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第6章
決戦 12
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ももとさくらは洋館の地下にあるコントロールルームに姿を表した。
パソコンの前に置かれた二脚の椅子に座ると、横にある赤いボタンを押した。
──カチッ!
ブーン!
これは非常ボタンだ。
ルーム内の全ての機器がスリーブから起動した。
シャッター近辺を映している二つのモニターには、ウロウロしている黒いジャージ姿の三人が映っている。
非常ボタンに連動した、スマホのアプリが影の氏子衆のスマホに警告を発信した。
ごんちゃんとすみれは分娩室の前の廊下のベンチ座っていた。スマホはマナーモードにしていたので音はならない──ごんちゃんはバイブレーションを感じ取るとポケットからスマホを出した。そしてパティオで警報が発信されているのを見た。
「なに、何が起きてる」
と、そこに茂が走って来た。
「父さん、かえでは? 」
「中で頑張ってるよ、それより茂、スマホを見ろ」
茂は自分のスマホを取り出すと、画面を見た。急いでいたので通知に気がつかなかったのだ。
「どうしたんだ」
「茂、ももとさくらをサーチしてみろ」
「ええ」
──キーン!
茂の脳裏にももとさくらがコントロールルームで座っているイメージが浮かんで来た。
「また、二人が何かやってる…あ、シャッターの前に誰かいる、そいつらと闘うつもりだ…」
茂が呟く。
茂のサーチは更に続く。
「こいつらに追われて、捕まって、逃げて…ああ、装置を使ってみたいんだそうです」
茂は心配するよりも、頭を抱えた。
「あれかー! 」ごんちゃんが言った。
「あれです」
「むひょひょー、行ってくる、お前はかえでのそばにいてやれ」
「すみれ、行ってくるぞ」
「行ってらっしゃい」
──シュパッ!
ごんちゃんはビルとビルの間の道路へ瞬間移動して、閉められたシャッターの前に立った。
さて様子をみよう…たぶん…くっくっくっ…
ごんちゃんは笑っちゃった。
そう、中道商店街のパティオはごんちゃんのアイデアもしくはイタズラ心がいっぱい詰まった要塞なのだ。
パソコンの前に置かれた二脚の椅子に座ると、横にある赤いボタンを押した。
──カチッ!
ブーン!
これは非常ボタンだ。
ルーム内の全ての機器がスリーブから起動した。
シャッター近辺を映している二つのモニターには、ウロウロしている黒いジャージ姿の三人が映っている。
非常ボタンに連動した、スマホのアプリが影の氏子衆のスマホに警告を発信した。
ごんちゃんとすみれは分娩室の前の廊下のベンチ座っていた。スマホはマナーモードにしていたので音はならない──ごんちゃんはバイブレーションを感じ取るとポケットからスマホを出した。そしてパティオで警報が発信されているのを見た。
「なに、何が起きてる」
と、そこに茂が走って来た。
「父さん、かえでは? 」
「中で頑張ってるよ、それより茂、スマホを見ろ」
茂は自分のスマホを取り出すと、画面を見た。急いでいたので通知に気がつかなかったのだ。
「どうしたんだ」
「茂、ももとさくらをサーチしてみろ」
「ええ」
──キーン!
茂の脳裏にももとさくらがコントロールルームで座っているイメージが浮かんで来た。
「また、二人が何かやってる…あ、シャッターの前に誰かいる、そいつらと闘うつもりだ…」
茂が呟く。
茂のサーチは更に続く。
「こいつらに追われて、捕まって、逃げて…ああ、装置を使ってみたいんだそうです」
茂は心配するよりも、頭を抱えた。
「あれかー! 」ごんちゃんが言った。
「あれです」
「むひょひょー、行ってくる、お前はかえでのそばにいてやれ」
「すみれ、行ってくるぞ」
「行ってらっしゃい」
──シュパッ!
ごんちゃんはビルとビルの間の道路へ瞬間移動して、閉められたシャッターの前に立った。
さて様子をみよう…たぶん…くっくっくっ…
ごんちゃんは笑っちゃった。
そう、中道商店街のパティオはごんちゃんのアイデアもしくはイタズラ心がいっぱい詰まった要塞なのだ。
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