『ブラックボックス』

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〜第5章〜

145.『別人』

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ハナを助け出すため工場に侵入したみつれとリン。

旧社員寮へ踏み込み、ハナを捜す2人。


すると、建物の影からハナが現れた。





リン「ハナ……ちゃん?」


リンの問いかけに全く反応しないハナ。
しかしハナはずっとリンを見つめていた。


リンはハナの元に走る。


リン「ハナちゃん!大丈夫!?助けに来たよ!」

リンはハナの肩に触れる。


ハナ「・・・触るな。」

ハナはリンの首に手をかける。

リン「ッ!?ハ、ハナ……ちゃ…ッ!?」

無表情でリンの首を絞めるハナ。


リン「かッ……は………や、やめ……ハナ…ちゃ………」


リンは理解が追いつかなかった。
何故ハナに首を絞められているのか分からなかった。


みつ「リン!!!」


みつれが首を絞めているハナの手を離す。


リン「かは……げほげほ!」


みつれはハナにナイフを構える。


ハナ「・・・」


ハナはみつれに攻撃する。


みつれはハナを傷つけないようにナイフをしまう。

みつ「((ぐっ……一切の加減がない……ッ!まさか……))」


ハナはみつれの首を狙う。

ギリギリでハナの手を払い避けるみつれ。


みつ「くっ!」


みつれはハナと距離をとろうとするが、ハナがそれを許さなかった。

ハナはみつれに息をつかせる暇を与えない。


みつれはハナの回し蹴りを喰らい、体勢を崩してしまう。

ハナはすかさずみつれの頭を狙う。


しかし、リンがそれを阻止した。


リン「ハナちゃん!!どうしちゃったの!?」


ハナは初めて距離をとった。


リン「みっちゃん!大丈夫!?」


みつ「あぁ……。」


みつれは立ち上がった。

リン「ハナちゃん…一体どうしちゃったの…」


するとハナは口を開いた。




ハナ「・・・お前達は殺す。シロサキ様の為に。」 




感情も無く、冷たく言い放つハナ。



みつ・リン「ッ!?」


ハナは2人に襲いかかる。

2人相手でも容赦なく攻撃をするハナ。


みつれとリンは防戦一方だった。


リン「くっ!……あッ……」

リンは体勢を崩し、懐に忍ばせていた銃が地面に落ちる。


ハナはそれを見逃さなかった。

ハナは即座にリンが落とした銃を拾いあげた。

すぐにリンに銃口を向けて引き金を引き、銃声が鳴り響く。


弾がリンに当たる前にみつれはリンを蹴って銃の照準から外した。


ハナはすぐにみつれに発砲する。

みつれは再びサバイバルナイフを取り出し、ナイフで弾道をズラした。


弾はギリギリに逸れ、みつれの頬を掠めた。


みつ「((くっ……完全に頭を狙ってきた……))」


間髪入れずにハナはみつれに銃弾を浴びせようとする。

みつれとリンは危険を察知し、建物のかげに隠れた。


みつ「リン、退却しよう。このままじゃ確実に死ぬ。」

リン「・・・わかった。」

ハナの様子が以前と全く変わっていてもはや別人だった。
2人は撤退を余儀なくされる。



リンは銃を取り出した。

リン「・・・私がハナちゃんの気を引く。そのスキにみっちゃんはバイクを。」


みつ「あぁ。行くぞ………3……2……1…ッ!」


2人は一斉に建物のかげから飛び出した。

リンはハナの気を引くためにハナの足元を威嚇射撃する。

しかしハナはなんの反応も示さなかった。

怯むこと無くハナはリンに発砲し続ける。


リンは走って交わすのがやっとだった。


リンを逃すまいとハナが走り出す。


リンは旧社員寮の横にある駐車場に逃げ込み、車を遮蔽物にし銃弾から身を隠した。



リン「はぁ…はぁ…はぁ……」

一度息を整えようとするリン。
ハナは隠れているリンをさがす。


リン「((ハナちゃん……本気で私を殺そうと……))」


銃を構えながらリンをさがすハナ。
リンは車と車の間に隠れ、ハナの様子をうかがう。




一方みつれはバイクを取りに戻っていた。


しかし組織の構成員がみつれを阻む。
容赦なく鈍器等でみつれに襲いかかる。


みつ「どけ!!!」

みつれは構成員の男達をなぎ倒していく。


男達はみつれがバイクに戻ると気づき、バイクを破壊しようとした。


みつ「ちっ!四の五の言ってられないかッ!」


みつれはリンから渡された銃を構え、バイクを狙う男達に発砲した。


「あの女!銃をもってるぞ!!!」


他の男が叫び知らせる。


みつれはバイクを狙う男達を撃ち抜き、バイクを奪還する。


みつ「邪魔だ!!」


すぐさま乗り込み、リンの元へバイクを走らせた。。。






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