『近所でちょっぴりウワサの姉妹』

⑭『姉妹という鎖』

下着失踪事件から数日後。



い「やばい！寝坊した！！」


バタバタと準備するいちご。
すると姉のゆきが起きてきた。

ゆ「いちごおはよぉ。制服着てどうしたの？今日学校休みだよ？」
い「…へ？マジ？」
ゆ「マジ。」

どうやら今日は学校の創立記念日らしい。


朝食を済ませたあと、
いちごがゆきに問いかけた。

い「そういえばさぁ、この間姉ちゃん学校休んだじゃん？ずっと家にいたの?」
ゆ「え？そうだけどなんで?」

い「・・・いや、聞いてみただけ。」

数日前、ゆきはいちごに置いてかれて遅刻しそうになっていた時、偶然にもかがりと出会ってそのまま学校を休んで2人でゲームセンターで1日遊んでいた。

実はゆきはいちごにその事を告げていない。

ひょんなことから、かがりと奇妙な関係になったゆき。
健全な関係とはいえない部分があり、
ゆきとしてはいちごに対し後ろめたさがある。


しかし、問いかける時のいちごの目。
薄々気付いてる目だ。
そう考えていたらいちごが口を開けた。

い「姉ちゃん、その日...かがりちゃんと居たよね？」

ドキッとするゆき。
い「なんで嘘つくの?」
いちごの目がかわった。
ゆ「い、いやその...ごめん」

い「最近かがりちゃんと仲良いよね。それはいいんだけどなんで私に隠すの？」
ゆ「それは...」
つい俯いてしまった。
それを見たいちごは更に責め立てる。

い「この間も姉ちゃんが勝手に私のパンツ履いてたのに謎にかがりちゃんが持ってたじゃん！！普通ありえないよね！?」

ゆ「………」

ゆきは俯いたまま、沈黙が続く。



い「もしかして.....付き合ってるの?」


思いがけない言葉に顔を上げたら、
いちごは涙目になっていた。

い「お姉ちゃんは...かがりちゃんのこと好きなの？」

いちごの悲しそうな顔をみたゆき。
いつぶりだろうか。妹の悲しそうな顔をみたのは。


ゆ「かがりんは友だちとしては好きだけど、付き合ってるとかじゃないよ！」
い「ぐすっ......本当に？」
ゆ「本当だよっ！1番好きな人は・・・ッ！」

ゆきは言葉に詰まる。


怖い。
腹違いの姉妹であっても血の繋がった姉妹。


一線を越えるのは、許されないこと。


・・・でも！！




ゆ「・・・いちご。ちょっと外、歩こうか。」







【次回、最終話】