『ブラックボックス』

うどん

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〜第3章〜

71.『〜しおんの過去編〜父親』

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しおんとよつばは昼食を食べていた。

先ほどのトイレのせいで2人は気まずいままだ。

しお「・・・よ、よつばさん。これからはトイレの鍵は掛けてください。お願いします。」

よつ「・・・そうする。またエロガキに見られるし。」

しお「・・・エロガキじゃあない。」

2人は食事を終える。


しお「めちゃ美味しかったよ!よつばさん意外と料理得意なんですね!」

よつ「意外とってどういうことだよ?」

しお「あ…いや……」

よつ「それより、なんか情報は掴んだのか?」

しお「それが…『ナムラ組』を調べても有益な情報は出なさそうなんだ。」

しおんはよつばに『ナムラ組』について説明した。

よつ「なるほど。それなら当時の資料とかは残って無さそうだな。」

しお「今は『ネクストクリエイティブ』っていう大きな会社になってるし過去の汚点は何もかも消してるだろうね。」

よつ「なら自分たちの脚で探すしか無さそうだな」

よつばは席をたち、食器を片付ける。

しお「それよりバイクを直さないとね。手配はしてるからそろそろレッカーで来ると思うけど…」

よつ「あれは多分乗り換えたほうがいい……弁償する。」
よつばは申し訳無さそうにする。

しお「いいよいいよ。経費でどうにかするから。心配しないで!……それよりよつばさん、身体はもう大丈夫なの?」


よつ「うん。ご主人様が診てくれたし、薬も貰ったから大丈夫。いつでも動けるよ!」

よつばはニコッとしおんに笑みをみせた。

しお「よかった。でも無理はしないでね。」

よつ「ありがとう。じゃあ食器洗ってくるよ。」

よつばは食器を持って台所に向かった。

しお「待って。」
しおんも台所に向かう。

しお「2人でした方が早いでしょ?」

よつ「う、うん…///」

2人は並んで食器を洗った。



ひと息ついた2人はソファに座りながらバイクが来るのを待っていた。

よつ「・・・ねぇ、しおんさん。アンタなんで便利屋なんかやってんの?」
よつばがしおんに質問をした。

しお「どうしたの急に?」

よつ「いや…なんかアンタのこと知りたくなって……」
よつばは少し耳を赤らめて言った。
よつばもしおんのことを意識しだしたのだろうか。


しお「・・・ホントはなんでもよかったんだよ。探偵でもなんでも……。目的が達成出来ればなんでもよかったんだ………」








しおんは少し裕福な家庭に生まれた。
父はIT企業会社の重鎮。
母は病気がちな専業主婦。
祖父はヤクザの組長だったが、いつも優しかった。

しおんはひとりっ子で小さい頃から父のようになりたいとプログラミングにうちこんでいた。

それを嬉しそうに教える父と優しく微笑む母。
そんな幸せそうな家庭が、あることを境に一気に変わった。

しおんが中学2年生の頃、
急に父の羽振りが良くなった。
そして病気がちな母を放置するようになった。

不審に感じたしおんは父のPCにハッキングをかける。

しお「なに…これ……」
そこには父の悪行の痕跡が僅かに残っていた。
父は政府の機密情報等を盗んでいたのだ。



しおんのハッキングに気づいた父は翌日しおんを呼び出した。

父「しおん。お前に話すことがある。」

しお「なに?お父さん。」

父「お前、父さんのPCにハッキングしただろ?…見たんだな?」
しおんのハッキングは父にバレていた。

しおんは少し怯えながらも頷いた。


父「しおん、お前は優秀だな。お前ももうすぐ15歳なんだ。お前には話しておこう。部屋に来なさい。」

父はしおんを書斎に連れ、椅子に座らせた。

そこで父が話をしたことは『この国の在り方』だった。
中学生だったしおんはまだ父の言ってる意味があまり分かっていなかった。


この国は生まれ変わらなければならない。
それは自然には生まれ変わらず、必ず誰かがやらなければならない。
お前や母さんを守るためにも、父さんはその手伝いをしている。

そう父は語った。




数日後、父は家族を捨てた。。。





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