『ブラックボックス』

うどん

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〜第3章〜

78.『リカの電話』

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便利屋を調べに組織のハッカー『ユウゼン』の元に会いに行ったシロサキ。

ユウゼンはしおんの父親だった。

ユウゼンはシロサキの指示でみつれを調べていた。



シロ「しかし、モニター以外何も無いね。なんか時間潰すものとか無いの?」
シロサキは退屈そうにしていた。

ユウ「そんなものありませんよ。コーヒーならお出ししますけど。」

シロ「いい。私苦いの苦手なの。」

ユウ「ふっ、そうでしたね。」
ユウゼンは少し笑いながらキーボードを打ち続ける。

シロサキは欠伸しながらユウゼンを待った。
ウトウトし始めた頃、ユウゼンの調べが終わった。

ユウ「分かりましたよ。女の正体。」

シロ「んあ!?……誰なの?」
ハッと目を覚ましたシロサキ。

ユウ「名前は『みつれ』。元軍人でトドロキの下に就いてたみたいですね。トドロキが組織に入った際にスイさんの元に送られてますね。」

シロ「なるほど。スイさんの『犬』だったってことか…。それで?」

ユウ「その後は何者かに救出されたようですね。記録には無いですが、その時にスイさん以外の仲間は皆殺されてます。」

シロ「その時か。話は聞いた事あるな。スイさんだけなんとか生き残ったんだっけ。」

ユウ「その後のみつれは便利屋をやっていて、犯罪者を捕まえて回ってるようですね。……俺の息子と一緒に。」
ユウゼンは少し声のトーンが落ちた。

シロ「だとしたらスイさんとその女は敵同士のはずだよ。なんで一緒に行動している?」

ユウ「この間のスイさんが失敗した件、どうやらそれから行動を共にしてるようですね。」
ユウゼンは街の防犯カメラの映像をシロサキに見せた。

シロ「ほんとだね。車に運んでビルから離れていく。これのせいで6人捕まったのか…。」

シロサキはある仮説をたてた。

『犬』であったみつれと再会して、スイはみつれを再び『犬』に調教した。
それならスイの行動は裏切りでは無い。
スイを始末する必要は無くなる。

シロ「私の考え過ぎだったか…?」

だがそれなら何故組織に隠している?
何故大幹部であるリカに報告しない?

それは、組織を抜けて2人で姿を消すつもりでは無いかとシロサキは考えついた。

ユウ「どうしました?シロサキさん。」

シロ「・・・いや、なんでもない。」
 
ユウ「・・・以上が分かったことです。」

シロ「そうか。ありがとう。」
シロサキは直接スイに確認する事にした。

するとシロサキのスマホに着信が入る。

シロ「ッ!?リカさんからだ。」

シロサキはすぐに電話に出た。

シロ「お疲れ様です。シロサキです。」

リカ「シロサキ。どうだ?その後は。」

シロ「今、ユウゼンの所で調べ物をしてるところです。」

リカ「ほう。なにを調べている?」
電話越しでも伝わるリカの圧。

シロ「スイさんが隠してるものです。スイさんは今、みつれという女と一緒に居ます。」

リカ「みつれ…?スイがみていた『犬』か?」

シロ「ご、ご存知でしたか。」

リカ「その『犬』を調べてどうする?」

シロ「それがですね………」

シロサキはリカにみつれのことを報告した。

リカ「なるほど。どの道、スイにはまたお仕置きをしないといけないな。そのみつれとかいう『犬』と同じ『犬』に戻してやろうか…。」
リカの声のトーンでわかる。
決して冗談ではない。本気だ。

シロ「どうする気なのか本人に一度確認をとるつもりです。また報告致します。」

リカ「その必要は無い。」

シロ「え?」

リカ「私の元に連れてこい。みつれとかいう『犬』も一緒にな。」

シロ「か、かしこまりました。…では、失礼します。」

シロサキは電話を切った。

シロ「・・・おっかないことになったな…」
シロサキは無意識に手が震えていた。

ユウゼンは電話の内容を聴いていた。

ユウ「どうやらただ事では無いらしいですね。」
ユウゼンも事の重大さを感じ取ったようだった。

シロ「スイさん…マジで殺されるかもね…」



ユウ「まぁどういう結末になったかまた教えてくださいよ。」

シロ「わかった。」


シロサキはユウゼンの部屋をあとにした。。。
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