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第4章

災害警報発令中 13

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「ぐぐぐ…」さくらは頑張ってる、でももう限界だ。
 その時、神殿の宝玉が光った。
 二人の御守りも同時に光った、

 ──もも、海だ!

 鬼王様の声が脳裏に響く。
「はい! 」
 東京湾だ、市場体験学習で築地に行った時、レインボーブリッジを通った、その向こうならイメージが作れる。

 ──キーン!

 鬼王様のその声は茂もキャッチした。
「なんだって、海? 」
 と、茂はパティオを写しているモニターを凝視した。
 さっきまで、炊き出しを手伝っていたももとさくらがいない。
 どこに行った?
 茂は念を込めて二人を探した。
 するとキーン! ──頭の中にももとさくらが映ってきた。
 茂は人の心が読めるのだ、それは映像になって頭に現れる。

 ──川べりで二人が何かと戦っている。

 ──誰だ、相手はなんだ?

 ──龍?

 分厚い雲を突き刺すように登り続ける水の流れが、最初はなんだか分からなかった、しかし、さくらが必死に食い止めている。
 いや、違う、川の流れを上へと弾いている。

「ま、まさか、なんて力だ」

 続いてもものイメージが襲ってくる。

 ──え、どうするつもりだ、ももは一体何を?


 その時、ももは力の限り念じた。
『太平洋まで飛んでけー』
 ももが昇り龍のような水柱に念を込めると、

 ──シュッ!

 野川の水を巻き添えにして消えていった。
 それと同時に、東京湾の先、太平洋上空で水柱が雲を切り裂いた。
 太平洋もまた、雲に覆われていたが、大量の水柱が忽然と現れては、波打つ海原に突き刺さるように落ちてきたのだ。

 ドドドド!ざぶぶぶ!

 大きな水しぶきが弾けると、一気に淡水が海水を突き破り、底へ底へと突き進む。
 どのくらい続いただろうか、おそらくその長さは数十キロあっただろう。
 太平洋はそんな大量の水を、訳もなく受け入れた。
 そして、最期の一滴が落ちると、海面は穏やかになった。


「み、水が川の水が消えました! 」
 防災対策本部で副町長は叫んだ。
 モニターに映っている野川は川底が見えていた。
「なんということだ…」
「何がおこったんでしょう? 」
「現地を確認させに行ってくれ」
「は、はい」副町長はロビーへと走った。
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