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〜第1章〜
㉗『爆破テロ』
しおりを挟むしお「みつれさん!!ニュースみて!!!」
しおんがみつれの部屋に入ってきた。
みつ「どうしたしおん?」
しお「いいから来て!」
しおんはみつれをテレビの前に連れていく。
『繰り返します。本日正午頃、○○警察署が原因不明の爆発により火災が発生。中に居た警察官等の安否は今のところ確認されておりません。・・・繰り返します………』
しお「ここ…リンさんの署ですよね?」
みつれはすぐさまリンに電話をかける。
みつれ「・・・駄目だ。繋がらない。」
しお「直接警察署に行ってみよう!もしかしたら救助されてるかも!」
みつ「そうだな!行こう!」
2人は警察署にむかった。
警察署の辺りは騒然としていた。
懸命な消火活動。救急車のサイレン。難を逃れた警察官が規制線をはる。群がるマスコミと野次馬。
2人は警察署に到着する。
しお「めちゃくちゃだねこりゃ。」
みつ「とにかく救助された人を確認しよう。」
確認したが、リンの姿は無かった。
消火活動は夕方頃まで続いた。
警察署の爆発から一夜が明け、署内の捜索が始まった。
そこには複数の爆弾の痕跡があり、政府は爆破テロの可能性があると声明。
死者は数十名にも及んだ。
しお「・・・死者の名前にリンさんがありませんね。それに拘束されてたはずのシロサキも名前が無い。」
みつ「けど救助された中には2人の姿は無かった。リンはまだ電話も繋がらない。どこに行ったんだ…」
しお「それに今回の爆破騒動で政府は爆破テロって声明を出してるよ。これって…」
みつ「シロサキが逮捕された後の爆発……なにか関係がありそうだな。」
しお「もう一度シロサキの事を調べてみるよ!」
しおんはモニターに向かった。
みつ「頼む!私は1度リンの家に行って中を確認する!」
しお「でも留守なら鍵掛かってるんじゃないの?」
みつ「合鍵なら持ってる。何か分かったら連絡しろ!!」
みつれは事務所を出た。
しお「・・・合鍵って…。絶対デキてるじゃん…」
みつれはリンのマンションに向かった。
合鍵でリンの部屋に入る。
だが、そこにリンは居なかった。
みつ「リン……どこ行ったんだ……」
呆然とするみつれ。
するとみつれのスマホが鳴った。しおんからだった。
みつ「もしもし。何か分かったか!?」
しお「シロサキの新しい情報はまだだけど、ネットで行方不明者リストがでてたよ。今そっちに送る。」
みつれは送られた行方不明者リストを確認した。
そのリストには警察官、その他職員、留置者に分かれており、リンの名前があった。
そして留置者の欄にはシロサキの名前があった。
みつ「・・・」
しお「リンさんの家はどうだった?居た?」
みつ「いや…居ない。私はこれからリンが行きそうな場所を探して回る。しおんは引き続き情報を集めて!」
しお「了解!」
みつれは街を走り回った。
しかしリンは見つからなかった。
みつ「((どこ行ったんだよ…リン……))」
途方にくれるみつれにしおんから着信があった。
しお「みつれさん!今すぐ事務所に戻って来て!」
みつ「なにか分かったのか?」
しお「シロサキの居場所がわかったかも知れない。とにかく戻って来て!」
みつ「分かった。すぐ戻る。」
みつれはすぐに事務所に戻った。
しお「みつれさん!戻ったね。」
みつ「なにか分かったのか?」
しおんはみつれにモニターを見せた。
しお「シロサキの遠い親戚を調べたら出てきた。…亡くなってるけど…反社の人間だったらしい。もしかしたらテロ組織と関係があるかも。」
みつ「・・・なるほど。有り得るな。」
しお「それで、みつれさん。シロサキにスマホをスらせたの、覚えてます?」
みつ「あぁ。ダミーのスマホだろ?それがどうした?」
しお「実はそのダミーのスマホの中にGPSを付けてたんだよ。もしかしてと思って見たら…」
しおんはモニターを指さした。
みつ「移動してるな。まさか…」
しお「これは仮説だけど、シロサキはテロ組織の一味で、あの爆発でリンさんを拉致して新たにテロを起こす気なんじゃないかと…。警察署の爆破テロ。あれは複数箇所で爆弾の痕があったから到底拘束されているシロサキが出来ることじゃない。恐らく複数犯。複数いるならリンさんを拉致出来る。…それに残念だけどそれならリンさんが見つからないのも説明がつく。」
みつ「リンが…組織に拉致られた…!?」
みつれは自分の過去を思い出した。
組織に売られ、屈辱を受けた日々のことを。
みつ「・・・駄目だ……リンをそんな目に合わせたくない!!!」
しお「そうだね。兎にも角にもまずシロサキを追おう!!多分そこにリンさんもいる!」
みつ「バイクを使う!準備しろ!しおん!」
しお「おっけー!」
みつれとしおんはGPSが差す場所に向かう。
みつ「((リン…必ず助ける!!))」
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