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第一章 地球人と月夜姫
鬼塚原左門二という男1
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結局一週間が経っていた。
ようやく私は落ち着いた。
夕食も済んでリビングで翁じいの話を聞くことになった。
ママの記憶だけでは不明なところが多かったから。
煌々と照明をつけて、なるべく明るくして厚手のカーテンが閉まっている。
「翁じいが通いで来ていて、まだ、塀もシールドも無かった雨の日ですよね、鬼塚原が来たのは………」
私はママから遺伝された記憶を辿りながら話し始めた。
「そうでございます。あの山奥に危険があるとは到底思えなかったのです。
私はあの白い車を与えられ、少し離れたところから通っておりました。
必要な時は泊まり込みでお世話させていただきましたが、もうほとんど研究も装置の組み立ても終わっておりましたから、そうそう用事も無かったのですな、家事一般はルナがロボットと手分けしてやっておりましたから。
旦那様にしてみれば、私に休暇を与えてくれたみたいなものででょう、完成まではほとんど休暇を頂いておりませんでしたから」
「パパとママはどんな様子だったの」
「それはそれは仲睦まじいお二人でしたよ。
装置は二人で試行錯誤して完成させ、特に月菜女王様は、もう寿命が近かったので、子どもも身籠もり、自分の世代での仕事は終えたという思いが強かったと思います。
だから人生の最後まで旦那様と二人っきりの時間を特に大切にしておられました」
「そこに鬼塚原左門二がやってきた。遭難したと偽って、ドアの門を叩いた。
確かにあの山奥で、登山の格好をして、土砂降りの夜に来ると、家にあげたくなりますよね、でも鬼塚原は本当に登山して遭難したんですか? 」
「いえ、警察関係者に『実弾』掴ませて聞き出した情報によりますと、確かに元々登山が好きだったそうですが、実はとある事件があったのです」
「事件? 」
「はい」
「どんな? 」
「鬼塚原は自身のプロフィールにもあった通り、大学で老化を防ぐ研究をしていたのは確かでした。
しかし、行きすぎて大学に隠れて人体実験をしていたのです」
「人体実験! 」
私は驚いた。
「自分の理論を元に、薬を調合しホームレスを寝泊りさせて、食べ物にその薬を混ぜていたのです」
「なんという事」
ようやく私は落ち着いた。
夕食も済んでリビングで翁じいの話を聞くことになった。
ママの記憶だけでは不明なところが多かったから。
煌々と照明をつけて、なるべく明るくして厚手のカーテンが閉まっている。
「翁じいが通いで来ていて、まだ、塀もシールドも無かった雨の日ですよね、鬼塚原が来たのは………」
私はママから遺伝された記憶を辿りながら話し始めた。
「そうでございます。あの山奥に危険があるとは到底思えなかったのです。
私はあの白い車を与えられ、少し離れたところから通っておりました。
必要な時は泊まり込みでお世話させていただきましたが、もうほとんど研究も装置の組み立ても終わっておりましたから、そうそう用事も無かったのですな、家事一般はルナがロボットと手分けしてやっておりましたから。
旦那様にしてみれば、私に休暇を与えてくれたみたいなものででょう、完成まではほとんど休暇を頂いておりませんでしたから」
「パパとママはどんな様子だったの」
「それはそれは仲睦まじいお二人でしたよ。
装置は二人で試行錯誤して完成させ、特に月菜女王様は、もう寿命が近かったので、子どもも身籠もり、自分の世代での仕事は終えたという思いが強かったと思います。
だから人生の最後まで旦那様と二人っきりの時間を特に大切にしておられました」
「そこに鬼塚原左門二がやってきた。遭難したと偽って、ドアの門を叩いた。
確かにあの山奥で、登山の格好をして、土砂降りの夜に来ると、家にあげたくなりますよね、でも鬼塚原は本当に登山して遭難したんですか? 」
「いえ、警察関係者に『実弾』掴ませて聞き出した情報によりますと、確かに元々登山が好きだったそうですが、実はとある事件があったのです」
「事件? 」
「はい」
「どんな? 」
「鬼塚原は自身のプロフィールにもあった通り、大学で老化を防ぐ研究をしていたのは確かでした。
しかし、行きすぎて大学に隠れて人体実験をしていたのです」
「人体実験! 」
私は驚いた。
「自分の理論を元に、薬を調合しホームレスを寝泊りさせて、食べ物にその薬を混ぜていたのです」
「なんという事」
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