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〜最終章〜
173.『追撃』
しおりを挟む事務所を爆破された便利屋一行。
同時に警察署・刑務所も爆破され、パニック状態になる警察。
リンは署に戻り、みつれ達も移動を余儀なくされた。
みつれはカエデを連れ、スイの隠れ家へ向かう。
しおんとよつばは別の安全な場所へ移動し、ユウゼンにコンタクトを試みた。
しお「・・・多分返事は無いだろうね。」
メッセージを送ったものの、返事は来ないと悟るしおん。
よつ「なぁ、なんで今日に限って奇襲をうけたんだろうな…」
しお「・・・多分僕と繋がってたのがバレたんだと思う。もしかしたら父さんは裏切り者として始末されてるかも…」
組織は裏切り者を決して許さない。
幹部だったスイでさえ、裏切り者として始末された。
たとえユウゼンでも許されないだろう。
よつ「・・・とにかく、これからどうする?ずっと返事を待ってるわけにはいかないだろ?」
しお「わかってる。とりあえずみつれさんに連絡してこれからどうするか決めよう。」
しおんはスマホを取り出し、みつれに電話を掛ける。
みつ「・・・しおんか、そっちは大丈夫か?」
しお「大丈夫だよ。そっちは着いたの?」
みつ「いや、どうやら尾行されている。今振り切ろうとしてるところだ。」
みつれとカエデは尾行されていた。
そのまま隠れ家に行くのは危険だと思い、みつれはひたすらバイクを走らせていた。
しお「気をつけてね。落ち着いたら連絡して!今後の動きを……ん?」
話してる最中によつばがしおんの肩をトンっと叩いた。
よつ「しーっ、誰かいる。見られてるぞ。」
よつばは人の気配を感じていた。
しお「・・・みつれさん、どうやら僕らも尾行されてるみたいだ。また連絡するよ。」
みつ「あぁ、気をつけろよ。」
しおんは電話を切った。
よつ「どうする?」
しお「とりあえず移動しよう。それで接近してきたら確実にヤツらだ。」
しおんとよつばはすっとその場所を離れる。
すると案の定、ついてきた。
しお「・・・やっぱり…。ねぇ、よつばさん。」
よつ「なんだ?」
しお「よつばさんって足速い?」
しおんは雑談でもしてるかのような雰囲気でよつばに質問した。
よつ「あ?遅くは無いと思うけど。」
しお「じゃあ、鬼ごっこだね。ヤツらが鬼。振り切れたら僕らの勝ちで。」
よつばは思わぬ提案にポカンとしてしまった。
よつ「は?お前…爆発で緊張感も吹っ飛んだのか?」
しお「じゃあ…よぉ~いどん!」
しおんが走り出すと同時によつばも走り出した。
2人が走り出すと尾行していた人影も走り出す。
しお「やっぱりついてくるか。人混みに紛れよう!流石に人混みの中では僕たちを襲えないでしょ。」
よつ「わかった!!」
2人は街の人混みに紛れ込むように走った。
しかし、尾行していた組織の人間もなりふり構わず人混みをかき分けて追ってきた。
よつ「あまりなりふり構ってられないって感じだな。」
しお「・・・そうみたいだね…。警察も今は機能してないからお構い無しなんだろうね…。裏路地に移動しよう!あの様子じゃ一般人も巻き込みかねない!」
しおんとよつばは裏路地に移動した。
組織の追跡者も2人の後を追い、裏路地に入っていった。
「くそ!何処だ!!」
「近くにいるはずだ!よく捜せ!!」
「ピンクの女はいい!金髪のガキを捜せ!!」
組織の男達の標的はしおんだった。
2人は物陰に隠れて様子をみていた。
よつ「・・・狙いはアンタだけみたいだな。」
しお「となると、やっぱり父さんの件だろうね。裏切りがバレたんだ。」
しおんだけを狙ってるということを知ったしおんは、ユウゼンの裏切りがバレたことに確信を得たようだった。
よつ「どうする?アイツら全員黙らせるか?」
しお「んー………諦めてくれそうに無いしなぁ…。やりますか。」
よつ「相手は5人。ワタシが3人ヤるから2人お願い。」
しお「おっけー。」
しおんとよつばは二手に分かれる。
しおんは偶然を装い、男達の前に姿を現した。
しお「ヤバっ!!」
逃げるように走り出すしおん。
「見つけたぞ!逃がすな!!」
しおんを追いかける男達。
「この先は行き止まりだ!!捕まえろ!」
行き止まりへ突っ走るしおん。
しおんはジャンプし、ビルの配管を掴み登っていく。
「なんてガキだ……」
呆気にとられてた男達の背後によつばが詰め寄る。
「ぐぉッ!?」
鈍い音をたて、最後尾の男が倒れた。
それに気付いた男達が振り返る。
よつ「よぉ。」
よつばは男達に殴り掛かる。
2人目、3人目となぎ倒していく。
「この女ァ!!」
残り2人がよつばに襲いかかる。
すると配管を登っていたしおんが男目掛けて飛んできた。
しおんに飛び乗られた男は倒れる。
それに気を取られた最後の男はよつばから目線を離してしまう。
その隙をついたよつばは男を殴り、ダウンさせた。
しお「ふぅー、ナイス連携だねよつばさん!」
よつ「ワタシが3人でアンタが2人っつっただろ。ラクしてんじゃねぇよ。」
しお「まぁまぁ、流石よつばさんってことで!……ほらっ。」
しおんはよつばにハイタッチを求めた。
よつ「ちっ、次はちゃんとしてよ。」
少し照れながらハイタッチする2人。
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しおんは倒れている男のポケットからスマホを取り出した。
しお「もしかしたらコイツらに指示を出してたヤツが電話を掛けてくるかもしれない。持っていこう。」
しおんは男のスマホをポケットにいれた。
しお「さて、誰かに見られたらマズイ。移動しよう。」
しおんとよつばはその場を離れた。
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