『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
上 下
61 / 190
〜第2章〜

59.『〜ポチの鎖編〜現在地』

しおりを挟む
「……太陽十架ラナ・クルセ?」
 いつものように中庭パティオに出て長い鎖につながれた時、中庭パティオ片隅かたすみに、弟は、今までは無かった小さな太陽十架ラナ・クルセを見つけた。

 弟は、その小さな太陽十字ラナ・クルセに、鎖が届くギリギリまで寄って行き、しゃがんで見た。
 藍黒らんこく石に金や銀で象嵌ぞうがんされて造られていた、手のひら程の太陽十架ラナ・クルセは、美しかった。

「すごく綺麗……ーーだけれど」

 これは……でなければ、奥つ城おくつき……。

「リシェ」
「兄さま……」
 兄に腕を取られ立ち上がると、弟は自分から兄の頬に口づけた。それから唇に触れると、直ぐに兄に頭を引き寄せられ、濃厚な口づけを与えられた。
 深く唇を合わせ、何度も舌を絡ませる。それだけで良く調教されている弟の身体は、簡単に火が着いた。

それラナ・クルセが、気になるか?」
「んっ……は……ぁ……」
 背後にまわられた兄に耳をまれ、胸のとがりを……口づけだけで、既にっている乳首を弾かれ、弟はあっという間に陥落かんらくする。

「その太陽十架ラナ・クルセは、兄の罪の刻印しるし
「あ…………や……ぁ、リシェ、の……」
「違う」

 ーーこれは純然たる、兄自身の罪。

 兄は、言いながら弟をさいなんでいき、弟は立っているのも覚束おぼつかなくなっていく。

「兄さま……ーーおね…が……、抱……て……くだ……い」

 内腿うちももれたしずくで、兄が、弟の肛門アヌスふちをくるくるたわむれででる頃には、ツーーと、弟の頬を快感による生理的な涙が伝っていた。

「ーーここで? こんな明るい空の下で」
 揶揄やゆする兄の言葉に、素直に弟は頷いた。

「はい、兄……さま、ここで。ーーリシェ足……、開…く、から……抱いて……?」
 兄は、弟の足をすくって横抱き、中庭パティオに据え置いてある大きなソファファラへと歩み、弟を降ろした。

「何をそんな泣き出しそうな表情かおをしているんだ」
「だ…って……! リシェ……初めて、“嫉妬”っていう言葉が……意味、を……」

 ーー知った。

「何故……? そうだ、リシェが自分が言ったのだから……自分で足を抱えて大きく開いて見せなさい」
「んっ……、に…さま……」
 頬に朱をいても、弟は、震える手で足を開く。

「さぁ、どんな恥ずかしいことを言わせようか……? それとも、自分で言うのか? リシェ」
「い…いつも……いつもたくさん、言っているのに……言…わなきゃ、駄目、なの……?」

 くすくす笑って兄は、弟をうながす。
「駄目だよ、リシェ。何回でも言わせると言ったろう? ーーそれに、……? ここで……明るいところで、恥ずかしいことが」

 弟は、コク、と頷いた。
 何回も口にした、恥ずかしいねがいを今日も口にて、兄にねだる。

「あ……、リシェリシェ……ど…うか、この恥ずかしい恰好で、肛門アヌス……兄さま、リシェ肛門アヌスめて、くださ……い。に、さまの舌、とがらせて、リシェ肛門アヌス、くにくにって……いっぱい、えぐって、中まで、 濡らして……!! リシェ……お尻……お尻を振りたい……! ぃあ……っ」

「兄さまが良い、と言う前にもうリシェの尻はれている」

 くちゅり……


「あ……にい、さま……どうか、ゆる……許して……」

 くちゅ……くちゅ、ちゅぷ……っ……

「ひぁっ……あ……い……」

「もうひとつ。じめて欲しいところが
 、……ある、だろう?」
 兄は、焦らすように肛門アヌスをくすぐって、弟に嬌声きょうせいを上げさせた。

「乳首っ……乳首を、一緒にいじめてくださいーーっ! はぅ……っ!!」



 §



「あ……あぁ……っ、…………」

 弟は兄の膝に座らされ、背を兄の胸に預けながら突き上げられていた。

 キツく乳首をまむ、背後から回された兄の指に、弟も手を重ね、身もだえながら、腰を使った。

「何故……“嫉妬”を知った、と……?」
 恍惚こうこつと、しながらさぶられている弟に、兄はささやいた。

「あ……ぅんっ……気持ち……ぃっ……! ーー……って、……ぃさま、あのコに……情を……かけた……でしょ……う? ひぅっ!」

「ーーあの子?」

「あの、十架クルセの、コーーんっ!」

「…………」

「綺麗、だもの。ーーあの、十架クルセ……は……ぁっ……」

「兄さまの情は、お前だけのものだよ。ーーあれは、ただ一人だけの理解者。ーーそれでも、首を切った」

「そう…………あ、あ……もっ……と! もっと、男根ペニス突いてっ!! あ……ーーイく、イかせてにい、さま……あ……っ、ーーリシェドライメスイキしちゃう……っ!!」


「良いよ、リシェ」



 §



「ーーん………ぁ…………」
 弟が、眼を開けると身体はゆったりと、揺れていて、肛門アヌスには兄の男根ペニスで貫かれたままだった。

「にいさま……」

「……リシェお前も兄さまに切られたかったか……?」

 ぐりっと、男根ペニスが奥へ当たり、弟は、気持ちい……と、涙をこぼしながら、ふふっと花がほころぶように笑う。

「は……ぁ…………ぃ……」

「リシェ……」

「兄さま……リシェは、兄さまの重荷になるくらいなら、はかなくなってしまいたかった」

 ーーでも、と、弟は続ける

「でもね、リシェ……、兄さまが思うほど良い子じゃない……」

 ーー罪深いのは、リシェ

「リシェ……」

「兄さまが、リシェを赦してくれるなら……。生きて、こうして……兄さまに可愛がってもらえる方が良い……。兄さま……助けてくれて、ありがとう。リシェは、兄さまと生きたい……だから、兄さまの性奴隷でしかない身だけれど……どうか、罪は半分、リシェにも負わせてください」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

バレー部入部物語〜それぞれの断髪

S.H.L
青春
バレーボール強豪校に入学した女の子たちの断髪物語

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...