『ブラックボックス』

うどん

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〜第5章〜

139.『報告』

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みつれとしおんはリンと待ち合わせをしていた。

場所はリンの行きつけのbar。


2人が店に到着するとリンはもう店にいた。


リン「みっちゃん、しおん君。」


みつ「早いなリン。」


しお「リンさんこんばんは。」


3人はいつもの席につく。


リン「話ってなに?なにかわかったの?」

リンは2人に聞く。

みつれとしおんは目を合わせる。


みつ「・・・まず一つ目だが、今日うちの事務所にユウゼンが来た。」


リン「え!?ユウゼンが!?」

リンは驚いた。


みつ「話をしに来ただけだったよ。『これ以上組織に関わるな。これ以上邪魔するなら殺す』と。」

続いてしおんが話を続ける。


しお「父さんが事務所を出た後、追跡したんです。そしたら父さんを監視してる人物がいたんです。」


リン「ユウゼンが監視されている?誰に?」


しお「詳しくはまだ分かりませんが組織の人間では無いっぽいんです。」


しおんはスマホにみつれに襲いかかった男の画像を映してリンに見せた。


しお「防犯カメラで父さんをビルから監視してる人物を見つけた僕らは手がかりを見つけるためにみつれさんが現場にむかったんですが、その現場でみつれさんはこの男に襲われました。」


リン「知らない顔だね……」


みつ「手首に刺青があった。なんの刺青かは分からないが。」


リン「手首に刺青………」

リンはしばらく考えていた。

するとなにか心当たりがある表情をした。
リンは紙とペンを取り出した。


リン「それって…………こんなの?」


リンは刺青の絵を描き出した。


みつ「ッ!?これだ!…なんでリンが知っている?」


リン「この刺青はある半グレチームが彫る刺青だよ。今はあまり話に出てこないけど。」


しお「やっぱり半グレか……。ここからは仮説なんですけど、みつれさんを襲ったこの男は半グレグループで父さんを監視していたヤツらと同じで、シロサキの指示で動いてるんじゃないかって僕らは考えてます。」

リンの顔色が少し変わる。



リン「シロサキ……シロサキが絡んでるっていうの?」

リンはシロサキに対して怒りが隠しきれていなかった。


みつ「シロサキは私たちを始末したがっている。それで半グレを送り込んだなら襲われた説明がつく。」


しお「それに父さんを監視するヤツらもシロサキの差し金だと思います。」


リン「なんでユウゼンが監視されてるの?護衛とかじゃなくて?」


みつ「ユウゼンは私に言ったんだ。『俺には『犬』というのを理解出来ない。人を奴隷のようにするのは俺の考えに合わない』と。不愉快とも言っていた。つまりユウゼンは組織と合わない部分がある。それをシロサキは警戒してるんじゃないかと思う。……スイの裏切りがあったからな。」

みつれは自分の考察を話した。


リン「・・・なるほどね。それなら監視対象になるかもね。」


リンは少し納得したようだった。



みつ「・・・それともう1つなんだが……落ち着いて聞いてほしい。」

みつれは本題にはいろうとした。



リン「なに?ハナちゃんのこと?」


みつ「そうだ…。」


みつれはリンの様子を見ながら慎重に話を進める。


みつ「ユウゼンから聞き出した。…ハナさんは生きている。シロサキに『犬』にされているそうだ。」


リン「・・・生きてるんだね。よかった。」


リンは落ち着いて聞いていたが震えていた。


みつ「昔『ドッグオーディション』の話をしただろ?…ハナさんはそれに出されるらしい。」

リンは思わず立ち上がった。


みつ「リン、落ち着いてくれ。」


リン「・・・その情報…間違いないの?」


リンは必死にこらえていた。


みつ「あぁ。ユウゼンから聞いた。それに『犬』にされてるならそれに出される可能性は非常に高い。」


しお「その時がハナさんを助け出す唯一のチャンスなんです。リンさん。」


リン「・・・」


リンは脱力したようにストンと腰を下ろし俯いた。


みつ「リン…助け出す確率を上げるためにも警察の力がいる。会場の全員を検挙するんだ。そしたら安全に助け出せるかもしれない。」


リン「・・・わかった。それはいつ?」



 みつ「来月だがまだ日時はわからない。」
 

リン「来月!?…それまでずっと待つってこと!?」

リンは声を荒げた。


しお「もちろんそれまでも捜し続けます。僕らだって『ドッグオーディション』に出される前に助け出したい。」

しおんの言葉に少し落ち着いたリン。


リン「・・・ごめんなさい。」


みつ「リン、一刻も早く助けたいのは私たちも同じだ。」


リン「わかってる……ごめんなさい……」


リンを心配する2人。


リン「ごめん……ちょっと外の空気吸ってくる。」

リンは席を外した。


しお「・・・大丈夫かな…リンさん。」


みつ「・・・」


2人はリンが戻って来るのを待った。
しかし10分経っても戻ってこなかった。


しお「リンさん…遅くない?」


みつ「ちょっと見てくる。」


みつれは席を立って店の外に出た。
しかしリンの姿は無かった。



みつ「((リン…どこに行った……))」



みつれはリンに電話を掛けたが出なかった。

みつれはしおんに電話を掛ける。


みつ「しおん!リンの姿が無い!少し周りを捜してくる!」



みつれはリンを捜すため夜の街を駆け回った。。。

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