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第四章 帝との約束

やる!絶対やってやる

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 帰りのリムジンの後部座席で翁じいが目を覚ました。そして、鉄ちゃんの事を伝えるとおいおい泣き出した。

「何という事を、何という事を、私は執事として失格です」

 何度も何度もそう言った。

「ちょっと待って翁じい、泣くのは本当に死んだ時、まだまだできる事がある」
 私は冷静だった。
「本当に死んだ時? ですか………」

「うん『肉体改造装置』は完成している、そしてルナママが言ってた。新鮮な死体ならば生き返らせる事ができる」

「そうか! 」
 翁じいは大声を上げた。
 そして涙が吹っ飛んだ。

「ルナママ間違いないよね? 」
 私はルナママに言った。
「私の設計は完璧です。イガジウムと龍の首の珠さえ手に入れば、鉄ちゃんの肉体は再生して動き始めます」
 ルナママの声が車内に響いた。

「ルナママ冷凍保存している鉄ちゃんを解凍するのに必要な時間は? 」

「3日です。急激に解凍すると組織が壊れてしまいます」

「カウントダウンは? 」
「後四十八日と二時間です」
「カウントダウンって何の事でしょう? 」
 翁じいが不思議そうに言った。

「肉体を再生した後に『魂の注入装置』で魂を肉体に戻す。そのリミットよ、お葬式の後四十九日の法要をするでしょう、それはまだ現世に魂が留まっているから、そして四十九日が済んだら完全にあの世へ旅立つ」 

「それまでに……」

「そう《魂のベッド》を見つけて装置を動かす! 」

「うひゃー、やりましょう! 翁じいはどんな協力も惜しみません」

「まず龍の首の珠を返してもらう、その後に《魂のベッド》となる可能性がある物質をピックアップして片っ端から買い付ける」

「分かりました。買い付けと受け取りはじいやが担当しましょう」

「お願い」

「でも『龍の首の珠』を守っている3つの鍵はどうしましょう? 」

「2つまでは分かった」

「2つ目が分かったんですか! 」

「うん、たぶん、イガジウムを掘りながら考えていて気がついた。でも最後の3つ目の鍵ね、何が出てくるかは行ってみないとわからない」

「大丈夫です。月夜姫なら必ずや開ける事ができましょう」

「うん、絶対にやらなくっちゃいけない、絶対に! ルナママ装置を全部稼働して! 」

「了解しました。人体収納ポットは冷凍保存できる温度にしておきます」

「お屋敷に着いたら『蔵』から車ごと入るね、あと軽トラックはいつでも動く? 」

「大丈夫です」

「時間が勿体無いから、車を『蔵』に入れたらすぐ出る。鉄ちゃんは頼める? 」

「お任せください。月夜姫、鉄ちゃんは必ず生き返ります」
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