33 / 190
〜第1章〜
㉜『〜リン奪還編〜最悪の再会』
しおりを挟む隣のビルに飛び移った2人はリンと合流するため、ビルの出口を目指した。
みつ「リンはどの方向に行ったんだ?」
しお「北に進んで走っていった。まだそんな遠くへは行けてないはず。」
みつ「なら急いだ方がいいな。けど顔は見られてないからといって走ってビルを出るのは目立ち過ぎる。なるべく歩いて出よう。」
しお「おっけー」
2人が乗ってきたバイクは少し離れた路地裏に置いている。
2人はビルを出てバイクを置いている場所に向かう。
しお「そういえば、別の部屋からリンさんの警察手帳を拾ったよ。服はハサミかなんかで着られてて駄目だったけど。」
みつ「上出来だ。合流したらリンに渡してやってくれ。」
しお「そうするよ。けど奴らの情報はなにも見つからなかった。」
みつ「とりあえずは救出出来たんだ。今回はそれで充分だ。」
2人は小声で話しながら路地裏に入る。
しお「そうだね。リンさんにはレスキュー代として別途請きゅッ!?……」
しおんが突然倒れる。
左腕からは血が出ていた。
みつ「しおん!おい!どうした!?」
みつれは左腕をおさえてるしおんをみる。
みつ「血が出てる。…銃弾!?」
?「久しぶりだねぇ。」
後ろから声がした。
みつれが振り返ると影に隠れて誰かはよく見えないがサイレンサーを装着した銃を持っていた。
みつれはサバイバルナイフを取り出して構えた。
みつ「誰だ!?」
?「おや、忘れたのかい?私だよ。『ポチ』。」
みつ「ッ!?…う、うそだろ……」
影から現れた人物は、3年前にみつれを監禁していた躾役の『スイ』だった。
みつ「あ、アンタ…死んだはずじゃ……」
スイ「ずっと会いたかったよポチ。やっと会えたね。私のポチ♡」
しお「み、みつれさん…誰?…そいつ…」
しおんは痛みに耐えながら左腕をおさえて立ち上がった。
しおんはみつれに質問したが返答が無い。
みつれは呼吸を荒くして震えている。
スイ「また昔みたいに可愛がってあげる♡アンタの何もかも、また私が管理してあげる。」
スイは銃を構えながらにじり寄ってくる。
みつ「はぁ…はぁ…はぁ……」
スイをみて怯えるみつれ。
ナイフを落とし、腰を抜かして失禁した。
スイ「おやおや、粗相はダメだよポチ。出すならちゃんと許可取らないと。昔みたいに言ってごらん?『ポチの排尿の許可をお願いします。』ってね。」
みつ「あぁ…あぁ………」
ガチガチと震え、目には涙をためながらスイから目を離せれないみつれ。
彼女は1歩も動けなかった。
異常なほど怯えるみつれをみるしおん。
しお「((なんだ!?なにがどうなってる!?こんなみつれさんは初めてだ…))」
スイはしおんに銃口を向ける。
スイ「お兄さんには悪いけど、その女を寄越しな。じゃないと撃ち殺す。」
しおんは本能的に命の危険を感じ、
ビルから盗ってきた発煙弾をとっさに投げた。
スイ「ッ!?」
辺り一面煙に包まれる。
しおんは急いでみつれを抱えてバイクに乗せて逃げた。
煙幕の中、スイは微笑む。
スイ「・・・また会おうね。ポチ。」
スイはその場から姿を消した。
しおんの後ろで放心状態のまま震えているみつれ。
しお「((危なかった。奇跡的に逃げれた…))」
しおんはしばらくバイクを走らせた後、
狭い路地にバイクを止まった。
しお「みつれさん。大丈夫?」
みつれからは返事は無く、まだ震えていた。
みつれをバイクから降ろして一度落ち着かせる。
しお「落ち着いて。みつれさん。僕をみて。」
ずっと放心状態のみつれ。
しおんはとにかくみつれを落ち着かせるしかなかった。
するとしおんのスマホの着信が鳴る。
知らない番号からだった。
電話に出るとリンの声がした。
リン「しおん君!今どこ?無事?」
しお「リンさん!無事に逃げれたの?」
リン「私は大丈夫!しおん君とみっちゃんは!?大丈夫!?」
しお「なんとか逃げれたけど…大丈夫じゃあないかな…」
しおんは撃たれた傷が痛んだ。
アドレナリンが出て痛さを忘れていたようだ。
リン「今そっちに行く!どこ!?」
しお「無我夢中で来たから分からない…。『サファイア』って店の看板がみえる……ぐっ…」
リン「わかった!!すぐ行く!待ってて!!」
リンは電話を切った。
しお「…みつれさん…もうすぐリンさんが来るよ。もう大丈夫だから……。」
しおんの意識が遠くなる。
かなりの出血だった。
しお「((くそ…だめだ……まだ……ま………))」
パトカーのサイレンの音が聞こえる。
しお「((リンさん……かな………よかっ……))」
しおんはその場で倒れた。
みつれは震えたまま動けなかった。
数分後にリンと警察官が到着する。
リン「みっちゃん!!しおん君!!」
リンは2人を発見した。
血を流して倒れてるしおんと放心状態で震えているみつれを見て、ただ事では無いと気付いた。
リン「救急車呼んで!!はやく!!」
2人は病院に搬送された。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる