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〜第2章〜
㊹『〜ポチの鎖編〜隠れ家』
しおりを挟むみつ「・・・うっ…」
みつれは目を覚ます。
両腕には鎖が付けられていた。
スイ「もう目が覚めたかい?ポチ。」
独房のような部屋でスイはテーブルでパソコンを開いていた。
みつ「ス、スイ……」
みつれはスイを睨む。
スイ「懐かしいねぇ。縛られながら私を睨むその表情…。」
スイはパソコンを閉じてみつれの元に歩く。
スイ「ここは組織とは関係の無い、私だけの隠れ家だよ。いや、私とポチの…かな。」
みつ「・・・隠れ家……だと…」
スイはみつれの顎をクイッとあげた。
スイ「正直ねぇ…国をどうこうだとかそういうのはもうどうでもよくなっちゃったんだよ。」
みつ「なに……」
スイ「私はねぇ、ポチ。アンタと一緒に居れればそれでいいんだよ。また昔みたいに、3年前のように。」
スイは注射器をみつれに挿した。
みつ「うっ……この……イカレ女が……」
スイ「この日の為にずっと準備してたんだ。大丈夫…。すぐに良くなる…。」
みつ「((や、やばい…意識が……身体が…熱い……))」
スイ「しばらくおとなしくしててね。ポチ。ちょっと出かけてくるよ。」
スイは頑丈そうな扉を閉じて部屋を出た。
みつ「うぐぅ……はぁ…はぁ…」
呼吸が荒くなるみつれ。
みつ「((くそ……ダメだ…耐えろ……))」
みつれはもがき、抵抗した。
しばらくしてスイが戻ってきた。
スイ「おや、まだ頑張ってたんだね。ポチ。」
みつれは呼吸を荒くし、涎をたらしながら戻ってきたスイを睨みつけていた。
みつ「フー…フー…フー…」
スイ「んー…これ以上の投与は危ないしなぁ…。」
スイはみつれをじっと見つめる。
スイ「まぁ、いくらでも時間はある。ポチ、お話しようか。」
みつ「はぁ…はぁ…アンタと…話すことは……はぁ…はぁ…無い…」
スイ「まぁそういうなよ。じゃあ…私から話そうか。アンタの仲間のお兄さん…いただろ?」
みつ「・・・ッ!?……」
スイ「ポチが気を失った後、あのお兄さん戻ってきてね。ホントはそんな気無かったんだけど…」
みつ「あ、あいつに…なにをした!?」
スイ「殺したよ。その後、あの部屋は爆破させたから確実に…ね。」
スイは悲しい顔をしてみつれに話す。
みつ「うっ…嘘だ……騙されない……」
スイ「残念だけどホントだよ。ネットニュースにも出てた。ほら。」
スイはネットニュースの記事が映ったスマホの画面をみつれに見せた。
『13時40分頃、雑居ビルの4階の一室で爆破事故が発生。爆破原因は現在調査中で、男性とみられる遺体を発見。警察は遺体の身元の確認を急ぐと共に、以前発生した警察署爆破テロ事件とも関連があるとみて捜査中………』
みつ「う……うそだ……信じない……信じない…」
みつれは俯く。
スイ「残念だけどね。私がお兄さんの頭を撃ち抜いたんだよ。ここをね。」
スイはみつれの額をトンっと叩いた。
みつ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ウガァァァァァァ!!!」
ガシャガシャと暴れるみつれ。
しかし両腕を鎖で拘束されていて足をじたばたするしか出来なかった。
スイ「まるで駄々っ子みたいだね。まぁお兄さんのことは残念だけど、これでまた1人になったな。ポチ。」
みつ「うっ…うっ…うっ…」
じたばたしながら涙を流すみつれ。
スイ「しばらく1人にしてあげる。またくるよ。」
そう言ってスイは部屋を出た。
独房のような部屋でみつれは1人、泣いていた。
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