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〜第3章〜
77.『動き出す影』
しおりを挟むスイとみつれが愛し合っているその裏でシロサキは動いていた。
シロ「スイさんは多分あの隠れ家にいるな…さて、どうしたものか…」
スイの裏切り行為に気づき、スイを始末しようと動くシロサキ。
シロサキはスイに売った旧トンネルの隠れ家に潜伏しているとにらんでいた。
シロ「あそこは本当に鍵が無いと入れないしな…。おびき出すしか無いな。」
シロサキはスイに電話をかける。
シロ「・・・出ないな。」
シロサキはスマホをポケットにしまう。
シロ「しかし、なんであの女と一緒にいたんだ?」
シロサキはスイの逃走劇を影から傍観していた。
シロサキもみつれのことは知っている。
名前は知らないが顔は覚えていた。
シロ「あの女は警察側の人間だろう…。確か…便利屋とか言ってたな。」
シロサキはみつれとしおんに身柄を取り押さえられた時のことを思い出していた。
シロ「そういえばあの女…トドロキの写真を持ってたな…。アイツと何か関係がありそうだな。調べてみるか。」
シロサキはどこかに電話をかけた。
シロ「・・・もしもし。調べて欲しい事があるんだけど。…ええ。…今からそっちに行く。」
シロサキは電話を切り、電話相手の元にむかった。
到着した先は市外の廃ビルの地下の一室だった。
廃ビルの建物内は古びて小汚かったが、地下の一室はかなり綺麗な部屋だった。
そこには複数のモニターの前に座る男がいた。
シロ「来たよ。会うのは久しぶりだね。」
?「全国指名手配犯のアナタがわざわざ会いに来るなんて光栄ですね。いったいなんの用です?」
男は振り返り、シロサキを歓迎した。
シロ「私がショッピングモールで捕まった時の便利屋を調べたい。出来る?」
?「お易い御用ですよ。」
男はカタカタとキーボードを打ち込んでいく。
シロ「しかし、廃ビルなのにやたら綺麗だねこの部屋は…。」
?「綺麗好きなものでね。埃っぽいのは耐えられない。」
男は笑いながらキーボードを打っていく。
?「出ました。当時のショッピングモールの防犯カメラの映像です。……ッ!?」
男は驚いた表情をした。
シロ「どうした?」
?「・・・映像に映ってるアナタを追いかけているこの2人がその便利屋ですか?」
男はシロサキに映像を見せた。
シロ「間違いない。この2人を調べて欲しい。」
?「・・・」
男の様子がおかしいことに気づいたシロサキ。
シロ「どうした?」
?「この金髪の男……俺の息子だ………」
シロ「なんだって!?」
?「間違いない!俺の息子だ……。なんで……」
男は動揺していた。
シロ「・・・家族を捨てたアンタがこんなカタチで関わってくるとは、とんだ運命のイタズラだね。…そう思わない?ユウゼン。」
シロサキは男の名前を口にした。
男の名前は『ユウゼン』。
しおんの父親の名だ。
ユウ「・・・息子を調べてどうする気ですか?」
シロ「場合によっては……殺すことになる。けど私がよく知りたいのはもう1人の女の方だよ。」
シロサキはモニターに映るみつれを指さした。
シロ「昨日、幹部のスイさんがその女を連れて警察から逃げていた。私はその女を知りたい。それにその女はトドロキの写真を持っていた。アイツとも関係があるだろう。」
ユウ「スイさんが?・・・分かりました。調べてみます。ちょっと時間をください。」
ユウゼンは再びキーボードを打ち込み始めた。
シロ「いいよ。この綺麗な部屋でくつろがせてもらうさ。」
シロサキは上着を脱ぎ、ソファに腰を下ろした。。。
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