『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
上 下
85 / 190
〜第3章〜

82.『〜裏切りの逃亡者編〜記憶』

しおりを挟む


よつばたちの追跡に気付き、立体駐車場へと入っていくスイ。

2人はスイを追いかけ、どんどん上のほうに上がっていく。
よつばとしおんはスイを追い込んだ。



スイ「くっ…屋上か!!」
スイは屋上まで上りついた。

よつばたちも屋上に到着する。


スイは窓からよつばたちに発砲した。

よつばは銃弾を避けて柱の陰に隠れる。


しお「よつばさん、これをあの車の下に投げれる?」
しおんはよつばに黒い機械を渡した。

よつ「これは?」

しお「自作の電磁パルス発生装置です。これを車の下に入れれば車のコンピュータはショートして動かなくなる!」

よつ「天才だね。惚れそうだよ。やってみるよ!」
よつばはタイミングを見計らって車の下に投げた。


車の下に入った瞬間、車のコンピュータがショートした。


スイ「ッ!?なんだ!?車が!」
スイの車は機能を停止した。

なにか攻撃されたとわかったスイは車を降りた。

スイはよつばに向かって発砲する。

よつばはすぐに柱に隠れ、銃弾を避けた。


スイ「チッ!ちょこまかと!」

スイがよつばに気を取られてるうちにしおんはみつれに近づく。


それに気づいたスイは振り返り、しおんに銃を向けるがよつばはそのタイミングを見計らっていた。

一瞬でスイに近づいて銃をはじき落とした。

スイ「くっ!…ガキどもが!!!」
スイはよつばの腕を掴んでよつばの体勢を崩した。
そこに膝蹴りを入れるがよつばはもう片方の手で受け流す。

スイ「ッ!?」


両者一度間合いをとる。


よつ「殴り合いなら自信あるよ。」

スイ「今お前に構ってる暇は無いんだよ!」

2人はスイが落とした銃を見る。

スイとよつばは落とした銃を拾おうと駆けだした。
先に手が届きそうだったのはスイだが、よつばはそれを阻止しようとサバイバルナイフを投げた。
ナイフは銃を弾き、よつばはスイに飛びついた。

取っ組み合いになり最初にマウントをとったのはよつばだった。

よつばはスイの顔を殴りつける。
スイは抵抗しよつばの横腹を殴る。

殴り合いをしてる一方でしおんはみつれの乗る車まで近づいた。

しお「ロックされてる…開かない。」
しおんは窓をトントンと叩く。

みつ「ッ!?」
みつれはビクッと驚いた。

しお「みつれさん!開けてください!」

みつれは首を横に振る。

みつ「だ…だれ?」

しお「僕だ!しおんだよ!!」

みつ「し…しお…ん?……だ、だれなの?スイ!スイ!!」
みつれはスイを呼び続けた。

しお「((ダメだ。やっぱり記憶が……どうすれば……))」

しおんはみつれに声を掛け続けた。

しお「みつれさん!覚えてない!?僕らがつくった便利屋『カモミール』を!!みつれさんが好きだったバイクを!!」


みつ「・・・わからない!わからないよ!」


しお「あなたはテロで家族を失った!そして軍人になって裏切られたんだ!!」



みつ「・・・テロ……お母…さん…お父さん……」


みつれは頭をおさえだした。

しお「思い出して!!あなたの名前はポチなんかじゃない!!『みつれ』という綺麗な名前なんだ!!!」


みつ「み…つ…れ…………」

みつれはブツブツと言い始めた。

しお「((様子がおかしい…記憶が戻ってきてるのか!?))」


しおんの声に気づいたスイは車をみた。


スイ「ポチッ!?」
スイは一瞬気が逸れてしまった。


よつ「よそ見するな!!おい!!!」
よつばはスイの髪を掴み、地面に叩きつける。

スイ「グッ!!…どけ!!!」
スイはよつばの首に拳を入れた。
よつばは一瞬息が出来なくなり体勢を崩す。

その隙によつばを突き放し、車のほうへ走る。


スイ「ポチッ!!!」

みつ「スイ!!」
みつれはしおんとは反対側のドアを開け、スイに抱きついた。


スイ「ポチ!大丈夫!?」

みつ「うん!」

しおんは車のかげから飛び出してスイを攻撃しようとする。
しかしスイに受け止められる。

スイ「ガキどもが!!!お前ら2人とも殺す!!」

スイはしおんの顔を殴る。

しお「うっ!!」

スイはさらにしおんに殴り掛かろうとするがよつばが声をあげた。

よつ「待て!!それ以上動いたら撃つ!!!」
よつばはスイの銃を拾い、スイに銃口を向ける。


それに気づいたみつれはすかさずスイの前に立った。

よつ「ッ!?…みつれさん…ッ!?」

スイ「ポチッ!?」
  


みつ「やめて!撃たないで!!」


みつれの行動に3人は硬直した。。。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

バレー部入部物語〜それぞれの断髪

S.H.L
青春
バレーボール強豪校に入学した女の子たちの断髪物語

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...