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第2章
中道商店街の人々 14
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その時、二人の行く先から反対方向に走ってくるどんと。
「どんとおにいちゃんだぁ」さくらが見つけた。
「おー、今帰り? 」
どんとは気さくに声をかける。
「どこ行くの? 」
どんとはそんな二人の横を、小走りにすれ違った。
「ちょっと大切な用事があってね」
すれ違いざまにっこりと微笑む。
「この時間から…? 」
さくらは疑問に思った。そう既に五時を回っている。
「ははは、じゃあまた明日! 」
『ばいばーい』
そういうと二人はどんとの姿を見送った。
どんとは速度を緩めることなく、少し行った角を曲がっていなくなった。
「あっち、かわだよー」
さくらが不思議そうに言った。そう、どんとが曲がったのは、街中を流れる野川の土手にでる道なのだ。
「うーん」ももが不思議がった。
「いいや、いこ」
「うん」
二人は手を繋いだまま、『子犬のさんぽみち』を歩いて行った。
そして中道商店街のパティオに帰っていった。
── ── ── ──
どんとは、野川に架けられた翼橋の下に来ていた。
土手を少し降りた橋の下は、川面より1メートルほど高くなっていて平たい。そこには、ダンボールとブルーシートで家が作られていた。周囲には背の高い草が生えていて目隠しになっている。
一ヶ月程前にどこからか世捨て人が一人、この町にやってきて居着いたのだ。
そして、玄関らしき部分をノックすると中から、
「どうぞ」男の声がした。
どんとは臆することなく、入って行った。
「どんとおにいちゃんだぁ」さくらが見つけた。
「おー、今帰り? 」
どんとは気さくに声をかける。
「どこ行くの? 」
どんとはそんな二人の横を、小走りにすれ違った。
「ちょっと大切な用事があってね」
すれ違いざまにっこりと微笑む。
「この時間から…? 」
さくらは疑問に思った。そう既に五時を回っている。
「ははは、じゃあまた明日! 」
『ばいばーい』
そういうと二人はどんとの姿を見送った。
どんとは速度を緩めることなく、少し行った角を曲がっていなくなった。
「あっち、かわだよー」
さくらが不思議そうに言った。そう、どんとが曲がったのは、街中を流れる野川の土手にでる道なのだ。
「うーん」ももが不思議がった。
「いいや、いこ」
「うん」
二人は手を繋いだまま、『子犬のさんぽみち』を歩いて行った。
そして中道商店街のパティオに帰っていった。
── ── ── ──
どんとは、野川に架けられた翼橋の下に来ていた。
土手を少し降りた橋の下は、川面より1メートルほど高くなっていて平たい。そこには、ダンボールとブルーシートで家が作られていた。周囲には背の高い草が生えていて目隠しになっている。
一ヶ月程前にどこからか世捨て人が一人、この町にやってきて居着いたのだ。
そして、玄関らしき部分をノックすると中から、
「どうぞ」男の声がした。
どんとは臆することなく、入って行った。
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