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〜第1章〜
㉛『〜リン奪還編〜脱出』
しおりを挟むみつれはリンを助け出した。
だが、次はこのビルを脱出しなければならない。
みつ「しおんが今4階でボヤ騒ぎを起こしてる。そのうちにここから脱出しよう。」
みつれはリンにシーツを被せる。
リン「しおん君が!?大丈夫なの?」
みつ「おそらくな。とりあえずここから出よう。」
みつれはリンの手を握り地下から出る。
しかし、1階の出入口が塞がれていた。
みつ「くそっ!開かない!」
リン「別の出口を探そう!」
2人は別の出口を探す。
みつ「ッ!?こっち!」
みつれはリンを引っ張り、部屋に入っていく。
「いやぁ危なかったなぁ。まさかタバコがあんな燃えるとはな…」
「ちゃんと火消してたのかよ全く……」
男2人が歩いてくる。
地下に続く階段で見張りしてた2人だ。
リンが脱出したのがバレるのは時間の問題だ。
みつ「くそっ…どうすれば…」
するとリンはみつれに提案する。
リン「みっちゃん!今ここで通報して警察来てもらうまで待つのはどう?」
みつ「それも考えたが、警察署でも容赦無く爆破した相手だ。恐らくこのビルごと爆破して二次被害を出すだろう。」
リン「た、確かにそうか…」
相手はテロ組織。
最悪の事態を考えると安易に通報は出来ない。
2人が隠れた部屋には、高い位置に窓があった。
小さな窓だが女が通るには十分な窓だった。
みつ「ちょっと高いがあそこから出るか。」
みつれは台になるものを探す。
みつ「これで登ろう。行けるかリン?」
リン「うん!」
みつれは下で支えながら先にリンを登らせる。
リンは窓から脱出した。
「おい!女がいないぞ!逃げやがった!」
「どうやって逃げた!?とにかく捜せぇ!!」
階段の見張りの男達はリンが居ないことに気付いた。
みつ「もう気付いたか!リン!お前だけでも先に安全なところに逃げろ!」
リン「でもみっちゃんは!?」
みつ「奴らはビルの辺りも捜しに回るはずだ!出来るだけビルから離れろ!!」
リン「でも!…でも!!」
みつ「私なら大丈夫だ。それにさっきからしおんと連絡繋がらないのも気になる。お前は先に行け!早く!!」
リン「わ、わかった。必ずまた後で!」
リンは窓から降り、ビルから離れるように走った。
みつ「ふぅ…。とりあえずは助け出した。後はしおんを捜さないと。…それに…」
みつれは隠し持ってたサバイバルナイフを取り出す。
みつ「リンをあんな目に合わせた奴らを生かしておけない。」
みつれはバンダナで口元を隠し、ナイフを構え、音をたてず部屋を出る。
廊下を構えながら歩いて行くとしおんが現れた。
みつ「しおん!無事だったか!」
しお「なに物騒なモン持ってんのみつれさん。リンさんがビルから走っていくのが見えたよ。僕らも脱出しよう。」
しおんは無事だった。
そして脱出しようと言ったがみつれは違った。
みつ「・・・しおんは先に行け。私はやることがある。」
前に行こうとするみつれをしおんは止める。
しお「アイツら殺してどうするの?多分アイツらは末端のグループだ。殺ったところでどうにもならないよ。」
みつ「今はそんなことどうでもいい。リンをあんな目に合わせた奴らを生かしておけない。」
しお「落ち着いて。何人いるか分からないんだよ?一旦出直そう。敵の戦力も分からないのに突っ込むのは無駄死にするだけだよ。」
しおんは冷静だった。
しおんは感情的に動こうとするみつれをなだめる。
みつ「・・・わかった。脱出しよう。」
みつれ達はとりあえず脱出しようとする。
しお「こっちだよ。ついてきて。」
しおんをみつれを連れて2階へあがる。
しお「この部屋から出れる。」
2人は窓から隣のビルへ飛び移り脱出した。
しお「とりあえずなんとかなったね。」
みつ「あぁ。早くリンと合流しよう。」
ビルの中が騒がしくなっている。
ビルからも何人か人が出てきた。
リンを捜しに周囲を回ってるのだろう。
みつ「私たちも早いとこリンと合流しよう。」
しお「そうだね。行こう」
2人は隣のビルの中を移動する。
幸いなことに組織の人間に顔は見られていない。
2人はこのまま普通にビルを出ることにした。
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