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〜第5章〜
161.『決意。』
しおりを挟む『ドッグオーディション』から数ヶ月後。
未だにシロサキとハナは行方不明のまま、数ヶ月の時が経った。
『カモミール』事務所にはみつれ、しおん、カエデがいた。
しお「アレから数ヶ月……未だにシロサキとハナさんはみつからないね……」
この数ヶ月間、懸命に2人の行方を探したがひとつも手掛かりが無く、難航していた。
カエ「・・・そういえば、科捜研に調べてもらったクスリ…どうなったんですか?」
しお「一応成分は分かったみたいだけど、一般的に手に入る物ばかりで足取りに難航してるみたい。」
科捜研の報告によると、一般に出回ってるクスリを加工して作られた物で、特定に時間が掛かっているそうだった。
みつ「・・・来たな。」
みつれは窓の外から車が事務所前に停まったのが見えた。
リン「おっはよ~!!」
リンが明るく事務所に入ってきた。
しお「おはようございます、リンさん。」
カエ「リンさん、おはようございます。」
リン「おはよぉ!少年少女!!おっ!カエデちゃん、今日の服シックで可愛いねぇ!」
カエデは顔を赤らめて微笑んだ。
リン「準備出来てる?みっちゃん。」
みつ「あぁ。」
しお「そういえば今日面会だったね。気をつけてね。」
カエ「お気をつけて。」
みつ「あぁ、行ってくる。」
みつれとリンは事務所を出た。
しお「・・・じゃあ僕らも仕事しようか、カエデちゃん。」
カエ「はい!」
2人はPCに向かい、シロサキとハナの捜索を続けた。
みつれとリンは刑務所に向かう。
リン「今日で3回目だね。そろそろ喋って欲しいけどねぇ」
リンは運転しながらボヤいた。
みつ「どうせアイツは刑務所から出れないんだ。じっくり問い詰めるさ。」
2人は刑務所に到着し、手続きを済ませ、面会室に入る。
面会室の中にはトドロキが座っていた。
トド「・・・またお前か……みつれ。」
みつ「トドロキ、この前の続きだ。」
2人はトドロキと対面で座る。
トド「刑事さん……何度来ても幹部の居場所なんか知らねぇよ。」
リン「もうそれは分かった。お前のような下っ端が知ってるハズ無いからなぁ。」
トド「ちっ……じゃあ何しに来たんだ?」
みつれは口を開けた。
みつ「お前がいた組織の名前はなんなんだ?」
トド「組織の名前?なんでそれを聞く?」
トドロキはフッと笑った。
トド「まぁいいだろう。もう俺は出れることは無いしな……。」
みつ「組織名はなんだ?」
トドロキは少し黙ったあと、口を開いた。
トド「・・・『BB』。」
みつ「『BB』……?それが組織の名前か!?」
トドロキは椅子にもたれかかって話し始める。
トド「この国は『箱』だ。それも色々な色が混ざってる。人種、宗教、思想、それも他の国のいいなりで、いいように利用されている。この国は昔のような軍事力も政治力もない。平和ボケし過ぎたんだこの国は……。その様々な色が混ざった『箱』を一色にまとめ、国を変える。それが俺たちの組織、『ブラックボックス』だ。」
ついに明かされた組織名。
みつれとリンは息を呑んだ。
リン「・・・『ブラックボックス』……」
みつ「それが組織名か。リカがボスなのか?」
トド「フッ、ボスは別にいる。おれは会ったことないがな。」
みつれは席を立つ。
みつ「明日、また来る。」
みつれは面会室を出た。
リン「み、みっちゃん!?」
リンは後を追いかけようと部屋を出ようとするがトドロキがリンを引き止める。
トド「待て、刑事さん。ひとついいことを教えてやる。」
リンは振り返り、席に座る。
リン「・・・なんだ?」
トド「アンタ…シロサキ幹部を追ってるんだろ?」
リン「・・・」
トド「一度幹部に拉致監禁されたんだろ?話は聞いてる。」
リン「それがどうした。」
トド「俺はあの幹部が嫌いでね。軍人の頃、幹部の作る爆発物に何度も苦しめられた。正直俺はアンタにシロサキを捕まえて欲しいとさえ思っている。」
リン「・・・言われるまでもない。シロサキは必ず捕まえる。」
トド「フッ、幹部はよく埠頭に行くらしい。どこかは知らんがよく出入りするらしいぞ。」
トドロキはシロサキが埠頭によく足を運ぶことをリンに教えた。
リン「・・・また来る。」
リンは面会室を後にした。
トド「フッ……せいぜい頑張んな。」
刑務所を後にしたみつれとリン。
みつ「・・・なぁ、リン。」
リン「ん?なに?」
みつ「・・・すまなかった。あの時、私はハナさんを行かせてしまった。」
リン「みっちゃんのせいじゃない。ハナちゃんが選んだことだよ……。ハナちゃんはシロサキを選んだ。それだけだよ。」
リンは車を停める。
リン「でもね……、私は諦めない。ハナちゃんを取り戻す。元気で明るいハナちゃんを必ず……。」
リンは涙をこらえながらハンドルを強く握った。
みつ「あぁ……必ず取り戻す。しおんもカエデも、誰一人諦めていない。」
戻ってこないとわかっている。
だがハナを諦めることは無い。
リン「ありがとう………」
リンとみつれは手を握り合った。
トドロキから得た情報を使い、必ずハナを取り戻す。
2人はかたく決意した。。。
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