114 / 190
〜第4章〜
110.『息子vs父親』
しおりを挟むしおんは車の中で作戦を3人に話した。
みつ「お前がユウゼンと!?…大丈夫なのか?」
しお「大丈夫とは言えないかもしれない。だからみつれさん達は近くに潜んでて欲しい。父さんが妙な動きしたらその時はリンさん、迷わず撃ってください。」
リン「・・・わかったよ。」
ハナ「それでほんま上手くいくんやろか?」
しお「分かりません。けどこれが1番父さんを無力化出来る方法だと思う…。」
しおんの作戦に皆賛成することにした。
リン「もうすぐ着くよ……準備はいい?」
しお「・・・よし。行こう。」
リンは廃ビルから少し離れた場所に車を停めた。
みつれとリンとハナは散らばって廃ビルに侵入する。
しおんはユウゼンに電話を掛けた。
ユウ「しおんか。」
しお「父さん……今そっちに着いた。何処にいる?」
ユウ「地下だ。待ってるぞ。」
ユウゼンは電話を切った。
しお「・・・じゃあみんな、お願いします。」
みつれとリンとハナはしおんに指示された配置につく。
しおんは一人、地下のドアを開けた。
部屋にはユウゼンが座っていた。
ユウ「よく来たな。」
しお「父さん……」
息子と父親が再び再会する。
ユウ「立ち話もなんだ。座れ。」
しおんはソファに座った。
ユウ「で、USBは?」
しおんはポケットからUSBを取り出した。
ユウ「それを渡しなさい。」
しお「父さん……僕さ、今日夢を見たんだよ。」
ユウ「夢?」
しお「父さんは昔家族で遊園地に行った日のこと覚えてる?」
しおんは昔の話をした。
ユウ「・・・覚えてるよ。お前が初めてジェットコースターに乗れた日だ。…それがどうした?」
しお「父さんはあの時、どんな気持ちだったの?いずれこうなるって分かってたの?」
ユウ「・・・USBを渡せ。」
しお「ちゃんと答えて。」
ユウ「USBを!渡せ!!!」
ユウゼンはテーブルを叩いた。
しお「・・・ハッカーは冷静さが大切だ…昔、父さんから教えてもらった。」
ユウ「・・・あぁ、言った覚えがあるな。…ふっ、お前のその冷静さは母さん譲りだな。」
ユウゼンは仕切り直そうと姿勢を正した。
ユウ「しおん、これ以上関わるな。これ以上邪魔するならお前を殺すことになる。」
ユウゼンはしおんに警告した。
しお「ふざけるな……僕は父さんを止める。アンタが捨てた母さんの分までぶん殴る!!」
しおんはUSBをポケットにしまった。
ユウ「ふっ、そういう熱くなるところは俺に似てるな。」
しお「アンタ譲りだよ。…ユウゼン。」
しおんはユウゼンの名を言った。
ユウ「・・・結構だ。」
ユウゼンは立ち上がった。
するとテーブルをしおんのほうに蹴り上げた。
しおんは素早く避け、部屋を出ようとする。
ユウ「どうした!殴るんじゃないのか!?」
しお「アンタは僕を追わなきゃいけない。これを奪うまではね。」
しおんはUSBが入ったポケットをポンポンと叩く。
ユウゼンはしおんを追いかける。
しおんは階段を上り、1階2階へと上がっていく。
ユウ「どうする気だ…」
ユウゼンはしおんの後を追う。
しお「はぁ…はぁ…うっ……」
痛み止めでも抑えれない程の痛み。
しお「よ…よつばさん…よくあれで動けてたな……」
改めてよつばの丈夫さを実感したしおん。
しおんは痛みに耐えながら階段を走る。
3階に到達したしおんは部屋に入る。
ユウゼンも後をおった。
ユウゼンが部屋にはいろうとした時、銃声が鳴る。
ハナがユウゼンに発砲した。
弾はユウゼンの脚に当たった。
ユウ「グッ!?やはりな…」
ユウゼンは振り返り、ハナを睨んだ。
ハナ「動くなや!次は心臓狙うで!!」
ユウ「やってみろ!!!」
ユウゼンはハナに襲いかかる。
ハナはユウゼンを殺さないように腹部を撃った。
弾はユウゼンの腹部に当たったが手応えがない。
ハナ「ッ!?」
ユウ「オラァ!!」
ユウゼンは怒号を上げ、ハナに襲いかかった。
ユウゼンの重い拳をハナは受け止める。
ハナ「グッ!!…なるほど…強いわ……」
ユウゼンはハナに蹴りを入れる。
ハナは危険を感じ、距離をとった。
ハナ「そらあの3人が苦戦するわけやな。ええで。ウチが相手や。」
ハナは構えた。
ユウ「邪魔をするな!!!」
ユウゼンとハナが激突する。
しおんはその隙に3階の部屋の窓から降り、ユウゼンの部屋に向かう。
ハナは時間稼ぎ要員だった。
しおんは最初からユウゼンに勝てないと分かっていた。
ユウゼンが足止めを食らっている間にしおんはユウゼンのPCをハッキングする。
そしてデータを盗み出し、事件をくい止める。
それがしおんの作戦だった。
ユウゼンもまさか3階からしおんが降りているとは思うわけもない。
しおんはユウゼンの部屋に戻って来てPCを起動した。
持ってきたポータブルデバイスを差し込み、データを全てバックアップする。
しお「はぁ…はぁ…はぁ………」
しおんは痛みに耐えながら作業を進める。
しお「急がないと……ッ!」
しおんはキーボードを打ち込んだ。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる