

文字の大きさ
上 下
3 / 9

3

しおりを挟む
「こりゃいかん」
 そう思った神様は再び代表者を招集して、別な法律を考えさせました。
 再び100日間のかんかんがくがくの末、誰かが言いました。
「肌の色や人種で差別なんで今どき古いよやめようよ」

 そうして世界法律『地球は一つの人種』が立法されました。
 これで争いが起きません、何せ地球が一つの民族になったのです。
 ようやく平和になると思われましたが、今度は資源の近くにいる人間が、自分たちだけの利益を優先させて、儲けに走り、採掘に来た人間たちを気に食わないと片っ端から襲撃してまたまた戦争が始まりました。

 それで地球人の五分の一が死にました。
 合計すると地球人の五分の四が死んだ事になります。

「こりゃいかん」
 そう思った神様は再び代表者を招集して、別な法律を考えさせました。
 再び100日間のかんかんがくがくの末、誰かが言いました。
「武器があるからいけないんだ。武器を捨てよう」

 そうして世界法律『武器を捨てる』が立法されました。
 来月の一日がその日に設定されました。
 一日に持っている武器を一斉に海に捨てる事にしたのです。
 歴史的記念日です。地球から武器が無くなるのです。

 それは全ての地域を結んで、リアルタイムにTV中継もされ、武器が全て海に捨てられました、そして平和が訪れたように見えましたが、核爆弾だけは隠し持っており、持っていた核爆弾のボタンが一斉に押されました。

 ボタンの近くにいた人間たちが、今がチャンスと思い、自分たちだけ生き残ろうとしたんです。
 こういう時だけ考える事は一緒でした。
 これで地球人の五分の一が死にました。
 合計すると全員死んだのです。
しおりを挟む

処理中です...