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六章 婚約と顕れる陰謀

第60話 続・祝辞と贈り物

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 翌日。昨日の晩、イレアはそのまますっきりとした顔で眠ってしまった。朝、顔を合わせた時に気不味くなるかと思ったが、案外いつも通り接してくれたのだ。
 そして授業が終わった放課後、俺はソージア先生に呼び出されていた。

 「じゃあ、今日はよろしくね。この荷物だけ先にお願いしてもいいかしら?」

 「これ、中身なんですか?」

 「貴方達にプレゼントよ。サプライズってほどじゃないけど、お楽しみってことで。運んでおいてくれると助かるわ。それじゃまた夜に」

 「分かりました、お待ちしてます」

 そう言って何かの箱を渡され、俺は職員室を出た。抱えられる程度の大きさの割にはずっしり重いな。



 「お待たせ、二人とも」

 「ううん、全然。その箱はホムラ先生の?」

 「ああ。運んでおいてくれってさ」

 正門から少し離れた所でイレアとヒナ、そして運転手も待っていた。すると昨日に増してげっそりとしたヒナが口を開いた。

 「お兄ぃ、イレアお姉ちゃん、ちょっと深刻な問題があります」

 「な、なんだ?」

 「何かあったの?」

 トーンの低いヒナの言葉に緊張が走る。俺達はゴクリと唾を飲んだ。

 「……お昼に寮に集まってるのバレて、何してんのーってめっちゃ言われたの……」

 なんだ、そんな事か。真剣な顔して言うもんだから心配して損したぞ。

 「って、なんだそんな事かって顔してる! かなり深刻なんだよ!?」

 「そう? 他の生徒も寮に集まってる人いるって聞いたけど」

 「違うよー! お兄ぃとイレアお姉ちゃんが二人で会ってるってのが問題なのー!」

 何が問題なのかと首を傾げるイレア。流石に俺は何を言いたいのか分かったが、ヒナもいるから特に問題無いんじゃないか?

 「わたしも一緒にいるっての、知らない人も多いみたいでさー……いや学校でそんな事してる訳ないじゃんって」

 「なるほど。まあ、噂ってのは独り歩きするもんだからな。それに誰もしてないとは限らんぞ?」

 「えっ、お兄ぃ達もしてるの?」

 「まさか」

 一人置いてけぼりのイレアは、この手の話題にはとんと疎いようだ。

 「かと言ってお兄ぃ達と一緒に寮まで行くのはヤだし……あーもうどうしよー!」

 「じゃあ昼飯は購買で買うようにするか? どうせ食堂が使えるようになったらそっちに行くんだし、いつまでも寮に集まるって訳にもいかないしな」

 「んー、でも味が微妙なんだよね。クラスのみんなもあんまり買ってないし。お兄ぃが作った方が美味しい」

 そう言われるのは嬉しいし、なんなら週の献立を考えるのが最近の趣味にすらなっているが、あの部屋はいずれ引き払うのだ。するとイレアがこう提案した。

 「なら、ソフィーさんにお弁当作って貰う?」

 「おおー」

 「名案だな。俺も一緒に頼むよ」

 俺達は大いに納得した。しかし昼休みに二人きりになれる時間と口実を失ったイレアは、自分で提案した事に静かに肩を落とすのだった。


■□■□


 「イレアさん、改めて婚約おめでとうございます」

 「ありがとうございます、先生。どうぞ上がってください」

 仕事が長引いたらしく、時間より少し遅れて到着したソージア先生をイレアが出迎えた。

 「リオ、先生来たよー」

 「はーい」

 後の仕上げをソフィーさんに任せ、俺はキッチンから顔を出した。

 「あら、リオ君が作ってくれてるの?」

 「せっかくだから少し手伝ってるだけですよ。先生が好きなのもありますよ?」

 「ふふっ、ありがたいわね。ソフィーさん、これお土産よ」

 「ありがとうございます。どうぞお掛けになってお待ち下さい、ソージア様」

 「もう、固いわよ。他に家の人もいないんだから様は要らないわ」

 先生とソフィーさんはイレアのお付きとして昔からの知り合いらしい。貴女の方が年上なんだから、と手土産を渡しながら背中を叩く先生。気の置けない仲のようだ。

 「さ、私も手伝うわ。いいでしょ?」

 「いえ。客人台所に立つべからずです。大人しく待っていて下さい、ソージア」

 「はいはい。そこはいつも通りね。そうだイレアさん、面白いのを持ってきたのよ」

 ソフィーさんに窘められてキッチンを出て行った先生に俺もついて行く。取り出したのは何やら表紙の分厚い本のようだ。

 「小さい頃のアルバムよ。見る?」

 「ちょっ、先生っ」

 「ヒナも呼んできますね!」

 二階のヒナも見たいだろうと俺は呼びに走った。声を掛けると、ヒナは目を輝かせて猛ダッシュで降りてくる。

 「イレアお姉ちゃんの小っちゃい頃! かわいい!」

 「可愛いでしょー? ほら見てこれ、だいぶ前の式典の時ね。隣にいるのがお父さんとお母さんよ」

 「もー、恥ずかしいからやめってって、先生……」

 そう言いながらも、写真をからは目を離さないイレア。幼いイレアの隣には男性と女性が映っている。ちょうど昨日見たあのティアラを付けた女性は、イレアによく似ていた。

 「……ね、次のページ見せてよ」

 「ええ。この日の写真は何枚かあるわね」

 少しだけしんみりとした空気をヒナが変え、ページを捲った。両親二人の写真の下には幼いイレアとソージア先生が映っている……ん?

 「先生、これいつの写真ですか?」

 「うーん、十年くらい前かしらね……リオ君。全然変わってないって思ったでしょ」

 何故バレた。写真の少女は十歳に届かないくらいだろうが、目の前の先生と顔立ちが全くと言っていい程変わってない。大人びた、というより老けた……いや、やつれた感じだな。

 「リオ君???」

 「ナンデモアリマセン」

 誤魔化すように更にページを捲る。見開き一面に貼り付けられたのは集合写真のようだ。

 「あ、先生こっちにも映ってるよ。これおばあちゃんかな? ちょっと若いね」

 「奥にいるの宰司さんじゃないか? あんまり変わってないな」

 知っている人を探して盛り上がっていると、何故か気になって目に付く人がいた。二十代ほどの若い男性だ。

 「先生、この人って誰ですか?」

 「この男の人? さあ、分からないけど……並び順的に本家でも中心に近い人かしらね。でもこんな人、親戚にいたかしら?」

 眉を寄せてじっと見るが、小さく映っているだけの顔はあまり判然としない。

 「イレアも見た事無いか? 俺はなんか見覚えがある気がするんだよな……どっかですれ違ったのかな」

 「ううん、私も会った事無いと思う。でもちょっとリオに雰囲気似てるかもね」

 似てる。

 何気ない小さな呟きに、俺とヒナは振り返った。

 「えっ、なにっ?」

 「イレア、今、俺に似てるって言ったか?」

 「もしかしてお兄ぃが見覚えあるのも、すごく小さい頃に会ってるからかも……!」

 「小さい頃? あっ――」

 誰も会った事が無いが、俺だけ見覚えがあり、俺に似ている男。名前も知らないが……一人だけ心当たりがある。

 「――俺達の、父親……?」

 思いも寄らない所で、父の手掛かりを掴んだかもしれなかった。



 残念ながら男の写真はそれ以外に見当たらなかった。すると支度ができたとソフィーさんに呼ばれ、写真の話は後にして小さなホームパーティーが始まった。あくまで給仕をしようとするソフィーさんを先生が強引に食卓に着かせ、五人での食事となったのだ。
 二人が知るイレアの幼少期の思い出話に盛り上がり、イレアは度々顔を赤くした。しかし身内でこういった話をするのが嬉しいのか、満更でもなさそうだ。

 「さ、じゃあプレゼントの開封といきましょうか!」

 宴もたけなわといった頃、酒も入ってテンションの上がった先生が俺に預けた箱をテーブルに上げた。プレゼントと言ったが自分で開けるようだ。

 「私からのプレゼントは~~じゃじゃーん、これよ!」

 「おー……って、これなんですか?」

 何が出てくるかと思えば、箱の中身もこれまた四角い箱だった。表面に幾何学的な細かい模様が掘られている、木造りの立方体。蓋が開くという訳でもなさそうだ。なんだこれ? するとヒナが心当たりを口にする。

 「放送室にあったやつに似てるね。精霊術に使う道具?」

 「当たりよ! これは精霊術の補助具。とはいっても普通のやつと違って、その属性に殆ど素質が無くても使える特注品よ。まあ百聞は一見に如かずかしら。リオ君、ちょっと手貸して」

 関心していると、先生に手を出すように言われた。何の気もなしに差し出すと、

 「精霊スピリットよ――」

 「ぅわぁあっちいっ!!」

 ボッと火が燃え、手の甲が真っ赤に染まった。火は一瞬で消えたが、皮膚は赤く熱を帯びている。

 「ちょっ、何すんだこのっ!」

 「ほらこれ使って。手を上に置いて生命力を流すのよ」

 若干パニックになり、言われるがまま箱の上に手を添えて精霊術を使う時と同じ感覚で力を込める。

 「うおっ……治った!」

 するとみるみるうちに皮膚は元通りになり、薄い瘡蓋が形成されて剥がれ落ちた。痛みも熱も引いている。しかし……

 「へー、治癒の精霊術だ。凄いねー。凄いけど……」

 「先生、今のはちょっと……」

 「ソージア。仕える身という事を忘れた訳ではありませんよね……?」

 突飛すぎる行動にドン引きのイレアとヒナ。ソフィーさんの滅多に変わらない表情にすら怒りが感じ取れる。しかし悪気は全く無かったのか、当の本人は慌てるだけだ。

 「いや、そのっ、こういうのは体で覚えるのが早いでしょ? それに元々使える私がやっても実演にはならないし? …………ごめんなさい」

 ドジというより、意外と後の事とかなんにも考えてないんだろうな、この人は。ソフィーさんに叱られる先生は、イタズラを咎められた女児にしか見えなかった。少し赤くなった顔も血の気が引いて見える。

 「まったく……で、これはどういう仕組みなんですか? 説明は先にしてくださいよ」

 しばらくソージア先生が説教を受けた後、俺は説明を促した。

 「ごほん。えっと、これは補助具の中でも術式を完全に保存しておくタイプです。ヒナさん達が放送で使ってるようなのは術を拡張するタイプで、ある程度の適性が必要なの。装置も大型で利便性は低いけど、劣化が遅いのと効果範囲が広いのが特徴ね」

 気を取り直して解説を始める先生。まだ怒られている最中なのか、椅子の上で正座だ。どこからか取り出した「反省中」という札を先生の首にかけたヒナにも、今は誰もツッコまない。

 「これはその逆。『治癒』の術式を完全に記憶させて誰でも使えるようにしたのよ。反面、劣化も早いから月に一度は術を定着させなきゃいけないの。それと範囲も狭いし効力も弱いわ」

 「ちょっとした怪我くらいには使えるって事ですね」

 「ええ。活用してちょうだい。でも過信は禁物よ? さっきくらいの火傷とか切り傷は大丈夫だけどね。こういうのは高価で維持も大変だから一般には流通してないけど、巫女家とかにはけっこうあるのよ。学園の医務室にもあったかしら」

 「すごーい。高いんだ」

 「実用的だし、お祝いには丁度いいでしょ? 私も作るの頑張ったのよ」

 メンテナンスも任せてちょうだい、と胸を張る先生。ちなみにこういった道具の作成や修理、維持をするのも治癒の術を使える人の仕事に含まれるらしい。そういう意味でも貴重な人材ようだ。学生の頃の先生もバイトでやった事があると話した。

 「ともかく、ありがとうございます。大事に使わせてもらいますね」

 「使わないのが一番だけどね。さ、今日はお開きかしら。明日もあるんでしょ?」

 「はい。先生も来ますよね?」

 「当然よ。先に向こうで待ってると思うわ。じゃあまた明日ね」

 そう言って先生は帰って行った。明日はナイルさんとヨハンさんだな。


■□■□


 翌日の夕方。ヒナは委員の仕事があると言って帰りが遅くなるようだ。イレアも本邸に行く明日と明後日の準備のために、ソフィーさんがドレスの着付けをしている。二人を迎えるのは俺だけだな。

 「っと、来たかな」

 窓の外に人影が見え、しばらくしてドアノッカーが鳴らされた。

 「若、お招きいただきありがとうございやす」

 「うす、おめでとうございます」

 「俺しかいませんけど、上がってください」

 時間より少し早く来た二人を出迎える。ヒナがいないと伝えると少し残念そうにしていた。

 「お嬢をお待ちしたいんですが、あっしらもこれから夜番でして。挨拶とお祝いだけで失礼しやす」

 「いえ、ありがとうございます。イレアも二階にいますけど、呼びましょうか?」

 「ではご挨拶だけでもしたいですな」

 そう言うので呼びに行くことにした。階段を上ってイレアの部屋をノックするが、返事は無い。居間にいるかもしれないな。確か、礼服とかは居間のクローゼットに仕舞ってあるって言ってたはずだ。
 居間のドアノブに手をかけ、ふと立ち止まる。イレアは着替え中の可能性が高いのだ。共用の部屋だからといって無断で入って俺じゃない。

 「おーいイレア、今大丈夫かー?」

 はーい、と中から返事がしてからドアを開ける。よし。これでハプニングを避けられたと思ったが、

 「今ナイルさん達が来てるんだ。もしよかったら挨拶だけで、も……っ!」

 「うん、分かったよ……リオ、どうしたの?」

 出てきたのは、胸から腰を覆い隠すだけの薄い布地を纏ったイレア。下着だ。

 「イレア、上、せめてなんか着て……!」

 「え? ………………あ」

 目を背ける。これは事故だ。少なくとも俺に非は無い。

 「…………ちょっと待ってて」

 ドレス用のインナーだけを付けたイレアは、そろそろとドアを閉めて部屋に戻っていった。直後に中からバタバタと音がして、慌てるソフィーさんの声も聞こえる。赤面したイレアの様子がまざまざと思い浮かぶな。

 「あのウッカリな所は絶対、師匠譲りだな……」

 外ではクールに振舞ってる――ように見えているだけだが、そんな彼女のイメージを崩すわけにはいかない。俺がしっかりしないとな、と心に刻み込んだ。



 それから普段着に着替えたイレアが少しだけ顔を出し、お祝いの挨拶だけ受けて部屋に戻っていった。終始俺の顔を見てくれなかったが、今日のところは仕方ないだろう。

 「では、ここらであっしらは失礼しやす。また何かあればいつでも呼んでくだせえ」

 「こちらこそよろしくお願いします。明日から本邸に行くので会うかもしれませんね」

 「警備はお任せ下さい。ま、若はお守りする必要は無いかもしれませんがね」

 ナイルさんがカラカラと笑う。すると、寡黙なヨハンさんが珍しく口を開いた。

 「若、イレアーダス様には何を渡されました?」

 「へっ?」

 何を? 渡す? するとナイルさんも笑いながら言った。

 「ああ、婚約ですからな。御令嬢がお相手ともなれば、相当なものでしたかい? それとも派手なものは好まなそうですかな? おっと、お二人の事ですから聞きすぎるのは失礼でしたな」

 「うす、若なら心配要らないっす」

 「え、ええ。まあ。あはは……」

 愛想笑いで誤魔化すが、二人の信頼が痛い。これはあれだ、婚約指輪的なやつだ。すっかり忘れてた!

 「それではまたー!」

 「うす!」

 「さ、さよなら~!」

 玄関で二人を見送ってから頭を抱える。だって誰も言わなかったじゃないか! いや、ウンディーノ家内で決定してから発表までに時間が空いたからか? 仕方なかったのかもしれない。

 「でも、ど、どうしよう……!」

 今から買う? 何を? 指のサイズとか知らねえ! そうやってしばらく外の風に当たりながら悩んでいると、迎えと共にヒナが帰って来た。

 「おー、お兄ぃどったの?」

 「ああ、さっきまでナイルさんとヨハンさんが来ててな。それで……」

 忘れてた言い訳と共に説明すると、ふむふむとヒナは頷いてこう答えた。ちょっと呆れた顔だ。

 「そんなの直接聞けば?」

 「そ、それでいいのか?」

 「別にサプライズに拘りたいってなら止めないけどさ、お兄ぃそんなセンス無いでしょ。イレアお姉ちゃんもそーゆーのが好きなタイプでもなさそうだし」

 相変わらずグサッと刺してくる。確かに本人に聞くのが一番か……

 「わたしに相談するより早いんじゃない? ほら、行っといでよ」

 「わっ」

 背中を押されて家の中に入った。なんだか最近ヒナが冷たくないか? そんな事を考える間もなく、リビングに降りてきたイレアとばったり会う。

 「さ、ご飯まだかなー。お腹すいちゃった」

 白々しく言いながらヒナは自室に上がって行き、俺達を二人置き去りにした。冷たいというか気の遣い方が雑になってる気がするな。ポカンとするイレアと目が合ったが、お互いに逸らしてしまった。

 「あー、その、さっきの、気を付けろよ?」

 「……はい」

 何をとは直接は言えず、濁して注意する。そのまま会話が途切れそうになったが、ちょっと頑張ってみよう。

 「そうだイレア。その……なんか欲しいものってあるか?」

 「欲しいもの?」

 「その、なんだ、指輪とか?」

 「指輪?」

 あんまりピンと来てないようだ。でもちょっとホッとした。俺から声をかけるのをイレアがずっと待ってたとかじゃなくて良かったよ。

 「ほら、婚約したからさ。決まったのはかなり前だけど、正式に発表したし。何と言うか……俺から何か贈るのが普通かなって」

 「! あっ、そっか。そうだよね。ごめん、私も忘れてた」

 「いや、こっちこそごめん。俺も考えとくけど……そうだ、今度どっかに見に行くか?」

 「うん、行く! ふふ、楽しみね」

 「ああ。とはいえなぁ……」

 約束は無事取り付けたが、問題は金だ。生活には別段困ってないが、そういったものを買うには、残っているなけなしのバイト代では手が出ないだろう。しかしアテはある。そのためにも明日リギスティアさんに相談だな。他の要件もまとめて先に伝えてもらうとしよう。
 一転してウキウキとし始めたイレアを横目に、明日のことが少し心配になるのだった。
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