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〜第5章〜
137.『『犬』の使い方』
しおりを挟む謎の人物の指紋を採取するためにビルを訪れたみつれ。
すると背後から謎の人物がみつれに襲いかかる。
みつれは反撃をしようとするが逃げられてしまう。
みつれは指紋の照合を急ぐため、事務所へと戻った。
しお「みつれさん、おかえり。大丈夫だった?」
みつ「あぁ、これが指紋だ。ついでに鉄パイプについていた指紋も採取した。」
みつれは指紋を採取した物をしおんに渡した。
しお「おっけー。照合してみるよ。」
しおんは採取した指紋をスキャンし、警察のデータベースに入り込んで照合を始めた。
みつ「それと男の手首に刺青が見えた。なんの刺青かはわからなかったが。」
しお「わかった、それも含めて調べてみるよ。しばらく休んでて。」
みつ「あぁ。着替えてくる。」
みつれはそう言って自分の部屋に入っていった。
しばらくするとしおんはみつれを呼んだ。
みつ「わかったのか?」
しお「うん。手すりの指紋はヒットしなかったけど、鉄パイプの指紋はヒットしたよ。前科持ちだね。強盗未遂で服役してた過去があるよ。組織の人間ってわけじゃなさそうだけど…」
しおんは男のデータをモニターに映した。
みつ「こいつだな。間違いない。」
しお「この男は16歳の時に強盗未遂で5年間刑務所にいて21歳で出所しているよ。そこからみてテロ組織の人間では無いと思うんだ。」
みつ「同感だ。多分この辺の半グレだろう…。」
しお「でもなんで半グレなんかがみつれさんを襲ったんだろ…。それも鉄パイプまで使って。」
みつ「強姦目的なら鉄パイプなんか使わない。それにナイフまで出されたんだ。明確に殺意を持っている。」
しおんはあることを思いついた。
しお「・・・もしかしてシロサキが僕達を始末するために半グレを使ってるんじゃ……」
しおんはシロサキの差し金だと考えた。
みつ「有り得るな。半グレならたとえ捕まっても足が付かない。使い捨て出来るからな。」
しお「だとすると下手に行動出来ないね。いつ襲ってくるかわからない。」
みつ「あぁ。カエデさんにはしばらくこっちに来ないよう伝えてくれ。あの子を危険に晒すわけにはいかない。」
しお「うん。伝えとくよ。」
みつ「その仮説が正しかったらビルでユウゼンを監視してたやつも同じだろう。」
しお「それなら父さんも狙われているってこと?けどなんで?」
みつ「わからない。私を仕留めそこなったからまたなにかアクションを起こすかもしれない。それまで待つか。…リンには一応伝えておく。」
2人はまだ見えぬ敵が動くまで待つことにした。
同日の夜。
シロサキはリカの居る部屋に来た。
シロサキは部屋のドアをノックした。
シロ「失礼します。」
リカはソファに座っていた。
リカ「シロサキか。座れ。」
シロサキはリカと向かい合わせになるようにソファに座った。
シロ「あの、話ってなんです?」
リカはタバコに火をつけた。
リカ「・・・お前、あの『犬』をどうする気だ?」
シロ「ハナですか?…金を稼がせて組織に貢献させるつもりです。死ぬまで使います。」
シロサキはハナをこの先どうするのかをリカに話した。
リカ「あの『犬』は使える。その使い方は勿体ない。」
リカは自身の考えをシロサキに話した。
シロ「・・・なるほど、分かりました。使い物になるようにしつけます。」
シロサキはリカの考えを了承した。
リカ「・・・お前はスイが『犬』だったことは知っているな?」
リカはスイの話をしだした。
シロ「はい。それがなにか?」
リカ「スイは私にとって初めての『犬』だった。まぁもう1人いたんだがな…。」
シロ「?そのもう1人って、誰です?」
リカ「死んだ。いい娘だったんだがな…」
リカは少し悲しい表情をした。
シロサキはリカのそんな表情を初めて見て驚いた。
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リカ「・・・お前にスイが『犬』からどうやって幹部までなったのか教えてやる。ふっ…酒でも飲みながらな。」
リカはグラスに酒をいれ、シロサキに渡した。
シロ「あ、ありがとうございます。」
リカはソファに座り、話を始めた。。。
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