『ブラックボックス』

〜第4章〜

103.『3対1』

 

しおんとみつれとリンは一斉にユウゼンに襲い掛かる。

ユウゼンは左からくるリンを一度受け流し、みつれの方にリンを向ける。

みつ「ッ！？」

みつれは少し動きをとめた瞬間をユウゼンは見逃さず、リンをみつれの方へ蹴りあげる。

リン「ぐっ！」

リンとみつれは接触し、みつれなナイフがリンに刺さらないように手前に引く。

ユウゼンはそこでしかけようとするが右からしおんが来た。

拳を打ってもユウゼンは全て受け流し、しおんの腹に1発拳を入れた。

しお「ぐふっ…」

ユウゼンは怯むしおんの襟を掴み、投げ飛ばした。

その隙にみつれはユウゼンの懐まで踏みこむ。

ナイフで攻撃しようとするが、足で抑えられる。

みつ「ッ！？」

みつれの押す力を一瞬利用してユウゼンは飛び、みつれの頭に蹴りをいれる。

みつれはその蹴りをもう片方の腕でガードしたが、ユウゼンの蹴りが強過ぎて片腕だけではガードしきれなかった。

みつ「ぐぅ！？」

みつれはよろける。

ユウゼンは容赦なくみつれの顔を殴り飛ばす。

リン「みっちゃん！！」

リンは倒れているみつれを起こす。

ユウ「よそ見してる場合か？」

ユウゼンはリンの頭に蹴りをいれようとするが、横からしおんが飛び出してきてユウゼンの蹴りをとめる。

ユウ「ほう…」

ユウゼンは容赦なくしおんに殴り掛かる。

しおんはそれを受け止めるが力が違い過ぎた。

しお「ぐッ！！？…うぉおおお！！！」

しおんは反撃をしようとする。

ユウ「おっ、やるな…」

しおんは拳をユウゼンに打ち込んでいく。


リン「みっちゃん！大丈夫！？」

みつ「多分腕の骨折れたかな…」

みつれは蹴りをガードした腕をおさえていた。

リン「待ってて！」

リンもしおんに加勢しにいく。

ユウ「二人同時は面倒だな。」

ユウゼンはしおんの拳を拳で打ち返した。

しお「ぐぅ！！」

しおんは怯んだ。

あまりの激痛に目を閉じてしまったしおんをユウゼンは見逃さなかった。

ユウゼンはしおんの頭を掴み、床に叩きつけた。

しお「ガッ！！！」

リン「しおん君！？…この！！」

リンはユウゼンをとめようとする。
しかしユウゼンはそれを読んでいた。

ユウゼンはカウンターでリンの腹部を殴る。

リン「ぐッ！！」

ユウ「知っているぞ。刑事さん、スイさんにここ撃たれたんだろ？」

リン「ぐぅ……このぉ！！」

リンはなんとか耐え、反撃しようとする。

ユウ「刑事さん、しおんと型が同じだな。」

ユウゼンはリンの攻め方を見切っていた。

リン「くっ…」

リンはユウゼンと距離を取った。

リン「((どうしたらいいの…ッ！？))」

するとしおんが立ち上がりユウゼンに突っ込んで行った。

しお「うぉおおおおお！！！！」

しおんはユウゼンに掴みかかる。

だが容赦なく息子を殴るユウゼン。

ユウ「しおん……」

ユウゼンはボロボロになったしおんの胸ぐらを掴む。

ユウ「絶対に越えられない壁を教えてやる。」


ユウゼンは顔を強く殴りつけた。


しおんは吹き飛ばされ、倒れてしまった。

リン「((ダメだ…一旦引くしか……))」

ユウゼンはリンをみつめる。

ユウ「逃げるなら今のうちですよ刑事さん。」

リン「・・・クソ！」

リンはしおんを担いだ。

リン「みっちゃん！一旦引くよ！！」

みつ「くっ……」

3人はユウゼンから逃げるように撤退した。


ユウ「・・・」


あまりにも強過ぎたユウゼンに3人は撤退を余儀なくされた。。。