『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
上 下
160 / 190
〜第5章〜

155.『突入準備』

しおりを挟む



メッセージから3週間後。
『ドッグオーディション』当日。
時刻は午後1時。


『カモミール』の事務所ではリンも交えて最終作戦会議が行われていた。


しお「ということで今日の午後9時が『ドッグオーディション』です。父さんからの情報とオキさんの情報が合致してることから、日時は間違いないでしょう。ここにハナさんが出ることもわかってます。これが会場である廃校の見取り図です。」


しおんはモニターに廃校の見取り図を映した。


しお「どれくらいの規模でやるか分かりませんが、恐らく体育館でやると思われます。みつれさんが下見に行った時に、体育館には窓に木の板が貼り付けられていたそうです。」


リン「いよいよだね。一斉検挙する手続きは済んでる。人員は60人、パトカー30台は用意出来てる。」


みつ「十分だ。半分は中に突入、もう半分は逃げられないように周りを囲むんだ。シロサキもそこで捕まえる。ハナさんをシロサキの手から解放するんだ。」


しお「そうだね。問題はどのタイミングで突入するかなんだけど…リンさん、こういう時は本来どういうタイミングで突入するんですか?」


しおんは突入タイミングをリンに訊ねた。


リン「重要人物が姿を現した時とかかな。後はまぁその時々によるね。…ちなみにこの体育館の抜け穴みたいな隠し出口とかの増築は無いの?」


しお「窓に木の板を貼りつけてる以外には無いと思います。逃げるとしたら各扉から逃げるしか無いからそこをしっかり抑えましょう。人員も60もいれば大丈夫でしょう。」

しおんの調査では増築は無いと判断した。



みつ「ユウゼンのメッセージには護衛は無いとあったが、本当かわからない。一応いるものとして想定した方がいいだろう。」


リン「そのメッセージなんだけど、罠の可能性もあるんじゃない?」


しお「確かに罠の可能性も十分にあります。父さんがシロサキに指示されて僕に送った可能性も捨てきれません。けどそれならわざわざ暗号を使って送らないと思うんです。」


みつ「まぁ罠だろうがどっちみち関係ない。シロサキを捕まえて、ハナさんを取り戻す。それだけだ。」


リン「だね。…じゃあ段取りだけど….……」



リンは突入する段取りを2人に話した。



運命の時間は刻一刻と近づいていく。


リン「・・・ということで、これで行こう。細かい部分は臨機応変に対応しよう。」


みつ「了解。」

しお「わかりました。」



『ドッグオーディション』開始まで8時間。


みつれ達は各々準備に取り掛かった。






午後8時30分。

廃校にはぞろぞろと送迎の車が出入りしていた。


遠くから見張っているみつれとしおん。


しお「集まってきてるね。人数は少なそうだけど。」


みつ「私の時はもっと居た。今は完全極秘の会員制らしいからな。選ばれた者しか入れないんだろう。」


2人が監視していると見覚えのあるワゴン車が見えた。


しお「みつれさん!あの車!」


みつ「あぁ、組織のワゴン車だ。多分あの車にシロサキとハナさんがいる。」


ワゴン車は廃校に入っていき、姿が見えなくなった。


みつ「入っていったな。私たちも行くぞ。」


しお「おっけー」


2人は体育館とは反対側の校舎に侵入した。


1階の窓から侵入し、身を潜める。

するとリンから着信がはいる。


みつ「リンか。今校舎に侵入した。」


リン「了解。私たちは9時20分に到着する。盛り上がってるとこ狙ったほうがいいでしょ。」


みつ「あぁ。その方が不意をつける。」


リン「見つからないように気をつけてね。」

リンは電話を切った。


みつ「・・・しおん、例のモノ準備しておけ。」


しお「これだね。けどこれどうするの?」


それはしおんが自作した電磁パルス発生装置だった。

みつ「それを組織のワゴン車の下に設置してきてくれ。万が一逃げられないようにな。」


しお「なるほど。じゃあ設置してくるよ。」


しおんはサッと移動して行った。


みつ「これで退路は絶った。全員捕まえる。そしてトドロキと決着をつける……」


開始20分前。
突入までは40分。


準備はすでに整った。。。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

処理中です...