『ブラックボックス』

うどん

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〜第5章〜

153.『謎のメッセージ』

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旅館の日帰り温泉に入るみつれとカエデ。

2人はたわいのない話をしていた。
学校のこと、家族のこと、自分の好きなこと等、2人は年の離れた姉妹のように仲良く会話していた。


みつれはふと時計を見た。

みつ「もうこんな時間か。そろそろあがるか。」


みつれは立ち上がった。


カエ「・・・あの……ちょっと聞きにくい事なんですけど……いいですか?」

カエデは顔を赤らめてみつれに訊ねた。


みつ「ん?どうした?」


カエ「その……なんでみつれさん、下の毛生えてないんですか?大人の人はみんな生えてると思ってました。友だちも生えてるし……」


カエデは下の毛が無いのをずっと気にしていたようだった。


みつ「あぁ…これか。ある日から生えなくなったんだよ。まぁ別に困らないし気にはしてないけど。」


カエ「そうだったんですね…。私…それで少し悩んでるんです。友だちはみんな生えてるし、私だけ生えてなくて…なんかそれで余計に子どもっぽくて…」


思春期らしい悩みを抱えていたカエデ。
カエデは自分の身体にコンプレックスを抱えていた。


みつ「気にする事はない……と言っても無理な話か。年頃だからなぁ…。まぁ私みたいな大人でも生えてないヤツもいるんだ。あまり気にするなとしか言えないな。」


みつれは上手く返す言葉が見つからなかった。


カエ「うぅ……大人になったら生えてくるかなぁ……」


みつ「生えてくるさ。手入れが大変になるぞ。」


みつれはフフッと笑った。


2人は露天風呂を出て部屋で支度する。


みつ「出る準備出来たか?カエデ。」


カエ「はい!大丈夫です!」


2人は旅館を出て、事務所に戻った。



事務所に戻るとしおんがデバイスの修理作業をしていた。


しお「おかえり。2人でどこ行ってたの?」


みつ「ちょっとな。女の秘密の場所だ。…な?カエデ。」


カエ「はい!秘密です。」


2人は微笑んだ。
わけが分からない様子のしおん。


みつ「それよりそっちはどうだ?直りそうか?」


みつれは修理の進捗状況を聞いた。


しお「んー…なんとも……」


しおんは頑張って修復しようとしているが上手くいかない様子だった。


みつ「そうか。コン詰めすぎないようにな。」


しお「ありがとう。」


しおんは再び修理に没頭する。



みつ「じゃあ、カエデを家まで送ってくる。」


しお「うん、気をつけてね。カエデちゃんまたね。」


カエ「お疲れ様です。」


みつれとカエデは事務所を出た。



しばらく1人で作業してる中、しおんのPCに一通のメッセージが送られてきた。
通知音で気がついたしおん。


しお「ん?メッセージ?誰から……ッ!?」





『1-2 5-3 5-5 3-2 8-3 1-3 6-1 4-4" 9-3。3-5 5-1 1-4 9-5。2-5" 1-4 1-2 6-1 5-1 3-2。3-2 9-5 3-1 2-2 4-1" 2-4 4-1"。』





メッセージ内容は数字の羅列だった。


しお「なんだこれ?この羅列……どこかで……」


しおんは記憶の引き出しを開けていく。
どこか見覚えがある数字の羅列。
しかしすぐに出てこなかった。


しお「知らないアドレス……イタズラ…?いや、違うな……。」


しおんは見覚えのある数字の羅列がどうしても気になった。



しお「・・・ちょっと調べてみよう。」


しおんは作業を中断して調べ始めた。
しかしいくら検索してもヒットしない。


しお「出ないなぁ……プログラミングのコードでも無いし…なんなんだこれ……」


しおんは頭を悩ませた。


イタズラで意味の無い数字の羅列かも知れない。
けどしおんは何故かそんな気はしなかった。


しお「・・・みつれさんが帰ってきたら聞いてみるか…」
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