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〜第5章〜
136.『謎の人物』
しおりを挟むユウゼンと喫茶店で話をしたみつれは事務所に戻った。
みつれはしおんに喫茶店でユウゼンと話した内容を話した。
しお「・・・」
しおんは沈黙していた。
みつ「しおん、ユウゼンからお前を説得するよう言われたよ。」
しお「・・・みつれさんが説得しようが変わらない。僕は父さんを許さない。」
みつ「ふっ、そう言うと思ったよ。」
みつれは微笑んだ。
みつ「しおん、ユウゼンは私にハナさんを救い出す機会を教えた。『ドッグオーディション』がハナさんを救い出す唯一のチャンスだ。」
しお「・・・父さんはなんでその事をみつれさんに話したんだろ…」
しおんはなんで組織に不利益になることをみつれに話したのか分からなかった。
みつ「・・・どうやらユウゼンも気に入らないようだな。組織のやっていることに。」
しおんはそれを聞いてハッとし、ソファから立ち上がってモニターに映像を映した。
みつ「どうしたしおん?」
しお「父さんが喫茶店を出た後、しばらく監視してたんだ。けどよく見たら父さんの周りに不審な人物がいたんだよ。これ見て。」
防犯カメラの映像。
ユウゼンの後ろにフードを被った人物がいた。
みつ「誰だこれ?」
しお「わからない。けどずっと父さんをつけてるんだよ。それにほら!ここにも。」
しおんは映像を止め、ビルからユウゼンを見ている人物を指さした。
みつ「まるで監視されてるみたいだな。」
その後の映像もユウゼンの後ろにはフードを被った人物が尾行していた。
しお「これはしばらくした後だけど、途中で人が入れ替わってるんだ。」
しおんは早送りして、尾行している人物が変わっているのをみつれに見せた。
みつ「2人……いや、それ以上で監視しているのか?何者なんだ……」
しお「みつれさんはさっき、父さんは組織のやっていることが気に入らないんだろうって言ったでしょ?…もしかしてそれと関係あるんじゃないかと思って…」
みつ「可能性はあるだろうな。もしかしたら監視してるコイツらは組織の人間かもしれない。」
みつれとしおんはユウゼンが組織内でマークされていると考えた。
みつ「・・・しおん、出来る限りこの尾行している人物を調べてくれ。」
しお「分かった。警察のデータベースと照合してみるよ。」
しおんはキーボードを打ち込み始めた。
しお「このカメラに映ってる顔をスキャンして、警察のデータベースと照らし合わせる。……けどヒットしないなぁ...だったら。」
しおんはもう一度防犯カメラの映像を映す。
しお「みつれさん、ちょっとお使い頼んでいい?」
みつ「なんだ?」
しお「今映ってるビルから監視してる人物、素手で手すり触ってるでしょ?指紋をとってきて欲しいんだ。その指紋で照合したい。」
よくみるとビルから監視してる人物は手すりを触っていた。
みつ「なるほどな、分かった。行ってくる。」
みつれは事務所を出てビルへとむかった。
しお「そのビルは喫茶店から少し行ったところにあるよ。」
インカムからしおんの声が聞こえる。
みつ「分かった。急ぐ。」
みつれは走った。
みつ「ふぅ。ここだな。」
みつれはビルに到着した。
しお「そのビルの4階の非常階段だよ。」
みつ「あぁ、わかった。」
みつれは非常階段を登り、手すりについた指紋を採取した。
みつ「採取した。今から戻る。……ん?」
みつれが振り返ると男が立っていた。
男は鉄パイプを振りかざしてみつれに襲いかかる。
みつ「ッ!?」
間一髪でかわし、鉄パイプを弾き落として男の胸ぐらを掴んで壁に押さえつけた。
「ッ!?」
みつ「何者だお前。」
「ちっ!」
お前はナイフを取り出しみつれを切りつけようとする。
みつれはそれを避けるが、男は4階から飛び降りた。
男は器用に手すりに掴まり降りていく。
みつ「ッ!?」
みつれは男を逃がしてしまった。
しお「みつれさん!?どうしたの!?」
みつ「・・・誰かに襲われた。しおん、今の防犯カメラに映ってるはずだ。確認してくれ。私は一度戻る。」
しお「わ、わかった!!」
みつれを襲った男は一体何者なのだろうか。。。
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