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〜第3章〜
80.『〜裏切りの逃亡者編〜裏切り』
しおりを挟むスイはみつれを連れて隠れ家を出た。
シロ「・・・出てきましたね。」
シロサキは車内でスイとみつれの姿を確認した。
スイとみつれはシロサキの車に近づく。
シロ「乗ってください。」
シロサキは2人を後部座席に乗るように指示する。
みつ「((あれ…この人どこかで…))」
スイ「わかった。」
2人は後部座席に乗った。
スイ「((くそ…防弾ガラスで仕切ってやがる…))」
シロサキの車には前席と後席の間に防弾ガラスを仕切られていた。
シロ「今からリカさんの元に送ります。」
シロサキは車を走らせた。
しばらく移動したが、スイは次の手を考えていた。
スイ「シロサキ、悪いがちょっと止めてくれないか?」
シロ「どうしたんですか?今更怖気付いたんですか?」
スイ「違う。車酔いしたんだ。お前の車は酔う……」
もちろん嘘だった。
シロ「我慢してください。」
スイ「吐きそうなんだよ。お前の車ゲロまみれになってもいいのか?」
シロ「・・・わかりましたよ。」
シロサキは車を停車させる。
スイ「少し外の空気を吸わせてくれ…」
シロ「・・・いいですよ。けどその『犬』は置いてってください。」
シロサキは万が一逃げられるのを防ぐため、みつれを車に残すようにした。
スイ「わかった。…ポチ、ちょっと待ってて。」
スイは口を塞ぎながら車のドアを開けて外に出た。
シロ「・・・はぁ…」
シロサキは溜め息をついた。
スイは車に背を向け、外の空気を吸った。
スイ「((ここからが勝負だ……。失敗は出来ない。))」
スイはまわりの景色を見るふりをしてシロサキのドア窓を確認する。
スイ「((あれも多分防弾ガラスだろうな…。だったら…))」
スイは車の下に視線を向けた。
スイ「シロサキ、車からなにか漏れてるぞ。」
シロ「は?んな訳ないでしょ。この車は点検したばっかですよ。」
シロサキは窓を少し下げてスイに言った。
スイ「アイツのところで点検させたんだろ?私も前にアイツのとこに点検出した翌日にラジエター液が漏れてたよ。」
シロ「・・・」
シロサキは警戒しながら車を出ようとする。
シロサキはドアノブに手をかけてドアを少し開けた次の瞬間、ドアが勢いよく全開に開いた。
シロ「ッ!?」
スイは車を出た時、運転席側のドアの端に透明なワイヤーを貼り付けていた。
それを引っ張ったらドアを全開に開くことが出来た。
不意をつかれたシロサキは体勢を崩した。
シロ「しまっ!?」
その瞬間発砲音が鳴り響く。。。
シロ「ッ!?……スイ……」
スイはシロサキを銃で胸を撃ち抜き、シロサキは倒れ込んだ。
スイ「はぁ…はぁ…はぁ…」
スイは肩で息をする。
みつ「ス、スイ?」
みつれが車から出てきた。
スイ「ポチ!行くよ!!」
スイはシロサキを引きずり出し、運転席に座った。
アクセルを踏み込み、その場から去るように走り去った。
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