52 / 190
〜第2章〜
㊿『〜ポチの鎖編〜繋がり』
しおりを挟むゴホン、突然ですがこんにちは。俺の名前は、宮田ヒロキです。
俺には好きな人がいます。
同じクラスの南ハルカです。
俺と南は幼稚園からずっと一緒。家も近くて家族ぐるみで仲がいい。いわゆる幼馴染みってやつだ。もちろん、幼馴染みとして、1人の友人として南のことが好きだった。
でも
中学2年生の頃、あいつはクラスの女子に告白された。その時、俺の中で黒い感情がふつふつと湧き上がった。
まぁ、告白は秒で断っていたが。
しかし!!それからというもの、俺はことある事にあいつを意識してしまうようになった。
意識してからというもの、俺はあいつのことを名前で呼ぶことができなくなり、〝南〟と苗字で呼ぶようになった。
でもこのままじゃダメなんだ!!!
南はものすごーくモテる。柔らかいウェーブのかかった茶色の髪に、タレ目で優しい顔。身長こそ俺とあまり変わらないが、体がシュッとしているせいかスタイルが良く見える。
そんなあいつは老若男女問わずモテる!!
この間も1個年上の女の先輩から告白されていた。
俺達も高校生になったんだ。きっとあいつだっていつかは彼女を作るに決まっている。
だから俺は〝しない後悔〟より〝する後悔〟を選ぶことにしたのだ。
今日、俺は南ハルカに告白をする。
付き合えなくたっていい。友達で居られなくなってもいい。いや良くは無いが。
でもそんなリスク、俺の愛の前にすればちっぽけなんだ。もし、告白をして断られても、南に嫌われても、俺はこの先ずっと南だけを愛する。
それくらい大好きだ。
ジャリッ
「宮田…?どうしたの?わざわざ校舎裏になんて呼び出して。」
南は俺が苗字呼びすると同時に、合わせるように〝宮田〟と呼ぶようになった。それが今は心苦しい。
「南、お前にさ、言いたいことがあって。」
サァアアアアア
肌寒い風が降りかかる。
「俺さ、」
「うん」
もし拒絶されたら。
もし嫌われたら。
もし、もうこの先一生話してくれなくなったら。
ついさっきした決意が揺らぐ。
でも言いたい。
誰かに盗られる前に。誰かの大事な人になる前に。
「お、おれ、南のことが」
ギュッと拳を握り震える。
でも最後の言葉だけは、南の目を真っ直ぐ見て伝えよう。
「好きだ。」
南の茶色い目と俺の黒い目が交差する。
本当は怖くて逃げ去りたい。
返事を聞きたくない。
タッと音が聞こえたかと思うと目の前に南が来る。
ギュウウウウウっと俺を抱きしめる大好きな人。
「僕も、宮田が、ヒロキのことが好きだよ」
そしてバッと離したか思うと、南は俺を見る。
「僕もね、宮田が大好きなんだ。これから2人で幸せになろうね。」
「うん、うん」
あぁ、君に好きだと伝えてよかった。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる