金剛石男と月夜姫 〜えーっ! マジで私が姫さまなの!!!〜

赤木 さわと

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第一章 地球人と月夜姫

眼を覚ますとそこは……3

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「さっきから聞こえているピコーンピコーンって音はなに? 」
「ああ、ソナー音ですか? 」
「ソナー音………」
 と、私の新しい知識の中から情報が引き出された。
「ああ、潜水艦のレーダーの事か」
 新しい知識を使うってこんな感じなんだ。
「作用でございます」
「じゃあやっぱり海にも潜れる車だったんだ」
「はい、本当は空を飛んで移動してもよかったのですが、胎児の頃の状態と近い環境にした方がご安心できると思いまして、海中移動にしました」
「海の中でもルナと普通に通信できるんだね」
「凄い技術です」
「ねえ、翁じい」
「なんでしょう」
「私はどれくらい寝ていたの? 」
「五日です」
「あれから五日も経ったんだ」
「はい」
「どうりでお腹が空いてる訳だ」
 ぐーっ、お腹がなった。
 あら恥ずかしい。
「ふふふ、月夜姫のお腹は正直ですね」
「そうみたい」
「では、ベッドをしまってお食事が出来るレイアウトに変えましょう」
「うん」

 というと翁じいは何やらパネルを操作した。それとともに私の身体が少し浮いて、ベッドが畳まれると、テーブルとソファーが出てきた。
 私はソファーに座らされ、照明が明るく変化すると、テーブルにはトランクからほかほかご飯とハンバーグ、ポテトサラダ、あさりの味噌汁、そして鉄板にのった熱々ステーキが現れた。もちろんフォークにナイフ、お箸にコップにいれた麦茶も忘れていない。

「わー美味しそう、ありがとうルナ」
「はい、たんと召し上がれ」
「うん、いっただきまーす」
 私はそういうとまずステーキに手をつけた。
「おいしー、このソースもお肉も最高! 」
「ルナの料理は極上です」
 翁じいがそう言った。
 
 窓の外には魚の群れが泳いでいる。
 時折、タコやイカなんかともすれ違う。
まるで竜宮城だ。
 でも鉄ちゃんがいない、いつもいる筈の鉄ちゃん。
「鉄ちゃん」
 私は呟いた。
「そのうち、お屋敷にご招待いたしましょう、部屋などいっぱいあるから住み込みでもいいですぞ、ひと段落したらそうしましょう」
「聞こえていたの、鉄ちゃんを知ってるの? 」
「もちろん、愛敬園にお住みの岩壁鉄さん。月夜姫と同じお年の弟みたいな存在でしょう、ルナから聞いております」
「お屋敷に連れて来てもいいの? 」
「もちろんです。月夜姫がよろしければね」
「絶対そうして絶対だよ」
「お約束致します」
「やったー! よしがんばろうっと! 」
「はい、頑張りましょう」
「うん、ところで、この車はどこに向かっているの? 」
 私はあさりの味噌汁を飲みながら翁じいに聞いた。うん、出汁が効いててやっぱり美味しい。

「アメリカです」

「どうして? 」
「アメリカには飛び級があります。そして最先端の科学情報も集まります。姫の知識ならあっという間に大学まで行って最先端の科学に触れられます。そこに、有意義な情報があると良いんですがね」

 うーん、私は新しい知識にアクセスした。
 これか、重要なのは………

「三つの物質のうちの二つがどこにあるかって事ね、そのうちの一つはなんであるかも分からない。それを見つけないといけないって事か………」
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