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第四章 帝との約束

3つの鍵3

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 充分開いたところで中に入る。
 中は長い洞窟になっているようだ。
 お堀の水が洞窟に流れ込む。

 泳いで中に入ると右手に石柱があった、お印を載せると、洞窟の中が発光し、石垣の扉が閉まっていく。
 ゴゴゴゴゴ………
 お堀の水が入らなくなると、水が徐々にひいて、息ができるようになった。

 ふー
 ひと安心だ。

 でも、あれ、水の流れは止まっていない。
 後ろを振り返った。
 扉は完全に閉まらず、水が少しづつ流れ込んでいる!

「きゃあああああ、まずい」

 私は光る洞窟の奥へと走り出した。
 その間もお堀の水はどんどん流れ込む。
 バシャバシャバシャ!
 洞窟は下っている。
 下に行けば行くほど水かさが増してくる。

「うわああああ、マジですかぁ! 」

 でも流石月人のスニーカーだ、水の抵抗なんかに負けない。
 全然疲れない。
 洋服も水に浸かっても全く濡れていない。

 そして一際光る洞窟の突き当たりが見えてきた。どうも小部屋になっているらしい。
 急いでそこに入る。
 ここが洞窟の最下部だろう。

 水は太ももくらいまで溜まっていた。

 その時、
 風だ、頭上から風が吹き込んできた。
 上を見る。
 穴が開いて、数百メートル向こうに月が見えている。

 お屋敷と同じだ、これが出口だ。

 しかし、洞窟の明かりは月まで届きそうな勢いで空に向かって伸びている。

 これじゃ誰かに見つかっちゃう!

 ここを登らないといけない、お屋敷みたいにルナママが重力を調整してくれないんだから、自分で登るんだ!
 もう水は腰のすぐ下まできていた。

 ぼやぼやしてらんない!

 と部屋の奥を見る。
 壁の岩を削るように作られた台の上に、やはりあった

 竹取物語で月人が持ってきてかぐや姫に渡した箱だ。その一つに入っていたのが不死の妙薬だけど、そんなものは存在しなかった。という事は、帝に渡したのは——

 左の箱を開けた。
 不死の妙薬の替わりに入っていたのは、七色に光る《龍の首の珠》

 よし!

 蓋を閉めて右の箱を開ける。

 こっちはもちろん、その所在が一切分からなくなった、かぐや姫が隠した、月人が持ってきた箱のまま隠したんだ——そう、『天の羽衣』だ!
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