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第三章 ボラン島と月夜姫
鉄ちゃん!迎えに来たよ1
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白いリムジンは東京の湾岸部を飛んでいる。
広い土地が工事用のフェンスで囲まれ、何台もの掘削機が土地を掘り起こしている工事現場が見えてきた。
その上空まで来て止まると、ゆっくり水平着陸していく。
ヘルメットを被った何人もの作業員が、信じられない光景を目の当たりにして、こっちを見ている。
そうだよな、車が空から降りて来るなんて普通じゃ経験できないもんね。
ウィーン、静かな電子音とともに、現場のど真ん中に停車した。
円を描くように取り囲む作業員たち。
どこだ、どこにいる。
ルナママは間違いなくここの現場にいると言っていた。
この現場の下請け工務店の出勤情報が入れてあるパソコンをハッキングして分かった事だから…
中学を卒業してこの工務店に土木作業員として入社した筈だ。
私は後ろのドアを開けて、外に出た。
黒ジャケットはきちんとボタンを締めている。
いつもの7部丈の黒い革パンツに、黒いスニーカー、白いティーシャツ、肩まである黒髪は後ろで束ねた、ただ何時もと違うのは黒のサングラスをしている事だ。
運転席から出てきた翁じいは私の後ろに立った。何時ものスリーピースの背広に赤い蝶ネクタイ、ふふ、翁じいにも黒いサングラスをつけさせた。
ちょっとは厳つく見えるかな………なめられてたまるもんか。
そして辺りを見回した。
この中にいる筈だ、どこだどこだ、ずいぶん会って無いから分かるかな。
みんな同じようにヘルメットをして作業服に安全靴だし。
どれだどれだどれだろう?
私は注意深く顔を見た。
あーっいた。
一際でっかい身長に、タンクトップに作業ズボン、スコップを片手に持った筋肉むきむきの、岩壁鉄だ!
ヘルメットをつけて真っ黒に日焼けしている、鉄だ、鉄だ、鉄ちゃんだ!
私が視線を送ると不思議そうにこっちを見てる。
私は大声を出した。
「鉄ちゃん迎えに来たよ! 」
「俺? ですか、あなた誰? 」
鉄ちゃんはキョトンとしてる。
「きーーー月夜を忘れたかぁ! 」
私はサングラスを取った。
「あああああ、月夜ちゃん! 」
「うん、月夜だよ、鉄ちゃん行こう! 」
「どうして月夜ちゃんがこんなところに? 」
「だから、迎えに来たの! 」
「えー! でも今、仕事中だよ、穴掘らないと………」
ちょっと困惑気味の鉄ちゃんだ。
広い土地が工事用のフェンスで囲まれ、何台もの掘削機が土地を掘り起こしている工事現場が見えてきた。
その上空まで来て止まると、ゆっくり水平着陸していく。
ヘルメットを被った何人もの作業員が、信じられない光景を目の当たりにして、こっちを見ている。
そうだよな、車が空から降りて来るなんて普通じゃ経験できないもんね。
ウィーン、静かな電子音とともに、現場のど真ん中に停車した。
円を描くように取り囲む作業員たち。
どこだ、どこにいる。
ルナママは間違いなくここの現場にいると言っていた。
この現場の下請け工務店の出勤情報が入れてあるパソコンをハッキングして分かった事だから…
中学を卒業してこの工務店に土木作業員として入社した筈だ。
私は後ろのドアを開けて、外に出た。
黒ジャケットはきちんとボタンを締めている。
いつもの7部丈の黒い革パンツに、黒いスニーカー、白いティーシャツ、肩まである黒髪は後ろで束ねた、ただ何時もと違うのは黒のサングラスをしている事だ。
運転席から出てきた翁じいは私の後ろに立った。何時ものスリーピースの背広に赤い蝶ネクタイ、ふふ、翁じいにも黒いサングラスをつけさせた。
ちょっとは厳つく見えるかな………なめられてたまるもんか。
そして辺りを見回した。
この中にいる筈だ、どこだどこだ、ずいぶん会って無いから分かるかな。
みんな同じようにヘルメットをして作業服に安全靴だし。
どれだどれだどれだろう?
私は注意深く顔を見た。
あーっいた。
一際でっかい身長に、タンクトップに作業ズボン、スコップを片手に持った筋肉むきむきの、岩壁鉄だ!
ヘルメットをつけて真っ黒に日焼けしている、鉄だ、鉄だ、鉄ちゃんだ!
私が視線を送ると不思議そうにこっちを見てる。
私は大声を出した。
「鉄ちゃん迎えに来たよ! 」
「俺? ですか、あなた誰? 」
鉄ちゃんはキョトンとしてる。
「きーーー月夜を忘れたかぁ! 」
私はサングラスを取った。
「あああああ、月夜ちゃん! 」
「うん、月夜だよ、鉄ちゃん行こう! 」
「どうして月夜ちゃんがこんなところに? 」
「だから、迎えに来たの! 」
「えー! でも今、仕事中だよ、穴掘らないと………」
ちょっと困惑気味の鉄ちゃんだ。
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