44 / 93
第3章
鬼王神社の夏祭り 20(祭り当日)
しおりを挟む
夕方になって、たもっちゃんがたこ焼きを焼いていると、白のワンピースに鬼王神社夏祭りの法被を羽織り、可愛らしく捻り鉢巻をした女性が立った。
横にいるのは小学校の校長先生だ。
「お手伝い関心関心」校長先生が言った。
「うん、わぁ白鳥先生格好いい」
顔を上げたたもっちゃんはびっくりだ。
「ふふ、似合う? 校長先生の借りちゃった」
女性は担任の白鳥小百合先生だった。PTAの男親にこの町一番のべっぴんさんと噂されている、あの先生だ。
「たこ焼き二つもらおうかな」
校長先生がそう言った。
「オッケーもうすぐ焼けるからまってて下さい」
と、そこに仁が首を突っ込んだ。
「校長先生、白鳥先生、いつも保がお世話になってます。まぁまぁ、後ろのテーブルでお待ちください、熱々をお持ちしますんで…」
「じゃあ、白鳥先生、そうさせてもらおうかね、私はビールも飲んじゃおうかな、白鳥先生はどうする」
「私はビールよりも、綿菓子も食べたいです、隣で買ってきますね」
「そうかね、じゃまってるよ」
と、仁が叫んだ。
「ミキ、エマ、エリ、マキ、校長先生にビール、おしぼり、うちわのサービス、VIP席! 」
『はーい』
「校長先生こっちー」
浴衣姿が艶やかな四人娘は、校長先生を取り囲んで裏に置かれたテーブル席へと連れていった。
校長先生も嬉しそうだ。
──白鳥先生は伸の店に行った。
すると、ズラリ、揃いのスーツに捻り鉢巻のイケメンホスト4名が、一列に並んでお迎えする。
『いらっしゃいませー』
「は、はい」少々押され気味の白鳥先生。
そしてそれぞれが白鳥先生に話しかける。
「アンパンマンの袋にしますか、それともカレーパンまん」
「ハートの袋もありまーす」
「プリキュア、ライダー、汽車っぽっぽ」
「ブーブーにお花」
『♪どれにしましょう♪』
「じゃぁブーブーで…」
ホストたちは歌でも歌うように声を揃える。
『♪それ、それ、それ、それ、姫からオーダー入りますぅチャチャチャ! それ、それ、それ、それ、ブーブーですー♪』
「ブーブー了解! 頂きましたぁ」
割り箸片手に、ペットボトルに入れてあるザラメを綿菓子器に入れる伸。
「お願いします」
白鳥先生の優しい声にハッとして顔を上げた。
──ズッキューン!
捻り鉢巻に法被にワンピース、このアンバランスさを全て美しく見せてしまう顔とスタイル、それらを清潔感で包み込む白鳥先生の全てが伸のハートを撃ち抜いた。
横にいるのは小学校の校長先生だ。
「お手伝い関心関心」校長先生が言った。
「うん、わぁ白鳥先生格好いい」
顔を上げたたもっちゃんはびっくりだ。
「ふふ、似合う? 校長先生の借りちゃった」
女性は担任の白鳥小百合先生だった。PTAの男親にこの町一番のべっぴんさんと噂されている、あの先生だ。
「たこ焼き二つもらおうかな」
校長先生がそう言った。
「オッケーもうすぐ焼けるからまってて下さい」
と、そこに仁が首を突っ込んだ。
「校長先生、白鳥先生、いつも保がお世話になってます。まぁまぁ、後ろのテーブルでお待ちください、熱々をお持ちしますんで…」
「じゃあ、白鳥先生、そうさせてもらおうかね、私はビールも飲んじゃおうかな、白鳥先生はどうする」
「私はビールよりも、綿菓子も食べたいです、隣で買ってきますね」
「そうかね、じゃまってるよ」
と、仁が叫んだ。
「ミキ、エマ、エリ、マキ、校長先生にビール、おしぼり、うちわのサービス、VIP席! 」
『はーい』
「校長先生こっちー」
浴衣姿が艶やかな四人娘は、校長先生を取り囲んで裏に置かれたテーブル席へと連れていった。
校長先生も嬉しそうだ。
──白鳥先生は伸の店に行った。
すると、ズラリ、揃いのスーツに捻り鉢巻のイケメンホスト4名が、一列に並んでお迎えする。
『いらっしゃいませー』
「は、はい」少々押され気味の白鳥先生。
そしてそれぞれが白鳥先生に話しかける。
「アンパンマンの袋にしますか、それともカレーパンまん」
「ハートの袋もありまーす」
「プリキュア、ライダー、汽車っぽっぽ」
「ブーブーにお花」
『♪どれにしましょう♪』
「じゃぁブーブーで…」
ホストたちは歌でも歌うように声を揃える。
『♪それ、それ、それ、それ、姫からオーダー入りますぅチャチャチャ! それ、それ、それ、それ、ブーブーですー♪』
「ブーブー了解! 頂きましたぁ」
割り箸片手に、ペットボトルに入れてあるザラメを綿菓子器に入れる伸。
「お願いします」
白鳥先生の優しい声にハッとして顔を上げた。
──ズッキューン!
捻り鉢巻に法被にワンピース、このアンバランスさを全て美しく見せてしまう顔とスタイル、それらを清潔感で包み込む白鳥先生の全てが伸のハートを撃ち抜いた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる