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〜第4章〜
101.『ハッカーの居場所』
しおりを挟むリンの行きつけのbarのマスター。
実はそのマスターはリンの影の協力者だった。
リン「マスターはね…私の協力者なんだよ。」
みつ「どういうことだ?」
リン「実は私が今まで犯罪者の情報をみっちゃん達に流していた元ネタはマスターからなんだよ。もちろん警察情報からもあるけど。」
リンはみつれとしおんに犯罪者の情報源を暴露した。
しお「・・・いったい何者なんです?」
オキ「ただのしがないbarの経営者ですよ。…おや、砂糖を忘れてきました。取ってきます。」
オキは砂糖を取りに部屋を出た。
リン「マスターはああ見えて裏社会には詳しいんだよ。情報屋みたいなもんだね。」
みつ「情報屋………」
するとオキが砂糖を持って戻ってきた。
オキ「失礼しました。それで…なんでしたっけ?」
ピラミッド型に積まれた角砂糖をテーブルの中心に置いたオキは席に座った。
リン「防衛大臣の親族誘拐の件だよ。」
オキ「あぁ、そうだったね。…その件だけど、あまりいい情報は無いんだよリンさん。」
リンはそっと封筒をテーブルに置いた。
リン「わかってる範囲でいいの。教えて。」
オキ「・・・この事件には組織の中央人物が大きく関わっている。それと優秀なハッカーがいるね。」
3人はすぐに優秀なハッカーがしおんの父親、ユウゼンだと思った。
オキ「そう。あなた方が思い浮かんでいる人物、テロリストのユウゼンですよ。それと中央人物は恐らく大幹部のリカだ。」
オキがここまで知っていることに驚きを隠せないみつれとしおん。
オキは話を続けた。
オキ「とにかくこの事件はまだ情報が少な過ぎる。優秀なハッカーが情報をブロックしていて有益な情報はまだ得られていない。けど潜伏場所はわかった。」
みつ「どこですか?」
オキ「市外の廃ビルです。そこにハッカーのユウゼンがいます。それ以上の情報は無い。」
オキはユウゼンの潜伏場所の住所が書かれたメモをテーブルに置いた。
みつ「いったいどこでその情報を……」
オキ「それは企業秘密です。」
オキは微笑んだ。
しお「それで充分です。僕にとっては超有益情報です。」
しおんはそのメモを受け取ろうとするがみつれが手を止めた。
みつ「待てしおん。早まるな。」
リン「そうだよしおん君。まだ居場所以外なにもわからないんだよ?安易に突っ込むのは危険過ぎる。」
みつれもリンもしおんがすぐにそこに向かうことに勘づいていた。
しお「でも!!!」
しおんは感情的になっていた。
オキ「そこに護衛は居ない。ユウゼンだけの城です。…失礼ですが、しおん君はユウゼンとなにか因縁があるんですか?」
オキはしおんの様子を見て3人に質問した。
みつ「・・・ユウゼンはこいつの父親なんです。」
オキ「なんと…そうでしたか。」
しお「・・・母さんを捨てた父さんを…僕は絶対許さない!!!」
しおんは立ち上がってメモを取っていく。
みつ「待てしおん!誰もいかないとは言ってないだろ。」
みつれがゆっくり立ち上がる。
みつ「どのみちこれ以上の有益な情報は無いんだ、行くしかないだろ。お前の気持ちは分かるが少し落ち着け。」
リン「そうだね。まず作戦を考えよう。」
しおんは再び席につく。
オキ「ちなみにこの廃ビルの見取り図です。これを見るに多分地下にいるかと。」
オキは廃ビルの見取り図をテーブルにひろげた。
3人は見取り図を見つめる。
リン「なるほど…。とりあえず近くまで下見行く?」
みつ「そうだな。行こう。」
リン「マスター!ありがと!!また事がすんだら飲みに来るね!!」
オキ「まってるよ。気をつけてね。」
3人は店を出て廃ビルへ向かった。。。
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