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第二章 月人《つきびと》
月という国3
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「ここは月の内側にくっつくようにして造られています。その中心に太陽球が浮かんでいます」
「太陽球? 」
「はい、太陽光を取り込んで、光らせている球体です」
「へー」
だから昇ってたんだ、納得。
「地球に合わせて、朝、昼、夜と二十四時間で光量を変えています。だから夜は暗くなりますよ」
「かぐや、ここは湖なの? 」
かぐやに聞いた。
「はい、日本の琵琶湖くらいの大きさです」
「琵琶湖? そんな大きい湖他にもたくさんあるの? 」
「ここまで大きいのは一つです、ここだけです」
「えええ、もしかしてここにかぐやの本体がある? 」
「水草が見えませんか? 」
「見えるよ、赤、青、黄色のカラフルな花に、緑の葉っぱがいっぱい」
「それが私」
「そうなの! とっても綺麗! 」
「ありがとう、ルナとは少し構造が違って、私は、回路から伸びてる水草たちで光合成をして養分を取り込んでいます。ルナは周囲の木々から養分をもらっていますが、私は独立して自分で養分を作っているんです」
「凄い! 」
「電気もそうです、ここからは見えないですが、特殊な植物を使って発電しています」
「ぜーんぶ一人でやってるんだ。じゃあ、さっきの水の中にあった根みたいのが、かぐやの本体ね」
「はい、私は完全独立型植物コンピュータです」
「カッコいい! 」
「ありがとうございます。じゃあ湖からセンターホールへ移動しますね、待ってる方がおられます」
「うん」
かぐやの自動操縦で、白いリムジンは空を飛んで移動した。
広大な草原に豊かな緑、いたるところに川が流れ、まるでアフリカのサバンナのようだ。
高度な科学技術を持つ一族が住んでいる場所にはみえなかった。
するとセンターホールと呼ばれるドーム型の建物が見えてきた。
かぐやによると、コンサートや演劇、映画の上映などを行う多目的ドームらしい、そういった時には何万人も収容できるように、スペースを広げる事ができるそうだ。
何より驚いたのが、木材と石で造られているという事。
こんな巨大な建造物が………
そしてリムジンはエントランスにゆっくりと降りて停車した。
そこには一人の男性が待っていたんだけど、姿を見てびっくり! 翁じいそっくりな人だったから。
翁じいが運転席から降りて、私のドアを開けてくれた。そして月への一歩を踏み出してその場に立った。
「ようこそいらっしゃいました月夜姫、滞在中お世話させていただきますジーヤンです」
と、とても丁寧にお辞儀してくれた。
「こちらそよろしくお願いします」
私もなるべく丁寧にお辞儀した、でも服装がいつもの白いティーシャツに黒い革パンツ、黒い革ジャケットに黒いスニーカーだったので、どういう印象を持たれたかはわからないけど、ジャケットのボタンはキチンと絞めました。
「太陽球? 」
「はい、太陽光を取り込んで、光らせている球体です」
「へー」
だから昇ってたんだ、納得。
「地球に合わせて、朝、昼、夜と二十四時間で光量を変えています。だから夜は暗くなりますよ」
「かぐや、ここは湖なの? 」
かぐやに聞いた。
「はい、日本の琵琶湖くらいの大きさです」
「琵琶湖? そんな大きい湖他にもたくさんあるの? 」
「ここまで大きいのは一つです、ここだけです」
「えええ、もしかしてここにかぐやの本体がある? 」
「水草が見えませんか? 」
「見えるよ、赤、青、黄色のカラフルな花に、緑の葉っぱがいっぱい」
「それが私」
「そうなの! とっても綺麗! 」
「ありがとう、ルナとは少し構造が違って、私は、回路から伸びてる水草たちで光合成をして養分を取り込んでいます。ルナは周囲の木々から養分をもらっていますが、私は独立して自分で養分を作っているんです」
「凄い! 」
「電気もそうです、ここからは見えないですが、特殊な植物を使って発電しています」
「ぜーんぶ一人でやってるんだ。じゃあ、さっきの水の中にあった根みたいのが、かぐやの本体ね」
「はい、私は完全独立型植物コンピュータです」
「カッコいい! 」
「ありがとうございます。じゃあ湖からセンターホールへ移動しますね、待ってる方がおられます」
「うん」
かぐやの自動操縦で、白いリムジンは空を飛んで移動した。
広大な草原に豊かな緑、いたるところに川が流れ、まるでアフリカのサバンナのようだ。
高度な科学技術を持つ一族が住んでいる場所にはみえなかった。
するとセンターホールと呼ばれるドーム型の建物が見えてきた。
かぐやによると、コンサートや演劇、映画の上映などを行う多目的ドームらしい、そういった時には何万人も収容できるように、スペースを広げる事ができるそうだ。
何より驚いたのが、木材と石で造られているという事。
こんな巨大な建造物が………
そしてリムジンはエントランスにゆっくりと降りて停車した。
そこには一人の男性が待っていたんだけど、姿を見てびっくり! 翁じいそっくりな人だったから。
翁じいが運転席から降りて、私のドアを開けてくれた。そして月への一歩を踏み出してその場に立った。
「ようこそいらっしゃいました月夜姫、滞在中お世話させていただきますジーヤンです」
と、とても丁寧にお辞儀してくれた。
「こちらそよろしくお願いします」
私もなるべく丁寧にお辞儀した、でも服装がいつもの白いティーシャツに黒い革パンツ、黒い革ジャケットに黒いスニーカーだったので、どういう印象を持たれたかはわからないけど、ジャケットのボタンはキチンと絞めました。
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