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〜第5章〜
158.『それぞれの戦い しおんvsハナ』
しおりを挟む教室にはしおんとハナ。
しお「ハナさん……足止めさせてもらいます!」
しおんは構える。
ハナ「邪魔するなら殺す。」
ハナは全裸のまま交戦する。
ハナは素早くしおんに近づき、拳を打つ。
しお「うっ……」
しおんはハナの拳を受け止める。
しお「(一切の加減が無い……本気だ。)」
しおんは距離をとろうとするがハナに間合いを詰められる。
しお「ッ!?」
ハナはしおんに蹴りを入れるがしおんは壁を使い避けていく。
ハナはそのまま間髪入れずにしおんに回し蹴りをする。
しかしそれを想定していたしおんは回し蹴りを受け止めて脚を掴み、遠心力の力でハナを投げ飛ばす。
ハナ「ッ!?」
ハナはくるっと回り、着地する。
しお「流石ハナさん……対応力がすごいね……」
ハナはまたしおんの間合いに入り込む。
しおんは体勢を低くし、ハナの脚を狙って蹴る。
ハナはしおんの蹴りを脚で受け止め、しおんの脚を台にしてしおんに膝蹴りを食らわす。
しお「ぐっ……」
膝蹴りで顔を上にむけたしおんの首を狙って、ハナはしおんの首に拳をうち込む。
だが、しおんはその攻撃を予想していた。
ハナの腕を狙って張り手をして拳の軌道をズラした。
少し体勢を崩したハナの身体を使い、ハナの背後に回り込むしおん。
ハナは後ろに回ったしおんに肘を打ち込むがしおんも肘でガードする。
ハナ「・・・やるな。」
しお「・・・おかげさまで。」
ハナは肘を出したしおんの腕を掴み背負い投げのような技を繰り出す。
ぐるっと回されたしおんは体勢を崩しハナの足元に倒れる。
ハナはしおんの頭目掛けてかかと落としをするがしおんはギリギリ交わしてハナと距離をとる。
避けるしおんをギロっと睨むハナ。
しおんは再び構える。
ハナは手を出してクイクイとしおんを挑発する。
しおんは空中で回転し、その遠心力を利用してハナに蹴りを入れる。
ハナは蹴りを受け止めるがしおんはそれを読んでいて、身体を捻らして反対側の脚でハナに蹴りを入れる。
流石に受け止めきれなかったハナはよろめき、初めてハナが距離をとった。
ハナ「・・・随分アクロバットな大技だな。」
しお「なんだ、ちゃんと喋れるじゃないですか。」
しおんは体勢を整える。
しお「いつもの関西弁はどうしたんですか?また聞かせてくださいよ。ハナさん。『どないしたん?』って。」
ハナ「黙れ。」
ハナはしおんに仕掛ける。
しおんは後ずさりして窓側まで追い込まれるが、窓枠にジャンプして掴んでハナを避ける。
ハナの背後をとったしおんはハナを羽交い締めにする。
しお「ハナさん!!あなたはシロサキに利用されてるだけなんです!僕たちの元に戻ってきてください!!」
しおんはハナを説得しようとする。
しお「戻ってきてください!いつも笑顔で明るいハナさんに戻ってください!!」
ハナ「うるさい!!離せ!!!」
ハナは後頭部をしおんの顔にぶつけた。
しお「ぐっ!!」
力をゆるめたしおんに振り返ってハナはしおんの顔を殴る。
吹き飛ぶしおん。
ハナはすぐに馬乗りになり、しおんの顔を何度も殴りつづけた。
しお「ぐっ……ハナ………さ……」
ハナはひたすらしおんを殴りつづけた。
ハナ「はぁ……はぁ……はぁ……ッ!?」
殴るのをやめ、呼吸を整えるハナ。
するとしおんはハナの手首を掴んだ。
しお「ハ……ハナさん………お願いだ……戻って………」
しおんの目からは血と涙が流れる。
ハナ「・・・私はシロサキ様のそばにいる……もう戻らない。覚えておけ、しおん君。」
ハナはしおんの名前を言った。
しおんは確信してしまった。
もうこの人は戻ってこないと。
しお「ハナさん………」
辛く冷たい現実がしおんを包む。
ハナは雄叫びをあげながら力いっぱいにしおんの顔を1発殴った。
しおんの意識が遠くなり、目を閉じた。
ハナ「はぁ……はぁ……」
教室にはハナの荒らげた呼吸だけが聞こえていた。。
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