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〜第3章〜
74.『〜しおんの過去編〜カモミール結成』
しおりを挟むようやく顔を合わせれたしおんとみつれ。
2人は祖父が用意した事務所に到着する。
しお「ここがじいちゃんが用意した事務所…。ここで父さんを捜す……」
みつ「・・・お爺さんから聞いたが、しおん君の父親はテロリストになったそうだな。」
しお「はい…。僕と母さんを捨てて…。母さんを悲しませたことが何より許せないんです…ッ!」
しおんは拳をぎゅっと握る。
みつ「・・・私もテロ組織に家族を奪われた。経緯は違えど、私たちはテロ組織を追うという共通の目的を持っている。君とはいいパートナーになれそうだ。」
みつれはしおんに握手を求めた。
しおんはその握手に応じた。
しお「僕、ずっと考えてたんです。これからどうするか…。」
みつ「私も考えていた。…私から言っていいか?」
しおんは頷いた。
みつ「君のお爺さんが言ったように、便利屋はどうだろうか?私の知り合いに警察の人間がいる。そいつから犯罪者の情報を貰う。そうすればいずれテロ組織と接触出来るんじゃないかと思っているんだが…。」
しお「めちゃいいと思います!そうしましょう!」
しおんはみつれの案に賛成した。
みつ「じゃあそうしよう。そいつにはまた連絡してみる。」
しお「じゃあ名前決めましょう!」
みつ「名前?」
みつれは首を傾げた。
しお「一応店ですからね。名前付けないと!」
みつ「・・・それはしおん君に任せるよ。」
しお「実はもう決めました!『カモミール』はどうですか!?」
みつ「カモ……ミール?」
しお「みつれさんに会ってピンと来たんです!カモミールは花言葉の中に『苦難の中の力』って言葉があるんです。なんかみつれさんってそういう力があるんだなぁって思ったんです。」
みつ「私にそんな力は無いよ。…でもありがとう。」
みつれは少し照れていた。
しお「じゃあ決定です!便利屋『カモミール』結成ですね!」
しおんは少し楽しそうだった。
しお「これから頑張りましょう!みつれさん!」
みつ「そうだな。それと、私に敬語使わなくていい。名前も呼び捨てでいい。私はしおん君と対等でいたい。」
しお「わかりました。じゃあ僕も呼び捨てで呼んでください。改めてこれから頑張ろうね!みつれさん。」
みつ「・・・まぁいいか。よろしくな。しおん。」
2人はニッと笑った。
便利屋『カモミール』はこうして結成された。
そして、しおんは家族を捨ててテロリストになった父親を捜す為。
みつれはテロ組織と裏切ったトドロキに復讐する為。
それぞれの目的を持って協力しあい、今に至る。
しおん 「・・・ということなんだよ。」
しおんはよつばに自分の過去を語った。
よつ「そうだったんだね。そんな過去があったんだね…」
しお「まぁ仕事は全部リンさんからしか無かったけどね。テロ組織に近づけたのは本当に最近の話。それにリンさん以外の依頼はよつばさんが初めてだよ。」
しおんは少し照れくさそうに言った。
よつ「リンさん以外の依頼もアンタの『初めて』もワタシだったってことかぁ…」
よつばはしおんにキスをした。
よつ「教えてくれてありがとッ。」
しお「ず、ずるいよ…///そんなの……」
しおんは顔を赤らめた。
2人の手が触れ合い、見つめ合うしおんとよつば。
その時、事務所のインターホンが鳴った。
よつ「あっ。バイク来たんじゃない?」
しお「・・・多分そうだね。」
いい雰囲気だったのにレッカーに邪魔されてヘコむしおん。
肩を落としながらバイクを受け取りに出た。。。
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