158 / 190
〜第5章〜
153.『謎のメッセージ』
しおりを挟む旅館の日帰り温泉に入るみつれとカエデ。
2人はたわいのない話をしていた。
学校のこと、家族のこと、自分の好きなこと等、2人は年の離れた姉妹のように仲良く会話していた。
みつれはふと時計を見た。
みつ「もうこんな時間か。そろそろあがるか。」
みつれは立ち上がった。
カエ「・・・あの……ちょっと聞きにくい事なんですけど……いいですか?」
カエデは顔を赤らめてみつれに訊ねた。
みつ「ん?どうした?」
カエ「その……なんでみつれさん、下の毛生えてないんですか?大人の人はみんな生えてると思ってました。友だちも生えてるし……」
カエデは下の毛が無いのをずっと気にしていたようだった。
みつ「あぁ…これか。ある日から生えなくなったんだよ。まぁ別に困らないし気にはしてないけど。」
カエ「そうだったんですね…。私…それで少し悩んでるんです。友だちはみんな生えてるし、私だけ生えてなくて…なんかそれで余計に子どもっぽくて…」
思春期らしい悩みを抱えていたカエデ。
カエデは自分の身体にコンプレックスを抱えていた。
みつ「気にする事はない……と言っても無理な話か。年頃だからなぁ…。まぁ私みたいな大人でも生えてないヤツもいるんだ。あまり気にするなとしか言えないな。」
みつれは上手く返す言葉が見つからなかった。
カエ「うぅ……大人になったら生えてくるかなぁ……」
みつ「生えてくるさ。手入れが大変になるぞ。」
みつれはフフッと笑った。
2人は露天風呂を出て部屋で支度する。
みつ「出る準備出来たか?カエデ。」
カエ「はい!大丈夫です!」
2人は旅館を出て、事務所に戻った。
事務所に戻るとしおんがデバイスの修理作業をしていた。
しお「おかえり。2人でどこ行ってたの?」
みつ「ちょっとな。女の秘密の場所だ。…な?カエデ。」
カエ「はい!秘密です。」
2人は微笑んだ。
わけが分からない様子のしおん。
みつ「それよりそっちはどうだ?直りそうか?」
みつれは修理の進捗状況を聞いた。
しお「んー…なんとも……」
しおんは頑張って修復しようとしているが上手くいかない様子だった。
みつ「そうか。コン詰めすぎないようにな。」
しお「ありがとう。」
しおんは再び修理に没頭する。
みつ「じゃあ、カエデを家まで送ってくる。」
しお「うん、気をつけてね。カエデちゃんまたね。」
カエ「お疲れ様です。」
みつれとカエデは事務所を出た。
しばらく1人で作業してる中、しおんのPCに一通のメッセージが送られてきた。
通知音で気がついたしおん。
しお「ん?メッセージ?誰から……ッ!?」
『1-2 5-3 5-5 3-2 8-3 1-3 6-1 4-4" 9-3。3-5 5-1 1-4 9-5。2-5" 1-4 1-2 6-1 5-1 3-2。3-2 9-5 3-1 2-2 4-1" 2-4 4-1"。』
メッセージ内容は数字の羅列だった。
しお「なんだこれ?この羅列……どこかで……」
しおんは記憶の引き出しを開けていく。
どこか見覚えがある数字の羅列。
しかしすぐに出てこなかった。
しお「知らないアドレス……イタズラ…?いや、違うな……。」
しおんは見覚えのある数字の羅列がどうしても気になった。
しお「・・・ちょっと調べてみよう。」
しおんは作業を中断して調べ始めた。
しかしいくら検索してもヒットしない。
しお「出ないなぁ……プログラミングのコードでも無いし…なんなんだこれ……」
しおんは頭を悩ませた。
イタズラで意味の無い数字の羅列かも知れない。
けどしおんは何故かそんな気はしなかった。
しお「・・・みつれさんが帰ってきたら聞いてみるか…」
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる