『ブラックボックス』

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〜第3章〜

83.『〜裏切りの逃亡者編〜追手』

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スイに撃たれたシロサキは意識を取り戻した。

シロ「グッ………。やられた……。」
シロサキは辺りを見渡すがスイの姿も車も無かった。

シロサキはすぐにリカに電話をかける。

シロ「・・・すみません。スイさんに撃たれて逃げられました…。」

 リカ「・・・あとはこっちで処理する。ご苦労。」

シロ「ま、待ってください!スイさんは…アイツは私に殺らせてください!そうじゃないと私の気が済みません!!」

リカ「・・・ならお前に任せる。失敗は許さない。いいな?」

シロ「ありがとうございます!!」
シロサキは電話を切り、ユウゼンに電話をかけた。

ユウ「もしもし。」

シロ「ユウゼン!私のもうひとつの携帯の位置情報を調べて!!あと私の位置情報も調べて車を寄越して!!」

ユウ「・・・お急ぎのようですね。わかりました。先に車を向かわせます。なにがあったんです?」

シロ「裏切りだ……スイが裏切って逃走した!スイに撃たれたんだよ!!」

ユウ「なるほど。なら救急キットも持たせます。少し待っててください。」
緊急事態を察知したユウゼンは手際よく車を手配した。

ユウ「その場所なら10分もしないうちに到着します。」

シロ「くっ…なるはやで頼む。」
シロサキは出血箇所をおさえた。

ユウ「シロサキさんのもうひとつの携帯の位置情報がわかりました。隣町の立体駐車場に止まっています。」

シロ「立体駐車場?…なんでそんなところに?携帯を捨てられたのか?」

ユウ「待ってください。今防犯カメラの映像をハッキングしてます。……居た。立体駐車場の屋上にいます。……ピンク髪の女と…息子も居る…。」
ユウゼンは映像を観てしおんもいることを知った。

シロ「どういうことだ!?お前の息子と結託してるのか?」

ユウ「・・・そんな感じではなさそうですね。恐らく息子は『犬』を取り返すつもりだ。」

シロ「全員殺してやる!悪く思うなよユウゼン!」

ユウ「・・・」

シロ「しばらく監視してろ!私も車でそこに向かう!いいか!これはリカさんの指示だ!」

ユウ「・・・わかりました。監視を続けます。」

5分程すると迎えの車がやってきた。


「お待たせしました!乗ってください!」
ワゴン車から男が出てきてシロサキに手を貸した。
シロ「くそ……。」

シロサキはワゴン車に乗り込んだ。

シロ「ユウゼン!立体駐車場の位置情報を車のナビに転送しろ!」

ユウ「もうやってますよ。そこに向かうようにも指示を出しました。」

シロ「グッ……飛ばせ!!絶対逃がすな!!」
シロサキは運転手の男に言い放った。

移動中にシロサキは傷の手当てを受ける。

シロ「絶対逃がさない!必ず殺す!!」

シロサキを乗せたワゴン車は立体駐車場に走り出した。


「弾は貫通してます。処置しますので動かないでください!」

シロ「うぐっ!!…くそ!痛いじゃないか!」
シロサキは処置をしている男にキレる。

「銃で撃たれてるからそりゃ痛いですよ。じっとしてください。」

シロ「うぅぅ!!…絶対許さないッ!!あの女ぁ…ッ!!ぶっ殺す!!簡単には死なせない!粉々にしてやる!!」
シロサキはスイへの怒りで痛みにたえる。

「あと10分程で到着します!」
運転手の男がシロサキに告げた。

シロ「立体駐車場へは入るな!!近くで止まれ!……ユウゼン!聞こえる!?」

ユウ「聞こえてますよ。」

シロ「今どんな状況だ!?」

ユウ「スイさんとピンク髪の女が殴り合いしてますね。車には息子が近づいてます。」
ユウゼンは今の状況を説明した。

シロ「車に乗る気配はなさそうだな。まぁいい。」

ユウ「どうする気です?シロサキ。」

シロ「万が一のことを考えて車に爆弾を仕込んである。爆破のスイッチは今私が持ってる。それで皆殺しにする!」

ユウ「・・・なるほど。」

シロ「もし生き残ったとしても私がトドメをさしにいく!お前はしっかり監視を続けろユウゼン!」

ユウ「わかりました。…今『犬』が車から降りました。スイさんと抱き合ってますね。でもピンク髪の女に銃をむけられています。」

シロ「銃?そのピンク髪の女は何者!?」

ユウ「多分スイさんの銃を奪ったんでしょう。」

シロ「どうせ殺すけど、そのピンク髪の女も調べておいて!!」

ユウ「わかりました。」


到着までもうすぐ。

シロサキは銃に弾をこめた。。。
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