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〜最終章〜
170.『それぞれの思い』
しおりを挟む自宅に帰ってきたカエデは風呂に入っていた。
カエ「はぁ~……まさか本当に決まるなんて……」
カエデはまだ自分が考えた作戦が通ったことに悩んでいた。
カエ「オトナの皆が賛成してくれるのは嬉しいけど内容がなぁ………はぁ~……」
湯船に浸かり、湯面をじーっと見つめるカエデ。
カエデは何故か公園で出会った女のことを思い出した。
カエ「・・・そういえば変わった人だったなぁ…。なんか場違いな雰囲気があったけど……悪い人には感じなかったなぁ………って失礼なこと思っちゃダメ!!」
カエデはビシャビシャと顔に湯をかける。
カエ「・・・ハナさんを助ける為に私も頑張らなきゃ!よぉし!頑張ろ!!」
カエデは勢いよく湯船から立ち上がり風呂場を出た。
その日の夜、
みつれはリンの家を訪れた。
リン「入って。」
みつ「あぁ。」
リンはみつれを部屋に招き入れた。
リン「・・・」
リンは無言のまま浮かない顔をしながらみつれのグラスに酒を注いだ。
みつ「・・・例の作戦の件だろ?」
リン「・・・わかる?なんだか……なんかモヤモヤしてさ………けど、仕方ないよね……」
それもそのはずだ。
警官として、人として非人道的なことを容認するのは難しい。
だがそれ以外にハナを救う手は残されていない。
みつ「・・・必ず成功させよう。ハナさんを死なすわけにはいかない。」
リン「・・・うん…。」
みつれとリンはグラスを交わした。
2人は一気にグラスにはいった酒を飲みほす。
リン「・・・ねぇ、みっちゃん。」
みつ「なんだ?」
リン「・・・ハナちゃんを助け出したらさ……その闇医者が作った薬を飲ませるんでしょ?……それで元に戻るのかなぁ……」
みつ「・・・正直なところ、分からないが可能性はある。今はそれに賭けるしかない。」
リン「・・・だよね……。うん……そうだよね。」
目に涙をためながらゆっくり頷くリン。
みつ「・・・」
不安に押しつぶされそうになっているリンを見て、みつれは静かにリンを抱きしめた。
みつ「大丈夫だ、リン。必ず上手くいく。」
リン「うん………うん……」
リンはみつれの胸の中で静かに泣いた。
その日の深夜、しおんのPCにメッセージが届いた。
しお「ッ!?父さんからだッ!!」
しおんは急いでメッセージを確認する。
しお「・・・4日後、工場内で幹部会あり。」
ユウゼンからのメッセージ。
それは4日後に組織が所有する工場内で『BB』の幹部会が行われるといったもの。
幹部会ということはシロサキもいる。
そしてみつれの最後の敵、リカもそこにいるだろう。
ユウゼンの情報が確かなら絶好の機会。
しお「・・・これが最後のチャンスかもしれない……。」
しおんはみつれにメッセージを送った。
しお「流石にこの時間は寝てるだろうしね。明日起きたら連絡くれるでしょ。」
するとよつばがしおんの部屋から出てきた。
よつ「どうした?デカい声だして……」
目をこすりながらしおんの元に来たよつば。
しお「あっ!起こしちゃったね。ごめん。」
よつ「いいよ。それよりなんかあったの?」
しおんはよつばにユウゼンからのメッセージをみせた。
しお「父さんからメッセージがきたんだ。『4日後に幹部会が行われる』って。」
よつ「・・・ということは……」
しお「うん。……4日後、ハナさんを救い出す絶好のチャンスなんだ。」
2人に緊張が張りつめた。
4日後が、決着の日。。。
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