『ブラックボックス』

うどん

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〜第2章〜

㊲『闇医者と助手』

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よつばから人捜しの依頼を受けた『カモミール』。
みつれとしおんは事務所へ戻った。


しお「じゃあ僕は情報を調べてみるよ。みつれさん先にお風呂入ったら?」

みつ「そうだな。そうするよ。」
みつれは風呂の準備をした。



しばらくモニターとにらめっこするしおん。



みつ「何かわかったか?しおん。」
みつれは風呂からあがったようだった。


しお「あまり情報は無いね……。なんせ元から謎が多い人だから…げっ!?」

振り向いたらみつれはタオルを肩にかけただけの素っ裸だった。

しお「み!みつれさん!服着て!!」
とっさにしおんは目をそらす。

みつ「別にいいだろ…」

しお「ダメ!!すぐ着て!!」
みつ「むぅ……しょうがないな。」

みつれは服を取りにいった。


しお「((ほんとそういうとこデリカシーが無いんだから……))」
しおんは顔を赤くしながらモニターを見つめる。

するとみつれが服を着て戻ってきた。
みつ「服着たぞ。それで、何かわかったか?」

しお「・・・。カオリさんの情報だけどほとんど出なかったよ。なんせ完全に裏社会の人間なんであまり確かな情報は無いね。昔は僕のじいちゃんの組を専属で診てたらしいけど、今は『羽曇組』という組のほぼ専属でやってるそうだね。」

みつ「ヤクザ専門の医者か……。てことは今回仕事であの街にいるって事は、相手はその辺のヤクザか?でもその辺にヤクザなんていないぞ。」

しお「そう。それで困ってる。ヤクザがいたら仕事相手はソレだし、すぐ見つけれると思ったんだけど、残念ながら違うみたいだね。」

みつ「そうなると、ヤクザ以外の相手か……。もしかして相手はテロ組織の人間じゃないか?」

しお「可能性はあるだろうね。けどテロ組織の人間でも普段はカタギとして過ごしてるのが多い。闇医者なんか使わなくても普通に医者に行けば済む話なんだけど…。」

みつ「・・・。助手の情報は分かったのか?」

しお「よつばさんね。ちょっと変わった経歴があったよ。」

しおんはよつばの情報をモニターに映した。

しお「よつばさんは昔、遠い街で結構デカい半グレグループのリーダーだったんだ。」


みつ「あの娘が…半グレ?」
みつれは少し驚いた。

しお「これはSNSでも多くの書き込みがあるからまぁ間違いないと思うよ。」

みつ「そんな半グレがなんで闇医者の助手を?」

しお「ここからがちょっと面白いんだけど、その数十名以上いる半グレグループは当時の女子高生2人によって壊滅させられたんだ。」

みつ「なんだそりゃ?漫画みたいな話だな。」
みつれは少し笑ってしまう。

しお「ほんとにね。けどその女子高生の1人は『羽曇組』の組長の孫だったんだよ。」

しおんは続けて話す。

しお「名前は『みずき』。どうやらグループを潰す前に自宅で襲撃されたらしい。恐らくそれの報復だろうね。よつばさんとは中学の時から因縁があったようだよ。」


みつ「報復でグループ壊滅とは凄いな。」

しお「グループを潰されたよつばさんはその後『羽曇組』に拉致されたらしい。それ以降は行方不明とされているね。中には死んだってウワサもある。」

みつ「それで今は闇医者の助手をしてると…。繋がるようであまり繋がらない気がするな。」

しお「多分色々あって助手をしてるんだろうね。そこはいくら調べても情報が出なかったよ。」

しおんはモニターの画面を切り替える。

しお「わからないことが多いね。後はあの街の防犯カメラをハッキングして観るかだね。それと、もうちょっとよつばさんに聴き込まないと。」

みつ「・・・そうだな。」

すると、しおんのスマホが鳴った。
リンからの着信だった。

しお「あ、リンさんからだ。もしもし。」

リン「やぁ、しおん君。元気してる?」

しお「はい。僕もみつれさんも元気ですよ。」

リン「よかった。また仕事をお願いするよ。今データ送った。」

しお「あ、いやぁ…今他の仕事受けてて…」

リン「あれ?そうなの?初めてじゃん。私以外の依頼なんて。」

しお「おかげさまで。」

リン「でも、こっちも至急の案件なんだ。今データ見れる?」

しお「これですね。はいはい。」
しおんは送られてきたデータをモニターに映す。


みつ・しお「ッ!?」



リン「今回のターゲットは闇医者カオリの確保だよ。」
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