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〜第1章〜
㉝『〜リン奪還編〜亡霊』
しおりを挟むリンを救出した深夜。
3人は病院にいた。
しおんは意識を取り戻し、
病室でリンと話をしていた。
リン「弾は貫通してたらしい。よかったね。しおん君。」
しお「まさか銃で撃たれるとは思いませんでしたよ…。」
軽く笑うしおん。
リン「しおん君。みっちゃんに何があったの?今はようやく落ち着いて眠ってるけど…。」
しお「それが僕にも分からないんです。銃を持った女を見た瞬間、震えだしたんです。あんなみつれさんは初めてみました。」
リン「それはしおん君を撃った女?なんか言ってたりしてた?」
しお「名前とかは言ってなかったんで分かりませんが、みつれさんはその女を知ってる様子でした。…あっ。」
リン「どうしたの?」
しお「その女がみつれさんのことを『ポチ』って呼んでました。」
リン「えッ!?」
リンはみつれの過去の話を思い出した。
みつれを屈辱を与えた躾役『スイ』。
その女はみつれを『ポチ』と名付け、
みつれを辱めた張本人。
しお「知ってるんですか?リンさん?」
リン「・・・前にみっちゃんが過去のことを話してくれたの…。しおん君はみっちゃんの過去は知ってる?」
しお「軍人の隊長に裏切られて組織に売られて、監禁されて飼い殺しにされたってぐらいは……」
リン「その監禁されている時にみっちゃんをその…辱めていた人物がいるの。多分銃を撃ったのはその人物だと思う。」
しお「けどその時の組織の人間は全員死んだって聞きましたよ。みつれさんから聞いたし僕のじいちゃんも言ってた。」
リン「しおん君のお爺さん?・・・もしかしてみっちゃんを救った初老って…」
しお「僕のじいちゃんだよ。2年前に亡くなったけどね。」
リン「そうだったんだね…。」
しお「けど、そうなると…生き残りがいたってこと?」
リン「分からないけど多分そうだろうね…」
しお「みつれさんからしたら亡霊みたいなものか…」
2人は沈黙する。
リン「とりあえず、しおん君は傷が完全に治るまでゆっくりしてて。」
しお「ありがとうございます。リンさんはどうするの?」
リン「私は明日から仕事に戻るよ。警察署を爆破した奴らを捕まえないとね!」
しお「リンさんは強いなぁ。あっ、そうだ。コレ。」
しおんはリンに警察手帳を渡した。
リン「コレ…取ってきてくれたの?」
しお「はい。リンさんには必要な物でしょ?」
リン「ありがとう…しおん君。」
この日は3人同じ病室で一夜を過した。
翌朝。
リン「おはよう。少年。」
しお「おはようございます。」
目覚めたのは2人だけだった。
リン「みっちゃん、まだ目覚めないね。」
リンは眠ってるみつれを見つめる。
しお「僕がみてますよ。1人には出来ませんし。」
リン「よろしく頼むよ。目が覚めたら知らせてね」
リンは仕事に行く支度をする。
リン「終わったら一度戻ってくるよ。また連絡するね」
リンは病室を出ていった。
しお「いってらっしゃい。」
リンはパトカーで署に向かう。
リン「((休んでなんかいられない。シロサキ……この借りは必ず返す。そして『スイ』も必ず見つける!!))」
今回の拉致事件は手負いはしたものの、なんとか奪還に成功した。
しかし、みつれが目覚めたのはその数日後だった。。。
~リン奪還編~END.
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