上 下
40 / 113
第一章 地球人と月夜姫

鬼塚原左門二という男3

しおりを挟む
「それで鬼塚原は今どこかに隠れてあのサイトにアクセスしてるのかしら、もしかしてルナママは居場所を掴んでいるの? 」
「いえ掴んでおりません」
「どうして? 」

「ルナが掴んでるのは、鬼塚原の死亡報告が役場に出されている事です」

「だって、あのサイトじゃ………そうか普通の人はたどり着けない、深層の闇サイトか………」

「はい私もあのサイトの存在をルナから聞いて顔写真と名前を見た時、大変驚きました。
 恐らく大きな権力をもつ政治家あたりが関わって、鬼塚原を死亡した事にしたのではないかと私は思っています。
 そんなの権力者かマフィアくらいしかできませんからね。
 そうした方が都合よく非人道的な実験ができる。
 政治家自身も長生きできて、実験結果を元にお金も稼げるってところだと睨んでいます」

「はー」

 私はため息をついた。
 私利私欲に翻弄されてる地球人の醜さを実感したからだ。
 もちろん鉄ちゃんみたいないい奴もいっぱいいる、でも、醜い奴らは醜いんだ。

「翁じい、日本に帰ろうか、今の状況だとこれ以上新しい知識に出会えそうもないし………」

 そういうと翁じいが落胆すると思って、顔を見たら、なんと笑顔だ。

「どうして笑顔なの? 」
「それじゃ気分転換にいっそ月へいきましょう」
「ええーマジ? 」
 私は驚いた。
「はい、月にある植物コンピュータの『かぐや』から、ルナに通信が来たようです。
 『戴冠式たいかんしき』のご用意が整ったので都合のよろしい時においでくださいって! 」

「戴冠式! 」

「はい、月夜姫が女王様になるのです。いつまでも女王様不在じゃ月人にとってよろしくありません」

「ひゃあああああああ」

 私は変な声で叫んだ。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

花冠の花嫁

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

fighters

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

亡者の唄と森の幻味亭

O.K
ホラー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

蜜吸のスズと白蛇のハル

児童書・童話 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:6

水流添高校水泳部の霊能力なセイカツ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

二重転生  異世界転生系漫画の読者が漫画の中の転生先に転生した話。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

処理中です...