『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
上 下
57 / 190
〜第2章〜

55.『〜ポチの鎖編〜電話』

しおりを挟む



狭い部屋で昼食を食べるみつれとスイ。
といっても、みつれには時間が分からないので今食べているのが昼食なのか夕食なのかわからなかった。

しかし、2人は和やかな雰囲気で食事をしていた。


みつ「このスープ美味しい……」

スイ「そうでしょ♡私が作ったんだよ!」

みつ「スイ、料理上手だね。」
みつれはスイの料理を褒める。

スイ「今度作り方教えてあげるよ。一緒に作ろう。」

みつ「うん。楽しみ。」
みつれは微笑む。

スイはまるで愛しい恋人を見るようにみつれを見つめた。


みつ「ごちそうさまでした。」
みつれは手を合わせる。

スイ「はい。お粗末さまでした。」
スイは満足気な顔をした。


スイ「お薬飲もっか。」
スイはみつれに錠剤を渡す。

みつ「うん。」
みつれは素直に手渡された錠剤を飲む。

みつ「飲めたよ。あーん」
みつれは口を開けてスイにみせた。

スイ「偉いねポチ。じゃあ片付けてくるからちょっと待ってて。」
スイは食器を持って部屋を出た。


スイが食器を片付けているとスマホに着信がはいった。

スイ「・・・もしもし。」

シロ「元気ぃ?スイさん。」
電話の相手はシロサキだった。

スイ「なんの用だ?」

シロ「冷たいですねぇ。いやぁどうしてるのかなぁって思って。」

スイ「用がないなら切るぞ。」

シロ「用ならありますよ。その場所、どうですか?気に入りましたか?」

スイ「あぁ。快適だ。」

シロ「まさかアナタが大金を出してまでそこを欲しがるとはね。未だに信じられないよ」
シロサキは笑いながら言った。


シロ「まぁそこはもうアナタの場所だ。好きに使ってくださいよ。」

スイ「・・・じゃあな。」

シロ「ちょっと!話はまだですよ!」
シロサキは本題にはいった。


シロ「あの方からお呼びがかかってますよ。スイさん。多分このあいだの件でしょうね。」

スイ「・・・」

シロ「明日の12時、埠頭に行ってください。あの方が待ってます。」

スイ「埠頭か……。」

シロ「なんらかのお仕置きはされるでしょうけどまぁ頑張ってくださいね。私はちゃんと伝えましたよ。では。」
シロサキは電話を切った。

スイ「・・・ちっ。」
スイはスマホを投げた。

スイ「行くしかないか…。ポチ…どうしようか…」
スイは流し台の食器を見つめながら呟く。



スイはこのあいだのカオリの件で追い詰められていた。
あのビルで組織の人間が6人警察に逮捕された。
その事で現場を仕切っていたスイに責任追及がかけられていた。


スイは組織にみつれのことは報告していない。
シロサキにでさえ教えていない。

明日の呼び出しにみつれをこのまま置いておくわけにはいかなかった。
もしかすれば数日戻ってこれない可能性がある。
そんなことになればみつれは餓死してしまう。


スイ「・・・ダメだ…。ポチを置いては行けない。」
考えた末、みつれも連れていくことにしたスイ。


スイはみつれのいる部屋に戻った。。。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

あなたのサイコパス度が分かる話(短編まとめ)

ミィタソ
ホラー
簡単にサイコパス診断をしてみましょう

処理中です...