Flower Girls〜オトナになった君たち〜

うどん

文字の大きさ
上 下
4 / 5

③『告白』

しおりを挟む



会場の別の部屋に移動したかがりとれな。


かが「準備室だけど…ここでいいかな?」


れな「うん。ありがと。」


かが「なにか飲む?お酒?」


れな「いや、大丈夫だよ。ありがと。」


そう?とかがりはお茶を差し出した。


かが「それにしても久しぶりだね。随分美人になって。今なにしてるの?」


れな「い、今は……雑誌モデルをちょっと……。けど今は休職中なんだ。」

れなは少し顔を赤らめて言った。



かが「えぇ!?モデル!?凄いよ!れなちゃん顔整ってるもんねぇ。羨ましいなぁ。」


そんなことないよと手をブンブン振るれな。


かが「いやぁ正直、れなちゃん来てくれるか心配してたんだよ。だから会えて凄い嬉しい!」


れな「私も会えて嬉しいよ。……あのね、かがりちゃん……」


れなは顔を俯き始めた。
額には薄らと汗をかいていた。


かが「ん?どうしたの?」


れな「・・・かがりちゃん……私ね……かがりちゃんのこと大好きだった。」


突然の告白だった。
突然のことでかがりは3秒程思考停止した。



かが「・・・えッ!?わ、私!?」


れな「うん。これだけは伝えたくて………。急にごめんね。」


かが「う、嬉しいよ!ありがとッ。」


かがりは少し顔を赤らめて微笑んだ。



れな「お、お願いがあるんだけど……いいかな?」


かが「なに?どうしたの?」


れな「・・・来週の日曜日、一緒に遊びたい……。か、かがりちゃんの、よ、予定が無ければだけど……」


かが「来週の日曜日……うん、大丈夫だよ!遊ぼう!」


れな「ほ、ホントに!?……う、嬉しい……」


少し涙目になっているれな。
そんなに嬉しかったのかとかがりは思った。


かが「じゃあ、れなちゃんの連絡先教えてよ!詳しい事はメッセージでしよう。」


れな「うん……!」


かがりとれなは連絡先を交換した。


れな「ごめんね。もう少しお話したかったけど、私そろそろ行かないとダメなの……」


かが「え!?そうなの?用事?」


れな「うん……でもかがりちゃんに会えてよかったッ。ありがとう。」


かが「私も会えて嬉しいよ!じゃあまた連絡するね!」


そしてれなは準備室を後にした。



かが「((れなちゃんがモデルかぁ……まぁ元が美人だから当然かぁ。……それにしても私のこと大好きだったなんて…照れるなぁ))」


思わず顔がにやけてしまうかがり。
スマホで時間を確認したかがり。


かが「いけない!戻らないと!」


かがりはスマホをしまい、準備室を後にした。




会場に戻り、準備に戻ろうと歩いていると後ろから声を掛けられる。



ゆき「あぁ~!!かがりん!!」


振り返るとゆきが抱きついてきた。


かが「わわっ!ゆきちゃん!?」


ゆき「久しぶりだねかがりん!!元気してたぁ?」


ゆきは同じクラスだった女の子で、かがりの初恋の相手だった。



かが「久しぶりだねゆきちゃんッ。元気だよ。ゆきちゃんも相変わらずそうだね。」


抱きついてきたゆきからは酒の匂いがした。


かが「ゆきちゃん結構飲んでるんじゃない?大丈夫?」


ゆき「全然よゆーだよっ!まだまだ飲めるよ!!かがりんは飲んでる?」


かが「私はほら、幹事だから飲めないんだぁ。」


それを聞いたゆきは少し残念そうな顔をした。



ゆき「そっかぁ~…かがりんと飲みたかったのになぁ~…」


ゆきは唇に指をあて上目遣いをする。


かが「((ッ!?か、可愛い………))」


学生時代、ゆきのことが好きだったかがりにとっては効果抜群だった。


かが「わ、私もゆきちゃんと飲みたかったけど……ごめんねっ。」


ゆき「むぅ………」


ほっぺを膨らませるゆき。
すると後ろからいちごの声が聞こえた。


いち「かがりちゃぁーん!!あっ!お姉ちゃんもいるじゃん!!」

ひまわりと肩を組んでやって来たいちご。


ゆき「いちごぉぉ聞いてよぉ~!かがりんが私との酒が飲めないってぇ~!」


かが「えぇーッ!!?違うよ!語弊があるよゆきちゃん!!!」


慌てて弁明するかがり。
だが、いちごはそんなことは聞いていなかった。


いち「お姉ちゃんそれアレだよ?……なんだっけ?アルコール……なんたら?」


ひま「『アルハラ』だよいちごぉ!ア・ル・ハ・ラ!」

ひまわりが得意気な顔をしていちごの頬を突っついた。


いち「わかってるぅ!!・・・って、そんなことよりさぁ~!二次会するんだけどかがりちゃんもおいでよ!!かんなは行くって言ってるよ!!」



もちろん嘘。

かんなは『かがりが行くなら行く』と言っただけで、『行く』とは言っていない。



かが「えぇ!?かんなちゃんも行くの!?………じゃあ、行こうかな。」


いち「ぃやったぁ!!じゃあかんなには言っとくから!!かがりちゃん幹事頑張ってねッ♪」


いちごは再びひまわりと肩を組みながら去っていった。


ゆき「・・・これで一緒に飲めるね。楽しみにしてるよ♡」


ゆきも2人を追いかけるように歩いていった。



かが「・・・ふぅ……。みんな相変わらずだね。」


かがりは少し微笑みながら準備に戻った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

恥ずかしすぎる教室おねしょ

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
女子中学生の松本彩花(まつもと あやか)は授業中に居眠りしておねしょしてしまう そのことに混乱した彼女とフォローする友人のストーリー

【フリー台本】一人向け(ヤンデレもあるよ)

しゃどやま
恋愛
一人で読み上げることを想定した台本集です。五分以下のものが大半になっております。シチュエーションボイス/シチュボとして、声劇や朗読にお使いください。 別名義しゃってんで投稿していた声劇アプリ(ボイコネ!)が終了したので、お気に入りの台本や未発表台本を投稿させていただきます。どこかに「作・しゃどやま」と記載の上、個人・商用、収益化、ご自由にお使いください。朗読、声劇、動画などにご利用して頂いた場合は感想などからURLを教えていただければ嬉しいのでこっそり見に行きます。※転載(本文をコピーして貼ること)はご遠慮ください。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...