『ブラックボックス』

うどん

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〜第2章〜

㉞『悪夢』

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拉致事件から数日後。

リンは病室で眠るみつれを見つめていた。

リン「みっちゃん……」

しおんが病室に入ってきた。

しお「みつれさんの着替え持ってきました。」
しおんは完治して元気になっていた。
一度帰宅してみつれの着替えを持って来た。

リン「ありがとう。」

しお「これからコンビニでなにか弁当買ってきますけど、なにかいりますか?」

リン「なんでもいいよ。しおん君に任せる。」

しお「わかりました。買ってきますね。」
しおんは病室をでた。

リン「まだ起きないね…みっちゃん…」
リンはぼそっと独り言をいう。

事件以降、組織の足取りが不明になった。
リンが監禁されていたビルを捜査したがもぬけの殻。
シロサキもみつれからスったダミーのスマホを手放していて行方がわからなくなった。

シロサキは、爆破テロ・拉致監禁の容疑で全国指名手配になった。

みつ「ん………」

みつれが目を覚ました。

リン「…ッ!?みっちゃん!!!」

みつ「・・・リ…ン……」

リン「よかった!!目を覚ましてよかった……」
リンは思わず涙がでた。

みつ「ここは……」
リン「ここは病院だよ。先生呼んでくるね!」

リンは病室を飛び出した。

ボーッと窓の外を観るみつれ。
するとリンは担当医を連れてきた。

「おはようございます。みつれさん。具合はどうですか?」

みつ「大丈夫…」

「少し診察しますね。」
担当医は診察を始める。

「とくに異常はみられません。明日にでも退院出来るでしょう。今日はゆっくり休んでください。」

そう言って担当医は病室をでた。

リン「なにも無くてよかったよ。今日はゆっくり休もう。ね?」

みつ「・・・夢を見てたんだ……。恐ろしい夢…。」
みつれはいきなりリンに言い出した。

リン「どんな夢だったの?」

みつ「昔の事だよ。監禁されていた時のことさ。……怖かった…。死んだはずのスイが生きていて………私は動けなかった……震えながら……スイから視線が外せなかった……」

みつれの目からは涙が出ていた。

みつ「あの時私はッ!……しおんが撃たれたにもかかわらずッ!……動けなかったんだ……怖かった…死んだはずのスイが怖かった……。全身の力が抜けて立ってることも出来なかった……私は…しおんにあわせる顔がない……うっ…うっ……」 

リンは泣くのを堪えてるみつれを抱きしめる。

リン「大丈夫…みっちゃん。私としおん君はみっちゃんのそばにいる。私がみっちゃんを受けとめる。悲しいことも苦しいことも…全部私が受けとめる。…だから泣いていいんだよ?みっちゃん。」

リンはそういうと、みつれは溢れそうな涙をとうとう流して大声で泣いた。
リンの胸の中で子どものようにしばらく泣いた。


みつ「ぐすっ……リン…ありがとう。」
リンは何も言わずに頷く。

みつ「しおんの仇は必ずとる。じゃないとアイツは報われない。」
リン「そうだね…。一緒にやろう。しおん君のためにも!!」

そうすると、病室のドアが開いた。

しお「あのぉ、まだ生きてますけど。」

突然のしおんの登場に呆然とするみつれ。

みつ「し、しおん?生きて…る?」
しお「当たり前でしょ!?生きてるよ!勝手に殺さないでよみつれさん。」

みつれはベッドから立ち上がり、
ゆっくりしおんに近づいて頬を触る。

みつ「し…しおん…しおん……うっ……うっ…」

しお「おかえり。みつれさん。」

みつれはしおんに抱き着き、泣いた。

バツが悪そうにするリン。

リン「しょ、少年。いつ戻ってたの?」
しお「みつれさんが起きて診察が終わった後ですよ。なんか入りずらい空気だったし、2人の時間に割って入るなんて野暮でしょ。…けどまさか自分が死んだことにされていたとはねぇ…。ねぇ?リンさん?」

リン「アハ、アハハハハッ!やだなぁ!少年はぁ!!」
リンは笑って誤魔化そうとした。


ついに目を覚ましたみつれ。
3人はお互いの無事に安堵した。

この日は3人で病室に寝泊まりした。。。

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