32 / 184
〜第1章〜
㉛『〜リン奪還編〜脱出』
しおりを挟むみつれはリンを助け出した。
だが、次はこのビルを脱出しなければならない。
みつ「しおんが今4階でボヤ騒ぎを起こしてる。そのうちにここから脱出しよう。」
みつれはリンにシーツを被せる。
リン「しおん君が!?大丈夫なの?」
みつ「おそらくな。とりあえずここから出よう。」
みつれはリンの手を握り地下から出る。
しかし、1階の出入口が塞がれていた。
みつ「くそっ!開かない!」
リン「別の出口を探そう!」
2人は別の出口を探す。
みつ「ッ!?こっち!」
みつれはリンを引っ張り、部屋に入っていく。
「いやぁ危なかったなぁ。まさかタバコがあんな燃えるとはな…」
「ちゃんと火消してたのかよ全く……」
男2人が歩いてくる。
地下に続く階段で見張りしてた2人だ。
リンが脱出したのがバレるのは時間の問題だ。
みつ「くそっ…どうすれば…」
するとリンはみつれに提案する。
リン「みっちゃん!今ここで通報して警察来てもらうまで待つのはどう?」
みつ「それも考えたが、警察署でも容赦無く爆破した相手だ。恐らくこのビルごと爆破して二次被害を出すだろう。」
リン「た、確かにそうか…」
相手はテロ組織。
最悪の事態を考えると安易に通報は出来ない。
2人が隠れた部屋には、高い位置に窓があった。
小さな窓だが女が通るには十分な窓だった。
みつ「ちょっと高いがあそこから出るか。」
みつれは台になるものを探す。
みつ「これで登ろう。行けるかリン?」
リン「うん!」
みつれは下で支えながら先にリンを登らせる。
リンは窓から脱出した。
「おい!女がいないぞ!逃げやがった!」
「どうやって逃げた!?とにかく捜せぇ!!」
階段の見張りの男達はリンが居ないことに気付いた。
みつ「もう気付いたか!リン!お前だけでも先に安全なところに逃げろ!」
リン「でもみっちゃんは!?」
みつ「奴らはビルの辺りも捜しに回るはずだ!出来るだけビルから離れろ!!」
リン「でも!…でも!!」
みつ「私なら大丈夫だ。それにさっきからしおんと連絡繋がらないのも気になる。お前は先に行け!早く!!」
リン「わ、わかった。必ずまた後で!」
リンは窓から降り、ビルから離れるように走った。
みつ「ふぅ…。とりあえずは助け出した。後はしおんを捜さないと。…それに…」
みつれは隠し持ってたサバイバルナイフを取り出す。
みつ「リンをあんな目に合わせた奴らを生かしておけない。」
みつれはバンダナで口元を隠し、ナイフを構え、音をたてず部屋を出る。
廊下を構えながら歩いて行くとしおんが現れた。
みつ「しおん!無事だったか!」
しお「なに物騒なモン持ってんのみつれさん。リンさんがビルから走っていくのが見えたよ。僕らも脱出しよう。」
しおんは無事だった。
そして脱出しようと言ったがみつれは違った。
みつ「・・・しおんは先に行け。私はやることがある。」
前に行こうとするみつれをしおんは止める。
しお「アイツら殺してどうするの?多分アイツらは末端のグループだ。殺ったところでどうにもならないよ。」
みつ「今はそんなことどうでもいい。リンをあんな目に合わせた奴らを生かしておけない。」
しお「落ち着いて。何人いるか分からないんだよ?一旦出直そう。敵の戦力も分からないのに突っ込むのは無駄死にするだけだよ。」
しおんは冷静だった。
しおんは感情的に動こうとするみつれをなだめる。
みつ「・・・わかった。脱出しよう。」
みつれ達はとりあえず脱出しようとする。
しお「こっちだよ。ついてきて。」
しおんをみつれを連れて2階へあがる。
しお「この部屋から出れる。」
2人は窓から隣のビルへ飛び移り脱出した。
しお「とりあえずなんとかなったね。」
みつ「あぁ。早くリンと合流しよう。」
ビルの中が騒がしくなっている。
ビルからも何人か人が出てきた。
リンを捜しに周囲を回ってるのだろう。
みつ「私たちも早いとこリンと合流しよう。」
しお「そうだね。行こう」
2人は隣のビルの中を移動する。
幸いなことに組織の人間に顔は見られていない。
2人はこのまま普通にビルを出ることにした。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
青い祈り
速水静香
キャラ文芸
私は、真っ白な部屋で目覚めた。
自分が誰なのか、なぜここにいるのか、まるで何も思い出せない。
ただ、鏡に映る青い髪の少女――。
それが私だということだけは確かな事実だった。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる