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第五章 人体再生

魂の注入装置1

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 考えろ、月夜、考えろ!

 私はママのパソコンチェアに座り、頭をフル回転していた。
 まずは装置のおさらいだ。私は自分の知識にアクセスした。

 一度身体から離れた魂は、直接人体に戻しても、心臓が動いても止まっていても、寿命と認識してすぐに離れてしまう。
 その為に《魂のベッド》に魂を乗り移つさせて人体に注入し、ゆっくり体に浸透させないといけない。

 まだ現世に留まっている魂を取り込むのがラッパの形をした《魂の吸引器》
 これは室内の魂を感知してモニターに映すレーダーの役割も持っている。

 そして、収納ポットの中にあるロート状のノズルから魂を吹き出して、《魂のベッド》に移す。

 《魂のベッド》を管が吸引して口から死体の体内へと送り込む。

 《魂吸引器》の根元と収納ポットの下部には感知器がセットされていて、魂を感知すると色が変わる仕組みだ。

 これが、途方もない時間を使って、ご先祖さまが研究・開発して、ママとパパが完成させた装置——『魂の注入装置』


 そして閃いた!


 まずは再生細胞をセットしてみよう。

 私は立ち上がるとルナママに言った。

「ルナママ、再生細胞残ってる? 試しにセットしてみたい」

「やってみましょう」

 ルナママは、自分の回路から培養していた再生細胞を切り出して、収納ポットにセットした。
 翁じいもソファーから立ち上がって、食い入るように作業を見ている。

「それではスイッチを入れます」
「うん」

 ウィーン、微かな電子音と共にモニターに電源オンの表示がされる。

 と、モニターにラッパが収集した『魂の配置図』が現れた。
 ラボの中には複数の魂があるようだ。
 ナンバリングされているのは3113個!
 それが全部丸く青く発光している。
 その中の二つは私と翁じいだ。

「私には全て未知の世界ですが、個々が持つエネルギーの特性の違いでナンバリングされているようです。きっとこれがそれぞれの性格——個性なのでしょう」
 ルナママが言った。
 
「なんでこんなにあるの? 」
「凄いですな、見えないだけでこんなに多くの方々がこの部屋に………」
 翁じいが呟いた。


 その時私は、ボラン島で聞いたママの言葉を思い出した——

「魂は無くなりません、いつも傍にいるんですよ」



「そうっか! もしかしてみんなご先祖さまだ。私が心配で見守ってくれているんだ」

 ママもパパもおじいちゃんもおばあちゃんも、そして、かぐや姫もきっとこの中にいる。

 でもどうやってこの中から鉄ちゃんの魂を探せばいいんだ?
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