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〜第4章〜
105.『動画』
しおりを挟むユウゼンから撤退した3人は車に乗りこみ、リンは出来るだけユウゼンから距離を離し、路肩に車を止めた。
リン「はぁ…はぁ……みっちゃん、しおん君は?」
みつ「ダメだ。完全に気を失っている。」
3人は満身創痍だった。
リン「あいつ…強過ぎでしょ……まさか返り討ちにあうなんて……」
みつ「正直…ハッカーだと思って侮っていたな……」
リン「とりあえず病院行こう」
リンは再び車を走らせ病院へ向かった。
みつれは左腕骨折。
リンは複数打撲。
しおんは複数打撲、右手骨折、頭部外傷。
しおんは入院となった。
リン「しおん君…入院になっちゃったね…。」
みつ「あぁ…容赦無かったからな。自分の息子を殴るのになんの躊躇も無かった。」
リンとみつれは病院を出た。
リン「みっちゃんも骨折しちゃったもんね…」
みつ「私は大した事ない。問題はしおんだ。圧倒的な力の差を見せつけられたんだ…しおんが心配だ。」
リン「・・・そうだね…」
するとリンのスマホに着信がはいった。
リン「カエデちゃん?…もしもし。」
カエ「リンさん!ネット見ました!?」
カエデは慌てた様子だった。
リン「ネット?ごめんまだ見れてないけど…どうしたの?」
カエ「今見てください!ケイ君のお父さんが……」
リン「ちょっと待ってね!…みっちゃん!ネット見て!!」
みつ「ん?わかった。」
みつれはスマホでネットをみた。
みつ「なん……だと……」
みつれはリンにSNSのトレンド欄をみせた。
【防衛大臣 脅迫動画】
【人質動画】
【テロ】
【総理邸】
リン「なに…これ…」
2人はネットで話題になっている動画を再生する。
そこには防衛大臣の息子が椅子に縛られていた。
そこに覆面を被った人物が現れる。
?「防衛大臣に告ぐ。我々が送ったメッセージは確認していただけたかな。我々は防衛大臣の親族の身柄を確保している。貴様の息子の命は貴様の決断で決まることになる。決断を急いだ方がいい。」
ボイスチェンジャーを使った覆面の人物が人質の顔に袋を被せる。
人質は呼吸が出来なくなり、もがいている様子が映されている。
そこで動画は終わった。
リン「なんてことを……」
みつ「どうやらゆっくりしてられないな。ネットにはフェイク動画とか言われているが恐らく本物だろう。」
リン「もしもし、カエデちゃん。確認したよ。」
カエ「どうしよう……リンさん……」
カエデは泣きながらリンに聞いた。
リン「とりあえず今は捜査するしかない。また連絡するよ。…ごめんね。」
リンは電話を切った。
リン「まずはこの動画の出処を掴まないと。」
みつ「恐らくユウゼンがガードしてるだろう。しおんでも歯が立たなかったんだ。多分出処を見つけるのは無理だろう。」
リン「クソ……全部後手にまわってしまってる…」
するとまたリンのスマホが鳴った。
リン「もしもし。…はい。今見ました。……すぐ戻ります。」
リンは電話を切る。
みつ「呼び出しだな?」
リン「そう。悪いけど私行くよ。みっちゃんは今日は事務所戻る?」
みつ「あぁ、どのみち動きようがないしな。」
みつれは骨折した腕を上げる。
リン「そうだね…。ここからなら私の家のほうが近いから私の家で休んでて。」
みつ「ありがとう。そうさせて貰うよ。」
リンは車に乗りこみ、署へと向かった。
みつれはひとまずリンの家に移動した。。。
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