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〜第4章〜
119.『行方不明』
しおりを挟むユウゼンとのサシの勝負に敗れたみつれ。
みつれはその場に倒れていた。
スマホにしおんからの着信が何通も来ている。
しお「おかしいな……みつれさんが電話に出ない……」
ゆう日が暮れようとする時間。
しおんは一向に電話に出ないみつれを心配していた。
カエ「なにかあったんですかね…」
しおんはみつれのスマホのGPSの位置を確認した。
しお「・・・廃ビルから動いてないな……。カエデちゃん、もうすぐ暗くなるけど1人で家に帰れる?僕はちょっと送っていけないけど…」
カエ「大丈夫です!1人で帰れます。」
しお「じゃあこれでタクシーで帰ってくれる?みつれさんと連絡取れたら必ず連絡するから。」
しおんはカエデにタクシー代を渡した。
カエ「あ、ありがとうございます。ではまた…」
カエデは帰宅することにした。
しお「・・・みつれさん…なにかあったのかな……」
しおんは再びみつれに電話を掛ける。
みつ「・・・・・・うっ………」
みつれは目を覚ました。
スマホが鳴っているのに気が付き、電話に出る。
しお「みつれさん!!やっと出た!!」
しおんの慌てた声が聞こえる。
みつ「し……おん……すまない……」
しお「なにかあったのみつれさん!?」
みつ「ユ……ユウゼンに……やられた……」
しお「なんだって!?父さんに!?」
しおんは驚いた。
まさかユウゼンが戻ってるとは思ってもいなかった。
みつ「わ、悪いが……リンを……呼んでくれ……私はいま…動けない…」
しお「わかった!!すぐに向かってもらう!!」
しおんは一度電話を切り、リンに電話を掛ける。
しお「リンさん!大変です!今すぐ廃ビルに行ってくれませんか!?」
リン「ちょっ!?どうしたのしおん君!?」
しお「みつれさんが……ッ!!」
リン「ッ!?すぐに行く!!!」
リンはなにがあったのか聞かずに電話を切って駆け付ける。
しおんは再びみつれに電話を掛ける。
しお「みつれさん!リンさんがそっちに向かってくれてるよ!」
みつ「ありがと…しおん……グッ……すまない。」
みつれはなんとか身体を起こし、瓦礫にもたれかかる。
しお「なにがあったの!?なんで父さんが!?」
みつ「・・・アルバムを…取りに来たそうだ……」
しお「アルバム?」
みつ「お前の…家族のアルバムだ……。ユウゼンはそれを取りに来たと…言ってた…」
しお「父さんが!?なんでそんなものを…」
しおんは驚きを隠せなかった。
みつ「わからないが…わざわざ取りに戻るほど……大事なモノなんだろ………」
しお「…ッ!どういうつもりなんだ……父さん……」
しおんは戸惑った。
自ら家族を捨てた父親が家族のアルバムを持っている。
わざわざ取りに戻るほど大切にしていることに。
しお「・・・父さんはなにか言ってた?」
みつ「いや…ハナさんの居場所もシロサキの居場所も言わなかった……まぁ当然だよな……」
みつれはフッと笑った。
みつ「けどヤツの反応をみてわかった…ハナさんは…シロサキに拉致されている。」
しお「・・・やっぱりそうなんだね…。なんとかして助けないと!」
みつ「あぁ…そうだな。調べておいてくれるか…しおん。」
しお「わかった!」
みつ「私はリンが来るまで少し休む…また連絡する……」
みつれは電話を切った。
しばらくするとリンが車に乗ってやって来た。
リン「みっちゃん!!!」
リンはボロボロのみつれを見つける。
みつ「リン……すまないな…来てもらって……」
リン「大丈夫みっちゃん!?なにがあったの!?」
みつれはリンにユウゼンにやられたと説明した。
リン「ユウゼンが!?」
みつ「あぁ。すまない。」
リンはみつれをおぶり車に乗せた。
リン「・・・とりあえず戻ろう。」
リンは車を走らせ、廃ビル跡地を後にした。
リンはみつれを連れて自宅に帰る。
リン「大丈夫みっちゃん?つかまって。」
リンはみつれに肩を貸す。
みつ「すまないな…リン。」
リンはみつれをソファに座らせる。
リン「ちょっと待ってて!」
リンは救急箱を取りに急いだ。
リン「とりあえず水飲んで。」
リンは水の入ったコップを渡す。
みつ「ありがとう。」
みつれは水を飲み干す。
リンはみつれを手当てしていく。
手当てされている最中でみつれはリンにハナのことを話した。
みつ「・・・リン。やっぱりハナさんはシロサキに拉致されたようだ…。」
リン「・・・やっぱりか……どうしよ…もしかして殺されてるんじゃ…ッ!?」
みつ「・・・可能性はある……。今しおんに情報を集めさせている。」
リン「ハナちゃん……はっ!まさか…」
リンは青ざめた。
リンは以前シロサキに拉致された時に言われた言葉を思い出した。
『地下に送り込んで男達を悦ばせて稼がせるか』
リン「もしかしてハナちゃん……慰みものにされてるんじゃ……」
みつ「・・・無い話では無い……」
リンは泣き出す。
リン「どうしよ…早く助けないと……」
みつ「もちろん全力で助ける。しおんの情報を待とう。」
みつれはリンを抱き締めた。
ハナ「ん………ここは……」
ハナは目を覚ます。
薄暗い部屋で身体は拘束されていた。
?「やっと起きたね。刑事さん。」
ハナ「ッ!?誰や!?」
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