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〜第3章〜
66.『奪還失敗』
しおりを挟むスイの逃走劇から陽は沈み、夜を迎えた。
しおん達はみつれの奪還に失敗しただけでなく、大きなダメージを負った。
リンはスイに右胸と腹部を銃で撃たれて意識不明の重体。
よつばはスイの車との衝突で全身打撲。
とてもスイとみつれを追いかけれる状況ではなくなった。
しおんはよつばと公園のような広場から移動して人目のつかない路地裏にいた。
しおんのスマホが鳴り電話に出る。
しお「もしもし。…はい、そうです。」
電話先は警察からだった。
しお「……えぇ!?………はい。…はい。…わかりました。ありがとうございます。失礼します。」
しおんは電話を切り、よつばの横に腰を下ろした。
よつ「・・・サツから?どうなった?捕まえた?」
しお「・・・リンさんが撃たれたらしい…。意識不明の重体だって…。」
よつ「うそだろ……うっ」
よつばは動こうとするがまだ動けなかった。
しお「じっとしてて!……それで今は集中治療室に運ばれたらしい。みつれさんは……取り逃がしたらしい…。」
よつ「そっか……」
よつばは空を見上げた。
しおんはタブレットを取り出し、みつれの現在地を確認した。
しお「・・・ダメだ…。また消えてる。多分あの旧トンネルに戻ったんだろう…。」
よつ「・・・ごめん。ワタシがあの時事故らず捕まえてたら……」
しお「よつばさんは悪くないよ。そうなってたら撃たれてたのはよつばさんかもしれない…」
よつ「・・・もう一度作戦を練り直そう。諦めたらダメだ。」
しお「もちろん諦めるつもりは無い。けど時間が必要だよ。僕たちは深手を負い過ぎた…。」
しおんはよつばの頭を撫でる。
しお「みつれさんは必ず助ける。けど今は休もう。リンさんの意識が戻るまでは…。」
よつ「・・・わかった…。」
よつばは目を閉じた。
しお「とりあえず事務所に帰ろう。」
よつ「・・・そうだな。」
2人はタクシーに乗り、事務所に戻った。
タクシーに乗って2時間。
2人は無事に事務所まで帰ってきた。
しお「大丈夫?よつばさん?歩ける?」
よつ「だいぶマシになったよ。ありがとう。」
よつばはなんとかひとりでも歩けるようにまで回復したがまだ少し無理があった。
しお「無理しないでね。とりあえずソファーに横になってて。」
よつ「ありがとう。」
よつばがソファーに横になった時、大きい音で『ぐぅー。』とよつばのお腹が鳴った。
よつ「ッ!?///」
しお「ふふふ……」
しおんは突然の緊張感の無い音に笑ってしまった。
よつ「わ、笑ってんじゃねーよ///」
しお「そういえばお昼食べてなかったもんね!そりゃお腹空く……ぶふっ…」
よつ「だから笑ってんじゃねーよ!!///」
おかげで緊張感が解けた2人。
2人は昼に買ってきた冷えた弁当を一緒に食べた。
みつれの奪還に失敗し、深いダメージを負ったしおん一行。
みつれはスイに連れられて旧トンネルへと姿をくらました。
今すぐにでも助けに行きたかったが、
彼らには休息が必要だった。。。
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