19 / 113
第一章 地球人と月夜姫
秘密の中庭4
しおりを挟む
「で、なにこれ高速エレベーターなの? 」
「違います」
「じゃあなに? 」
「地球の重量を利用しております」
「じゅ、重力」
「はい、正確には二人して落ちてるのでございます」
「えええええええ」
「ははははははは、200メートル先まで落っこちるーーーー」
「え、なんて? 」
「落っこちるのです! 」
「翁じいのうそつき、十分怖いじゃん」
「ふぁっふぁっふぁっ、怖くなんてありませーん」
「きゃああああああああああ」
二人の体はどんどん重力に引っ張られていった。
「あああああああああああ! 」
そこに翁じいの声が響いてきた。
「ひゃっほー! 」
喜んでる、絶対喜んでる! やっぱりこのじいさんスピード狂だ!
数秒?
数十秒?
100メートルくらい?
真っ暗で全く対象物のないところを凄いスピードで落ちて行くから感覚がわからなかったけど、そのうち空気の層っていうかな、プールの中に足から落ちてスピードが弱まっていくのに近い感覚がおそってきた。
でも、体は濡れないからやっぱり空気の層か重力がコントロールされているんだと思う。
ちょっと安心した。このままどこかに叩きつけられる事はなさそうだ。
そりゃそうだ、叩きつけられるような事があったら、誰もこの先に行けないどころか、死んじゃうもの。
行くたびに死んでたら身がもたない、ってそれどころじゃないじゃん。
人生終わりだ、あはは………
うん、そうか、不審者が入り込んだ時はそんな事がありえるかもな。
落ちるスピードが更にゆっくりになってきたので、私は下を見た。
おや、何やら丸い光りが現れた。あそこがゴールに違いない。
と、足が丸い光りに到達した、すっぽりそこに体が入っていく。
腰まできて、胸まできて、頭が抜けたときには体が落ちるのをやめた。
なんの衝撃もなく、降下が止まった、そう、ちょうど滑走路に車が降りた時と全く同じ感覚でふわりと止まったんだ。車は横向きだったけど、今度は縦向き、その違いだけ。
とん、その後ゆっくりと地面に足がついた。
とん、背後で翁じいも降り立ったのが分かる。
真っ黒な中を落ちてきたので、目が慣なれていない。煌々と電気で照らされた明るい空間である事しかわからない。
一旦目を閉じてゆっくり慣らして行こう。
何があるのか楽しみだ。
えっ、楽しみ………なの、私、楽しんでいるんだ。
へー。
「違います」
「じゃあなに? 」
「地球の重量を利用しております」
「じゅ、重力」
「はい、正確には二人して落ちてるのでございます」
「えええええええ」
「ははははははは、200メートル先まで落っこちるーーーー」
「え、なんて? 」
「落っこちるのです! 」
「翁じいのうそつき、十分怖いじゃん」
「ふぁっふぁっふぁっ、怖くなんてありませーん」
「きゃああああああああああ」
二人の体はどんどん重力に引っ張られていった。
「あああああああああああ! 」
そこに翁じいの声が響いてきた。
「ひゃっほー! 」
喜んでる、絶対喜んでる! やっぱりこのじいさんスピード狂だ!
数秒?
数十秒?
100メートルくらい?
真っ暗で全く対象物のないところを凄いスピードで落ちて行くから感覚がわからなかったけど、そのうち空気の層っていうかな、プールの中に足から落ちてスピードが弱まっていくのに近い感覚がおそってきた。
でも、体は濡れないからやっぱり空気の層か重力がコントロールされているんだと思う。
ちょっと安心した。このままどこかに叩きつけられる事はなさそうだ。
そりゃそうだ、叩きつけられるような事があったら、誰もこの先に行けないどころか、死んじゃうもの。
行くたびに死んでたら身がもたない、ってそれどころじゃないじゃん。
人生終わりだ、あはは………
うん、そうか、不審者が入り込んだ時はそんな事がありえるかもな。
落ちるスピードが更にゆっくりになってきたので、私は下を見た。
おや、何やら丸い光りが現れた。あそこがゴールに違いない。
と、足が丸い光りに到達した、すっぽりそこに体が入っていく。
腰まできて、胸まできて、頭が抜けたときには体が落ちるのをやめた。
なんの衝撃もなく、降下が止まった、そう、ちょうど滑走路に車が降りた時と全く同じ感覚でふわりと止まったんだ。車は横向きだったけど、今度は縦向き、その違いだけ。
とん、その後ゆっくりと地面に足がついた。
とん、背後で翁じいも降り立ったのが分かる。
真っ黒な中を落ちてきたので、目が慣なれていない。煌々と電気で照らされた明るい空間である事しかわからない。
一旦目を閉じてゆっくり慣らして行こう。
何があるのか楽しみだ。
えっ、楽しみ………なの、私、楽しんでいるんだ。
へー。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる